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【不人気】「北向き」の物件ってメリットあるの? 不動産のプロに聞いて分かった“5つの魅力”

「日当たりがよくない」といった難点から敬遠されがちな「北向き」の物件。しかし実は、意外なメリットも少なくないようです。不動産のプロに聞いてみました。

北向き“ならでは”のメリットがある?
北向き“ならでは”のメリットがある?

「日当たりがよくない」「薄暗い」「洗濯物が乾きにくい」といった難点が多いイメージから、一般的に“不人気”とされている「北向き」の物件。どうしてもネガティブな条件にスポットが当たりやすいですが、実は意外なメリットや魅力もあるようです。“北向き物件ならでは”のメリットについて、不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士の竹内英二さんに聞きました。

一般的に「家賃が安い」

Q.そもそも、なぜ「北向き」の物件は“不人気”とされているのでしょうか。

竹内さん「北向きの物件は一般的に、メインバルコニーが北を向いている物件を指します。メインバルコニーの扉は、住宅の中でガラス面が最も大きい部分です。大きなガラス扉が日当たりの悪い北側を向いていると、日中は暗く、家の中が寒くなってしまいます。よって、日中でも電気をつけないと薄暗さがある点や、冬場の寒さが厳しくなり、暖房費が多くかかる点がデメリットとなります。

特にファミリー層は、日中や土日に部屋で過ごす時間が多いことから、北向き物件が敬遠される傾向にあります」

Q.一方で、“北向き物件ならでは”のメリットも存在するのでしょうか。

竹内さん「北向き物件ならではといえるメリットとしては、次の5点が挙げられます」

【夏場はやや涼しい】

北向き物件は、夏場は涼しいです。部屋の中まで日が差して暑くなり過ぎるといったこともありません。夜も、他の向きの部屋と比べると、暑くて寝苦しいといったことも少ないといえます。夏場はエアコン代を抑えやすいです。

【部屋の温度を一定に保ちやすい】

北向き物件は、昼間に日が差さないことから、部屋の温度を一定に保ちやすいです。例えば、室温を一定に保つ必要がある熱帯魚が飼いやすかったり、直射日光に弱いワインなども保存しやすかったりします。その他、冷蔵庫での保存に適さないサツマイモや青いバナナなども、室内で保存しやすいといえます。

【日焼けが少ない】

北向き物件は直射日光が当たらないことから、家具や本、プラスチック製品などを紫外線から守ることができ、劣化を防ぎやすいです。洗濯物も陰干しとなるため、色あせや生地の傷みも防ぐことができます。

【家賃が安い】

賃貸物件の場合、一般的に家賃が安い点がメリットです。日中、部屋で過ごすことの少ない社会人であれば、北向きによるデメリットは少ないといえます。

【廊下側の部屋が南向きになる】

3LDKのようなファミリータイプの物件の場合、部屋が「田の字型」の配置となっていることが多いです。田の字型では、バルコニーが北向きになると、共用廊下側の部屋が南向きとなります。寝室や子ども部屋を暖かい南側に配置できる点はメリットです。

Q.北向き物件を「あえて選ぶ」際にチェックしておいた方がよいポイント、注意点とは。

竹内さん「北向き物件を選ぶ場合、まずは自分の生活様式が北向きの部屋に適しているかがチェックポイントです。日中ほとんど家にいない人であれば、北向き物件も選択肢の一つといえます。

また、北向きであっても、物件によっては『眺望がよい』『閑静である』『排気ガスが少ない』『道路や他の物件から見られにくい』といった他のメリットがある物件もあります。物件に日照条件を上回るメリットが備わっていれば、北向き物件を選んでもよいといえます。

注意点としては、必ず内覧をし、部屋が暗過ぎないか、または寒過ぎないかなどを確認することです」

(オトナンサー編集部)

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竹内英二(たけうち・えいじ)

不動産鑑定業

不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、住宅ローンアドバイザー、中小企業診断士。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者であるグロープロフィット(千葉市)の代表取締役。大手デベロッパーにて長く賃貸物件の開発に携わってきたことから、賃貸借を得意としている。賃貸に関しては法人や個人を問わず、貸し主や借り主からの相談を多く受けている。大阪大学出身。 グロープロフィット(https://grow-profit.net/)。

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