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森崎ウィン、新田康介役で挑戦「汚いことをさらけ出すっていう部分」

映画「妖怪人間ベラ」主演の森崎ウィンさんに、台本の感想や“超自然”などについて聞きました。

森崎ウィンさん
森崎ウィンさん

 映画「妖怪人間ベラ」で主演を務める俳優の森崎ウィンさん。

 同作は、広告代理店に勤める新田康介(森崎さん)は、今やすっかり忘れ去られた「妖怪人間ベム」の特集のため、幻の最終回を見て結末に正気を失いそうになります。同じ頃、街の高校に転校してきた少女ベラ(emmaさん)は周囲と明らかに異なる雰囲気を持ち、そんなベラを執拗(しつよう)に追う新田も狂気的な行動を繰り返すようになり…アニメ「妖怪人間ベム」に登場するキャラクター、ベラにスポットを当てたホラー映画です。

 オトナンサー編集部では、森崎さんにインタビューを実施。台本の感想や狂気性を出すためにしたこと、“超自然”などについて聞きました。

狂気の振り方をどうすべきか

Q.アニメ「妖怪人間ベム」をご覧になったことはありますか。

森崎さん(以下敬称略)「日本に来たばかりの頃、アニメを少し見たことはありますが、それくらいですね。追いかけていたわけでもありませんし、日本に来たのは10歳くらいでした。この映画はベムにフィーチャーされておらず、ベムとは真逆のことをしているので、あえて見ませんでした」

Q.台本を読まれていかがでしたか。

森崎「字だけでは想像しきれないことが多く、どうなるのかなと思いました。そういう意味では不安もありました。後半からファンタジーに入り、新田が狂気になっていくところの振り方をどれくらいにすべきか、字の中から読み取れるものだけでは想像しきれません。英勉監督にお会いして説明を受けて理解しました」

Q.英監督の演出を教えてください。

森崎「英監督は、するべきことを全部決めて撮影される監督でした。一日のスケジュールがまいたりすることもあり、迷いがない撮影で俳優として仕事がしやすかったです。

僕は台本を読んで役を構築し、新田のピークにしたいシーンを決めていましたが、英監督からは最初から全部出せという指示を受けました。今思うと、最初から全部出さないと、ぬるくなってしまうというのが見えていたんだと思います。全部出すと、その後、新しいものを探すことになり、僕自身の新たな表現を引き出してくれました」

Q.新田に共感できるところはありましたか。

森崎「新田は我慢しがちな人間です。それが最終的に爆発するのですが、僕自身はあそこまで爆発することはありません。新田は周りの人間が出世し、自分だけが置いていかれるように感じています。僕も映画『レディ・プレイヤー1』に出演する前にそういう感じはありました。共演者さんが売れていくのは喜ばしいことなのですが、役者としては悔しいですし、そういう気持ちや感情は共感できました」

Q.今回、一番の挑戦を教えてください。

森崎「毎回、新たなキャラクターを頂いて、常にそのキャラクターとして現場にいることが挑戦だと思っています。今回はジャパニーズホラーで、歴史のあるベムという題材を真逆に捉えて、世の中に対して何を伝えたいか、名がある俳優さんはたくさんいますが、なぜ、僕にこの役のオファーがきたのか理由を見つけることが挑戦でした。

好青年と評価されていますが、僕も人間だから汚い部分はあります。汚いことをさらけ出すっていう部分も挑戦だったのかなと思います。表に立っている人間なので、なかなか出せないと思います」

Q.妖怪や超自然的なものは信じていますか。

森崎「僕の家系は仏教で、ミャンマーでは信じるんですよ。ミャンマーで暮らしていたとき、おばあちゃんから聞かされていました。大人になってから、幽霊より人間の方が怖いと思いましたが、幼い頃は幽霊も信じていました」

Q.普段、リフレッシュにしていることを教えてください。

森崎「コロナの自粛期間はいろいろ考えさせられた期間でした。僕はなぜ、エンターテインメント業界を続けていこうと思っているのか、自分を見つめ直し、現場のありがたみを感じました。現場で人と会話することがリフレッシュになりました。

僕は人間関係が広く浅くで、これまでは人見知りでプライベートでは家にいることが多いと話していましたが、それは仕事で外に出て人と接する機会が多いからです。家にいたら駄目ですね。やっぱり、人と会って話すことが好きです」

 映画「妖怪人間ベラ」は9月11日から全国公開。

(オトナンサー編集部)

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