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日向坂46、誰も突出しない“横並び感”と“親しみやすさ”の魅力

アルバムリリース、テレビ出演…と現在、さまざまな場面で活躍を見せている日向坂46。その魅力は“横並び感”にあると専門家は見ます。

日向坂46(左から)小坂菜緒さん、金村美玖さん、佐々木久美さん、佐々木美玲さん、加藤史帆さん
日向坂46(左から)小坂菜緒さん、金村美玖さん、佐々木久美さん、佐々木美玲さん、加藤史帆さん

 9月23日、アイドルグループ・日向坂46の「日向坂46」名義として初のアルバム「ひなたざか」がリリースされました。8月7日にはグループ初のドキュメンタリー映画「3年目のデビュー」が公開されるなど、以前にも増して、日向坂46の名を目にする機会が増えています。

 最近では、冠番組「日向坂で会いましょう」(テレビ東京系)だけでなく、CMや雑誌、他番組での活躍の場も増え、現在のアイドルシーンで最も勢いのあるグループの一つに数えられています。

 現在、目覚ましい活躍を続けている日向坂46について、作家・芸能評論家の宝泉薫さんに聞きました。

コロナの影響を受けながら…

 日向坂46はもともと、欅坂46のアンダーグループ「けやき坂46」として活動をスタート。2019年2月に「日向坂46」への改名を発表し話題を集めました。改名の翌月、デビューシングル「キュン」をリリース。女性アーティストのデビューシングル初週売り上げ枚数の記録を更新するなど順調な滑り出しを見せ、同年、3枚のシングルをリリースし、年末の「第70回NHK紅白歌合戦」初出場を果たしました。

 デビューイヤーに目覚ましい活躍を見せた日向坂46ですが、「紅白歌合戦出場を皮切りに、2020年はさらなる活躍が期待されていた中での新型コロナウイルスの流行。これから、どんどん露出を増やしていこうというタイミングでそれができなくなってしまったのは、大きな痛手だったのではないでしょうか」(宝泉さん)

 コロナウイルスの影響により、本来3月に公開予定だったドキュメンタリー映画「3年目のデビュー」は公開延期、握手会の中止も余儀なくされ、「全国アリーナツアー2020」も全公演中止になるなど活動の場が制限されてしまいました。

 宝泉さんは「改名のインパクトがまだ続いているものの、コロナウイルスの影響でブレーク感は見えにくくなってしまいました。ただ、このような状況でも今年のアイドルシーンを象徴するグループであることには変わりありません」と評します。

 日向坂46にとっては、グループにまだ突出した存在がいないこともプラスになっている、と宝泉さんは見ます。

「乃木坂46の生駒里奈さんや白石麻衣さん、欅坂46の平手友梨奈さんのように、グループの一般的な認知度を一気に押し上げるセンターやフロントメンバーがまだいないものの、そこが魅力の一つでもあると考えています」

「細かくキャラが立っているメンバーが一般にはまだ認知されていないからこその“横並び感”が魅力であり、認知度の観点からも、グループとしてはまだまだ成熟期間でありながら、デビューシングルで見せた明るく親しみやすいグループカラーが今の時代にマッチしていることが活躍の理由でしょう」

 エンタメシーン全体がコロナウイルスの影響を受けている中、日向坂46が今の状況をどう乗り越えていくのか、そこには大きなチャンスが潜んでいるようです。

「SMAPのデビュー時の状況にある意味似ているように思います。当時、音楽番組が次々と終了し、バラエティー番組に活躍の場を見いだしたように、日向坂46も握手会や全国ツアーなど、本来想定していた活動ができない中で、別の場所に活路を見いだせるか注目しています」

 最近では、グループ活動だけでなく個人で番組に出演する機会も増え、幅広い活躍を見せ始めている日向坂46。

「特にクイズ番組への出演が目立つように感じます。番組側としても新鮮味を出すことができる上、新たな活躍の場を見いだしたい日向坂46にとっても大きなチャンスでしょう。音楽番組での露出も限られてしまう現状で、本来の活動の場以外における活躍に期待しています」

(オトナンサー編集部)

宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

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