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非正規で働きながら保育士に! 講座は無料、民間の「資格取得支援制度」が注目

保育士志望者と保育園をつなげることで保育士を増加させようという民間企業の取り組みが注目されています。

「江東区保育園就職フェア in Koto」の様子
「江東区保育園就職フェア in Koto」の様子

 保育士の人材不足が叫ばれる中、保育士志望者と保育園をつなげることで保育士を増加させようという民間企業の取り組みが注目されています。

「保育士資格取得支援制度」とは

 日本初の保育専門求人メディア「ココキャリ」を運営するキャリアフィールド(東京都渋谷区)。保育士資格を持たない保育士志望者を対象に、同社が紹介した保育園で非正規雇用の保育補助として働きながら、資格取得に向けた講座を無料で受講できる「保育士資格取得支援制度」を実施しています。

 同制度は、利用者が受ける講座の費用を、保育補助として雇用する保育園が全額負担。利用者は保育士資格を取得後、その保育園で正社員として雇用されます。保育園としては、現場を知っている人材を雇用できるメリットがあり、講座の費用は、正社員転換による国からの補助金で穴埋めできるというものです。

 同社代表取締役の都築裕一さんは、次のように話します。

「会社のコンセプトとして、一人でも多くの保育士を輩出したいと思っています。弊社は人材紹介は行っていませんが、それは人材をリプレースすることにとどまり、業界全体の保育士の数は増えないからです。保育士が1人増えれば、最大20人の親が働けると言われ、保育士の増加によって生まれるマーケットも大きいと考えています」

 都築さんによると、資格取得までに利用者が退職してしまったり、そもそも保育士試験に合格できなかったりするリスクもありますが、「業界全体として保育士を育てなければいけないという弊社の考えに賛同していただいています」と、業界の将来を見据えた活動であることを強調します。

マッチングイベントに76施設参加

キャリアフィールド代表取締役の都築裕一さん
キャリアフィールド代表取締役の都築裕一さん

 同社は9月7日、待機児童の解消を目指した保育士確保を目的とするマッチングイベント「江東区保育園就職フェア in Koto」を東京都江東区の委託で開催し、区内の認可・認証保育園など35法人76施設が出展。「ネットの求人情報だけでは分からない雰囲気を知ることができました。保育士の年齢や残業時間について聞くことができ、参考になりました」(40代女性)などと好評でした。

 江東区こども未来部・保育課長、保育待機児対策担当課長の西谷淳さんによると、同区の保育事業者が人材を1人採用するのにかかる費用は約100万円。昨年9月の同イベントでは11人が採用されたことから、「一定の効果があります」と期待を込めていました。

 なお、11月24日にも同イベントが開催。また、保育現場の現況について学ぶ「保育園就職応援セミナー」が9月12~13日に開催されます(実習は10~11月)。

(オトナンサー編集部)

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