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小栗旬さん、菅田将暉さんら「投票はあなたの声」動画で呼び掛け、発起人の思いは?

衆院選を前に、小栗旬さんや菅田将暉さんら14人が投票を呼び掛ける動画がYouTubeに投稿され、話題となっています。発起人に話を聞きました。

14人が投票を呼び掛ける(YouTube投稿の動画「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」より)
14人が投票を呼び掛ける(YouTube投稿の動画「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」より)

 10月31日投開票の衆院選を前に、小栗旬さんや菅田将暉さん、二階堂ふみさん、橋本環奈さんら14人の俳優、ミュージシャン、タレントが投票を呼び掛ける動画がYouTubeに投稿され、話題となっています。動画は「VOICE PROJECT 投票はあなたの声」と題した約3分半の映像です。

 まず、二階堂さんが「これは広告でも政府の放送でもなく」と語り、仲野太賀さんが「僕たちが僕たちの意思で作った映像です」、滝藤賢一さんが「僕たちの投票への思いを話します」と続けます。ほかの参加者も「若者の、私たちの世代の投票率がすごく低い」(コムアイさん)、「自分の未来のことにも関わってくるからそんなに少ないんだみたいなことは驚いたし、その中の一人でもあるよな、俺みたいな」(菅田さん)といった思いも吐露しつつ、「まず、意思を示さないと」(橋本さん)、「僕らのできる第一歩みたいなものが投票」(小栗さん)と投票への思いを語ります。

 そして、それぞれが次々と「投票します」と宣言し、最後は全員で「投票はあなたの声だ」と呼び掛けて、動画は終了します。この動画は「一切の政党や企業に関わりのない、市民による自主制作プロジェクト」として、映像作家の関根光才(こうさい)さんと、ともに映像プロデューサーの菅原直太さん、大越毅彦さんの3人が発起人となって企画したとのことです。

 関根さんに、動画制作の経緯やメッセージに込めた思いを聞きました。

自分たちの未来と政治は地続き

Q.俳優やミュージシャンの皆さんに、投票を呼び掛けてもらおうと思ったきっかけや経緯を教えてください。

関根さん「7月末ごろから、発起人メンバーの間で、低迷する日本の選挙の投票率に対して何かアクションができないかと考え、今回の企画を立てました。影響力のある俳優、ミュージシャンの皆さんと一緒にアクションができたら、多くの人に届くメッセージになるのではないかと考えたのです。

今回のアクションは純粋に投票だけを呼び掛けるものです。実際、投票に行った人がどんな政党や政治家に投票しても、それは個人の自由ですよね。このプロジェクトでは結果ではなく、『投票に行く』というプロセスを最も大事にしています。そのプロセスの中に『自分で考え、社会参加する』という民主主義の非常に大切な要素が詰まっているからです」

Q.出演者の中には、菅田将暉さんや橋本環奈さんら若い人が多いように思いますが、若い世代の人たちへ、特に訴えかけたいという思いもあったのでしょうか。

関根さん「日本の国政選挙の投票率は近年は5割程度と、主要先進国といわれる国々の中でもかなり低い割合にとどまっています。中でも20代、30代の人たちの投票率が特に低いので、もし、若い皆さんに一歩を踏み出してもらえるきっかけになれたらとは思っていました。

選挙の投票率が高い国は総じて、国民の幸福度も高いです。『幸せになりたいから投票に行く』ということは、実は当たり前のことですし、若い皆さんにも将来、『自分たちが幸せである』と実感できるような社会の中で過ごしてほしいと願っています」

Q.コロナ禍で迎えた衆院選だから、特にこうした呼び掛けをしたいという思いはあったのでしょうか。

関根さん「はい。自分たちの生活や未来と政治が地続きでつながっているものなんだという実感は、コロナ禍で多くの人たちが経験したのではないでしょうか。そういうタイミングだからこそ、今回の衆院選でアクションを起こすことに意味があるのではと考えていました」

Q.全員のメッセージが一つの流れのように感じますが、シナリオや「こう話してほしい」という演出はあったのでしょうか。

関根さん「このプロジェクトが立ち上がった初期の段階から、出演者の皆さんの『ご自身の言葉で発信するメッセージ性』を重視すべきだと制作チームの中でも話し合っていました。誰かを批判したり、ジャッジしたりすることなく、シンプルに自分の気持ちをシェアすることで、誰かを傷つけることなく、メッセージを伝えられるのではと考えたからです。

それは『#わたしも投票します』という言葉にも表れていると思います。こちらでもメッセージの内容は用意していたのですが、出演者の皆さんにインタビューさせていただいたところ、皆さんご自身の中から生まれた言葉の方がとても魅力的で、心に響くものがありました。その結果、ほとんどの箇所で、そういう皆さんご自身の言葉を使用させていただいております」

Q.反響はいかがですか。

関根さん「何のパブリシティー(広報)も打たず、こちらからメディアにアプローチもせず、シンプルに純粋に自分たちの思いをネットに上げてみようという試みだったので、反響がどれくらいあるか心配していましたが、結果、思ったよりもはるかに大きい反響がありました。

寄せられたコメントを見ると『今まで、投票に行っていなかったけれど、これを見て、投票に行こうと初めて思った』とか、『日本でもこういう声が上がってうれしい』といった、本当にありがたいお言葉を頂き、スタッフも感動しています」

Q.この動画で、政治に関心がない人たちを振り向かせることはできるでしょうか。呼び掛けの言葉も含めて、お願いします。

関根さん「日本では政治の世界で、なかなか、国民の関心が及びにくいようなことも起きていますし、あまり関心が湧かないというのも非常に理解できます。できれば、『政治は政治家にやっておいてもらいたい』とも思います。けれど、民主主義の基本は、市民一人一人が政治に携わってこそ、本来、成立するものです。その政治から、みんなが手を離すと、社会が、未来が簡単に壊れてしまう。

だから、みんなで政治を意識的にウオッチして、関与していく必要があります。投票はそのための最も基本的で、しかも簡単な作業です。『誰に投票したらいいんだろう』『投票したい人がいない』といった気持ちもあるかもしれませんが、発起人の私たちも、そして、今回出演していただいた皆さんも一人一人悩み、考えながら投票しています。ぜひ、一緒に投票へ行きませんか」

 この動画に共感したら、「#わたしも投票します」というハッシュタグを付けて、SNSでシェアしてほしいとのことです。

(オトナンサー編集部)

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コメント

1件のコメント

  1. 俳優であっても投票の権利はある。政治的主張をする権利もある。だが、社会的影響力を考えて、きちんとした知識を持って、発言に責任を持つべきだろう。
    結構ある(特にお笑いタレントに多い)のが、不勉強なコメントを攻撃された時に「私はお笑いタレントですよ」的な言い訳。こんな無責任な逃げ方をするのなら端から発言などしなければいい。SNS内であっても公言してるのと同じなのだから、きちんと責任を持つべきだろう。特に有名人はその前だけで注目され影響力がある。自覚すべきだと思う。