オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

相次ぐ「ホテルの備品持ち帰り」タオルや食器、ドライヤーまで…SNS「信じられん」怒り噴出→罪に問える?【弁護士解説】

外国人観光客の場合は?

 昨今はインバウンド旅客数も増えており、外国人観光客による持ち帰り行為も見受けられるようですが、外国人観光客の場合でも、日本の窃盗罪に問うことは可能です。刑法は「この法律は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用する」と定めているためです。

 ただし、外国人観光客の場合、文化が異なること、言葉の壁があることなどから、持ち帰りが禁じられていると知らずに持ち帰ってしまうこともあると思われます。また、帰国してしまうと、取り締まりも煩雑になるため、実際に罪に問うのは悪質性の高い一部のケースに限られるように思います。

 ホテル側には、備品の無断持ち帰りによるトラブルを少しでも減らすため、「持ち帰られたら困るものに『持ち帰り禁止』と明示する」「宿泊約款にルールを書いておく」といった工夫が求められるでしょう。

 ホテルが用意してくれている備品の多くは、ホテル側がサービスで提供してくれているものであり、「客のもの」ではありません。備品の持ち帰りが窃盗罪になるかどうかは、ホテル側の意思によります。利用者としては、持ち帰ってよいかどうか、ホテルに確認することが大切です。

(オトナンサー編集部)

【画像】「えっ…あり得ない……」→これがホテルから持ち帰ったら「窃盗罪」になるモノです(実物)

画像ギャラリー

1 2

佐藤みのり(さとう・みのり)

弁護士

神奈川県出身。中学時代、友人の非行がきっかけで、少年事件に携わりたいとの思いから弁護士を志す。2012年3月、慶応義塾大学大学院法務研究科修了後、同年9月に司法試験に合格。2015年5月、佐藤みのり法律事務所開設。少年非行、いじめ、児童虐待に関する活動に参加し、いじめに関する第三者委員やいじめ防止授業の講師、日本弁護士連合会(日弁連)主催の小中高校生向け社会科見学講師を務めるなど、現代の子どもと触れ合いながら、子どもの問題に積極的に取り組む。弁護士活動の傍ら、ニュース番組の取材協力、執筆活動など幅広く活動。女子中高生の性の問題、学校現場で起こるさまざまな問題などにコメントしている。

コメント