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森永乳業「ビエネッタ」発売40周年! ロングセラーの秘訣は? 担当者語る“今後の戦略”

森永乳業(東京都港区)が販売するケーキアイス「ビエネッタ」が、今年9月に発売40周年を迎えました。ロングセラー商品に成長した要因などについて、同社に聞きました。

森永乳業が販売するケーキアイス「ビエネッタ バニラ」(森永乳業提供)
森永乳業が販売するケーキアイス「ビエネッタ バニラ」(森永乳業提供)

 森永乳業(東京都港区)が販売するケーキアイス「ビエネッタ」が、9月で発売40周年を迎えました。SNS上では、「昭和のキッズの憧れアイス」「子どもの頃に食べたらおいしかった」などの声が上がっています。ビエネッタは、なぜロングセラー商品に成長したのでしょうか。開発経緯などについて、同社の冷菓事業マーケティング部の別所冴夏さんに聞きました。

乳固形分の比率を増やして発売

 森永乳業は、ケーキタイプの「ビエネッタ バニラ」「ビエネッタ ティラミス」のほか、カップタイプの「ビエネッタカップバニラ」の計3種類を販売しています。

 別所さんによると、森永乳業は世界レベルの高品質で見た目が楽しめるアイスクリームを販売したいと考え、「ケーキアイス」を販売するユニリーバ社と1979年に技術提携を結び、ケーキアイスの製造を開始しました。当時、ユニリーバ社のケーキアイスは、フランスやイギリスなど14カ国で高い人気を誇っていました。

 その後、森永乳業は、海外で販売されているケーキアイスと同様、乳固形分が3.0%以上の「ラクトアイス」として、国内でケーキアイスのテスト販売を行いましたが、販売が振るわなかったということです。

 そこで、当時の日本の社会情勢を踏まえ、乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上の「アイスクリーム」の成分規格に変更し、1983年9月に高級アイス「ビエネッタ」として発売しました。

 ビエネッタは、「ビエンヌ」というオーストリア・ウィーンの貴婦人をイメージして作られたアイスで、ビエンヌの名前を基にビエネッタという商品名を考案したということです。

 別所さんは、ビエネッタがロングセラー商品になった要因として、「独自性のある『華やかな見た目とパリパリした食感』にあると考えています。日本人は、食べ物を『目で食べる』ことを大切にする傾向にあり、これをアイスクリームで実現しました」と回答。

 その上で、「ビエネッタが業界内で独自のポジションを確立したことも大きかったのではないでしょうか。表面のドレープが織り成す美しさはもちろん、切り口の美しさも『味わい』の世界を広げます。この独特の形状に仕上げるのは技術的に非常に困難で、当社が知る限り、これまでに他社から類似品が発売されたことはありません」と、他社にはない強みを強調しています。

 また、発売当時からさまざま進化を遂げている点もビエネッタがロングセラー商品であり続ける一助となったと説明。

 発売当初はアイスクリームにチョコレートを吹き付けて層状に仕上げていましたが、現在はバニラとチョコレートの薄い膜を同時に充填(じゅうてん)して仕上げており、これによりバニラとチョコレートがきれいに分かれ、より美しい見た目のビエネッタを製造することができるようになったということです。

 また、時代や顧客の変化に合わせて、バニラアイスの味わいやチョコレートの量を微調整するなど、商品が愛され続ける工夫をしています。

 現在、ビエネッタの主な購入層は40代の人で、最近は、ビエネッタカップバニラの売り上げが伸長しています。幼い頃に家族とビエネッタを食べた思い出がある人のほか、昔からビエネッタに憧れを抱いており、家族と一緒に食べたい人が購入するケースが多いということです。

 別所さんは、今後の取り組みについて、「社会環境の変化を捉えながら、現在、購入いただいているお客さまは大切にしつつも、40周年をきっかけに『Z世代』と呼ばれる若年層の人にも購入いただけるよう、取り組みを進めていきたいと考えています」と教えてくれました。

 ビエネッタは、華やかな見た目が興味をひきます。家族の誕生日パーティーの際のスイーツとしても、間食としてもおいしく食べられそうです。店舗で見掛けたときは、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか。

(オトナンサー編集部)

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