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「エアコン」と「扇風機」を同時稼働 風向きはどう調節する? 専門家に聞く

自宅でエアコンと扇風機を同時に使う場合、扇風機の風向きや首はどう調節するとよいのでしょうか。総合家電エンジニアに聞きました。

エアコンと扇風機を同時に使うコツは?
エアコンと扇風機を同時に使うコツは?

 エアコンの稼働時に扇風機を使用すると、室内をより効率的に冷やすことができると言われているため、自宅でエアコンと扇風機を同時に使っている人は多いと思います。その際、扇風機は首を固定させた状態で使用するのが望ましいのでしょうか。

 扇風機の適切な使い方について、家電の延長保証の修理精査業務などを手掛ける、テックマークジャパン(東京都墨田区)業務部クレームチームのチーフで、総合家電エンジニアの本多宏行さんに聞きました。

扇風機の首は固定すること

Q.そもそも、一般的な扇風機は、「弱」「中」「強」の3段階で風量を調節することができますが、電気代に違いはあるのでしょうか。

本多さん「扇風機の風量を調節すると稼働率が変わるため、それに応じて電気代も変化します。従いまして、少なからず『弱⇒中⇒強』の順で電気代は上がります。

注意すべきなのは、扇風機で節電効果を望める機種は『ACモーター』ではなく、『ブラシレスDCモーター』を搭載している扇風機であるということです。仮にACモーター搭載の扇風機で、一番風量が弱い『弱』でも約20ワットの電力が必要だったとします。この場合、ACモーター搭載の扇風機では20ワットが最小電力になりますが、ブラシレスDCモーター搭載の扇風機であれば、最小電力は1.5ワット程度まで下がる機種が大半です。

ブラシレスDCモーター搭載の扇風機であれば、『微弱』といったように、モーターの回転数を『弱』よりも少なくするなどして風量をきめ細かく調節できるため、消費電力を大きく抑えることができるのです」

Q.扇風機を手入れするのに適切な頻度について、教えてください。

本多さん「お手入れの頻度は、月に1回程度が目安だと思います。扇風機の後方や羽根の部分にほこりがたまりやすいので、製品の取扱説明書を確認し、正しくお手入れしましょう」

Q.エアコンと併用する際、扇風機は首を振った方がよいのでしょうか。それとも、首を固定すべきなのでしょうか。

本多さん「扇風機の首振り機能は、扇風機のみで室内全体に風を行き渡らせる場合や、就寝時に体に風が当たり続けないために使うのが有効です。エアコンと扇風機を同時に使う場合、首振り機能を使うと室内の空気が効率よく循環せず、効率的に部屋を冷やすことは難しいでしょう。

エアコンと併用する場合、扇風機は、基本的にエアコンと同じ方向の風向きになるように配置し、首を少々上向きに固定してから稼働させてください。

一方、一般家庭とは異なる30畳以上の広いホールなどの場合、扇風機とエアコンが向かい合うように置いた上で首を上向きに固定して使うと、部屋全体をうまく冷やすことができると思います」

(オトナンサー編集部)

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本多宏行(ほんだ・ひろゆき)

総合家電エンジニア テックマークジャパン業務部クレームチーム チーフ

1972年生まれ。神奈川県出身。大手自動車ディーラーでメカニックを経験した後、1999年にテックマークジャパンに入社し、延長保証サービスに伴なう修理精査を担当。自動車の修理精査から始め、2000年頃から家電やパソコン、ガス製品(ガス給湯器、ガスコンロなど)、住宅設備(電気温水器、換気扇、浴室乾燥機、温水洗浄便座など)に係る精査業務を行う。幅広い家電製品の専門知識が必要となる「総合家電エンジニア」資格、スマートハウスのスペシャリストである「スマートマスター」資格を取得し、現在も活躍中。テックマークジャパン(https://www.techmark.co.jp/)。

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