オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

「便」の臭いが強烈…“大腸がん”の可能性も 要注意食品&受診目安 消化器病専門医に聞く

便の臭いを改善するには?

Q.便の臭いを改善するには、どのような対策が重要なのでしょうか。日頃からできる取り組みについて、教えてください。

福田さん「便の臭いを改善するためには、まずご自身の『便の状態』を確認することから始めてみましょう。外来で診察を行っていると、便の色や形を目で確認する習慣がない人が多くいらっしゃいますが、便は健康のバロメーターでもあるため、まずはご自身の便の状態を確認する習慣を身に付けましょう。先程も紹介しましたが、『下痢が頻繁に続く』『便に血が混じっている』『排便時に腹痛を伴う』『便の形が細い』という場合は注意が必要です。

そして、便の臭いの変化の前後でご自身の行動に変化がなかったのかを思い出すことも重要です。特に腸活のために食べ始めた食べ物のほか、健康や美容、トレーニング目的で摂取を始めたプロテインは要注意です。

プロテインには便の臭いの元となるアミノ酸が多く含まれているため、プロテインの摂取後から便の臭いが変わった場合は、腸内環境を整えるサプリや整腸剤を一緒に摂取するのがお勧めです、それでも便の臭いが強い場合は、プロテインの摂取を中止し、便の臭いが改善するかどうかを確認しましょう。

一般的に『腸に良い』といわれている食品にも落とし穴があります。例えば、納豆やヨーグルト、キムチなどの発酵食品のほか、オリゴ糖などは腸活の際によく食べられる食品ですが、人によっては逆効果になってしまう場合もあります。

これらの食品は、高FODMAP(フォドマップ)と呼ばれています。FODMAPは『F:fermentable 発酵性の』『O:oligosaccharides オリゴ糖』『D:disaccharides 二糖類』『M:monosaccharides 単糖類』『And』『P:polyols ポリオール(糖アルコール)』の頭文字から名付けられています。つまり消化が難しく、腸内で発酵しやすい短鎖炭水化物や糖アルコールの総称です。

これらの物質が腸内で発酵すると、ガスや水分が発生し、腹部膨満感や痛み、下痢、便秘などの消化器症状を引き起こすことがあります。近年はこの高FODMAP食品の摂取でおなかの膨満感や臭いに悩まされている人が多くいます。

もちろん、この高FODMAP食品は基本的に腸に良い食品なので、適量であれば摂取しても問題はないと考えられます。腸活に取り組んでいるのに便が臭う場合、食生活を見直してみてくださいね」

(オトナンサー編集部)

【要注意】「えっ…!」これが“便”が臭う原因となる“食材”です

画像ギャラリー

1 2

福田頌子(ふくた・しょうこ)

あさひの森 内科消化器クリニック院長

愛知医科大学病院卒業後、初期研修を経て愛知医科大学病院消化管内科へ入局。大学病院での診療と並行し、同大学院に入学し博士号を取得。その後、「あさひの森 内科消化器クリニック」(愛知県尾張旭市)を開院。「便秘外来」や「腸内細菌外来」を開設し、おなかの不調に対しての食事療法なども積極的に行う。現在、遠方からも多くの患者が来院している。「あさひの森 内科消化器クリニック」(https://sunrise-woods-clinic.com/)。Instagram(https://www.instagram.com/asahinomori0201/)。

コメント