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昨年は夏バテかと話題に…「蚊」が発生・活動しやすい環境は? 35度以上で動き鈍る?

記録的猛暑となった昨夏は「蚊も夏バテか」と話題になりましたが、今年の状況はどのようなものでしょうか。

昨年は夏バテと話題に、今年の状況は…?
昨年は夏バテと話題に、今年の状況は…?

 記録的猛暑となった昨夏は、毎年悩まされる「蚊」を見かけることが少なく、「蚊も夏バテか」と話題になりました。今年は7月に「梅雨寒」が続いた後、梅雨明けしてからは猛暑が続いていますが、今年の「蚊」の状況はどのようなものでしょうか。害虫防除技術研究所(千葉県八千代市)代表で、蚊よけ商品の効果測定などを手がける「モストップ」(同)取締役の白井良和さんに聞きました。

高温だと発生源が減少

Q.蚊が発生、活動しやすい状況を教えてください。

白井さん「降水量が多い状況で、猛暑でなく、かつ湿度が高い状況です。つまり、雨が多くて水たまりが多く、かつ水たまりの水が蒸発しづらい状態です。気温が高いと水が蒸発して干からびやすくなり、幼虫の発生源が少なくなります」

Q.昨夏、猛暑と少雨で「蚊も夏バテなのか、動きが鈍い」と話題になりました。今年は梅雨寒の後、一気に暑くなりましたが、この夏の蚊の活動状況はいかがでしょうか。

白井さん「雨が多かった7月中旬までは、体感的には蚊が多く、活動が活発な状況でした。梅雨明け後、猛暑となり、体感的には蚊が少なくなっています」

Q.気温が35度以上になると、蚊の活動が鈍るというのは本当ですか。

白井さん「確かに、実験条件下で35度以上にすると、蚊の吸血意欲が低下します。一方、蚊は実際の屋外においては、日陰のおよそ30度以下のところに潜んでおり、わざわざ35度以上の場所にいることは少ないと考えられます。しかし、雨が少なく高温の状態だと、水たまりが減ることにより、蚊の数が減ることは考えられます」

Q.8月後半や9月に気温が下がってきたら、どうなりそうでしょうか。

白井さん「雨が多く降るようになり、水たまりに水が長く存在する状況になると蚊が増えます。毎年、9月は蚊が多い時期です。体感的なものですが、昨年も9月は蚊が多かったと思います」

Q.効率的な蚊対策を教えてください。

白井さん「身の回りにある植木鉢の受け皿や、廃タイヤ、バケツなどの容器、おもちゃ、洗車用品、プランター、つぼ、ブロックの穴に水がたまらないよう、屋根の下に置くか片付けましょう。雨を地中へ浸透させる『雨水マス』には、市販の羽化阻害剤を入れるなどします。網戸のある窓を半開きにする際は、網戸から遠い方の窓ガラスを半開きにしてください。窓やドアの開閉はすばやく行いましょう。

蚊がいる場所に行く際は、暗い色や濃い色の服ではなく、明るい色や淡い色の服を着ます。蚊は刺すときに暗い色を好むためです。蚊が多い場所では、蚊よけに有効な『ディート』や『イカリジン』を含む虫よけ剤を使用し、長時間滞在する場合は、高い濃度の『ディート30%』や『イカリジン15%』と表示している商品を使用しましょう。

足首から下が特に刺されやすいので、靴下と靴を履いてカバーします。蚊は体が軽いので、うちわで体に風を当てることも刺されにくくするための対策になります。蚊は皮脂や足の臭いに誘引されます。汗をかいている状態だと蚊に刺されやすいので、汗はこまめに洗い流し、なるべく清潔に保ちましょう」

(オトナンサー編集部)

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