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【漫画】「自分より才能がある人」への憧れと悔しさ… 同僚に負け続けたデザイナーの「勝ちたい」に隠れた“本音”

Xで公開されているイラストレーター・漫画家のオオカミ タホさんの漫画が「デザイナーの苦悩がリアル」と話題に。そこで、作者に話を聞きました。

漫画「このひとに、勝ちたい。」のカット(オオカミ タホさん提供)
漫画「このひとに、勝ちたい。」のカット(オオカミ タホさん提供)

 イラストレーター・漫画家のオオカミ タホさんの漫画「このひとに、勝ちたい。」が、Xで合計3700以上の「いいね」を集めて話題となっています。

 デザイナーの主人公は、同僚にいつもデザインで勝てず、悔しさを抱えていました。会社を辞めてフリーランスとなり、自分なりに自信が持てるデザインができるようになったので、あるコンテストに応募したところ…という内容で、読者からは「デザイナーたちがあまりにもリアル!」「意識せざるをえない人っていますよね」「主人公を応援したくなりました」などの声が上がっています。

“敵わない同僚”への複雑な思い

 オオカミ タホさんは、Xインスタグラムで漫画を発表しています。オオカミ タホさんに作品について話を聞きました。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

オオカミ タホさん「数年前からエッセー漫画や短いギャグ漫画を描いていたのですが、ストーリー漫画を描き始めたのは2025年3月からです。今回の『このひとに、勝ちたい。』は、初めて30ページ以上の漫画を描いたものです」

Q.今回の漫画を描いたきっかけを教えてください。

オオカミ タホさん「『コルクマンガ専科』というオンライン漫画スクールの卒業課題として描きました。このエピソードは、山田ズーニー先生の授業で作った短文が元になっています。過去の悔しさやさびしさに、自分なりの解放を見いだす短文を作り、気に入ったので漫画にしました」

Q.創作漫画ということですが、ご自身の体験が反映されているのでしょうか。

オオカミ タホさん「反映されています。描いているときには気付かなかったのですが、『認めてもらえない悔しさ』や『さびしさ』は、自分の中に根深くある過去の感情が投影されているな、と思います。ただ私はデザイナーではないですし、主人公と性別も違うので、漫画の出来事や人物像は、ほぼ創作です」

Q.作品の中の登場人物で、ご自身と似ているところや共感できる部分はありますか。

オオカミ タホさん「主人公の燕くんの『内省しがち』『事実確認が苦手』な部分は似ています。森田さんは、私とは気質が真逆なので、正直あんまり何を考えているのか分からないです(笑)」

Q.森田さんという存在は、主人公にとってどんな意味を持つ人物だと思いますか。

オオカミ タホさん「主人公にとって『一番褒めてもらいたかった人』ですね。それぞれ大事にしているものが違うので、毎日やりとりをするのはお互い大変だったと思います。でも森田さんは尊敬する部分も多く、憧れもあるので嫌いになりきれない存在です」

Q.最後の森田さんからのメールを読んで、主人公の心にはどんな変化があったと思いますか。

オオカミ タホさん「『勝ちたい』の裏にあった『認められたかった』の感情を、いったん自分の中で一区切りにできたのではないかな、と思います。とはいえ、根深い感情でもあるため、全てが丸くおさまったハッピーエンドとは言い切れません」

Q.今回の作品について、どのようなコメントが寄せられていますか。

オオカミ タホさん「デザイナーさんから、『自分も人と比べて苦しいときがあるので励まされた』という感想をいただき、うれしかったです。また、『昔の上司を思い出した。あの人のおかげで今がある』という人もいらっしゃいました。デザイナーに関わらず、読んでくださった人それぞれが、ご自身の人生の今や過去を少しでも肯定できたならうれしいです」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

オオカミ タホさん「今回の漫画を軸に練り直して、続きを描きたいと思っています。他にも、今回の漫画とは関係ないのですが、短編集(電子書籍予定)を近々出す予定です。軽めの日記的な漫画を描くのも好きなので、引き続きXなどのSNSで、楽しくいろいろ描き続けていきたいです!」

(オトナンサー編集部)

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オオカミ タホ

イラストレーター・漫画家

ウェブサイト『レタスクラブnet』で「悪の組織の子育て日記」を掲載中。
電子書籍:『悪の組織の子育て日記』発売中。
X:@ookamitaho
インスタグラム:https://www.instagram.com/a.oktmh
note:https://note.com/ookamitaho

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