デスクワークで「肩こり」に…塗り薬、湿布を使ってもOK? 効果的な対処法は? 柔道整復師に聞く
肩こりになった場合、市販の塗り薬や湿布を使ってもよいのでしょうか。柔道整復師に聞きました。

仕事でデスクワークが多い人の中には、肩こりに悩む人も多いようです。肩こりになると体を動かしにくくなるので、仕事だけでなく、日常生活でも支障が出ます。
ところで、肩こりになった場合、市販の塗り薬や湿布を使う人が多いようですが、問題はないのでしょうか。とくしま整骨院(徳島県藍住町)を運営する、柔道整復師の笹木翔平(ささき・しょうへい)さんに聞きました。
湿布の効果は一時的
Q.そもそも、肩こりの主な原因や症状について、教えてください。
笹木さん「肩こりとは、首から肩にかけての筋肉が硬くなることで血行不良や神経圧迫などの症状が起きることを指します。多くの場合、猫背の姿勢で長時間、デスクワークやスマホの操作などを行うことで、首から肩にかけての筋肉に負担がかかり、徐々に筋肉に柔軟性がなくなるのが原因です。また、交通事故によるむち打ち(首の捻挫)がきっかけで、肩こりを発症する人もいます。
肩こりの主な症状は、肩の痛みや凝り、動かしにくさ、違和感です。人によっては、肩こりによって、頭痛や吐き気、目まいなどの症状を引き起こす人もいます」
Q.肩こりになった場合の対処法について、教えてください。市販の塗り薬や湿布を使ってもよいのでしょうか。肩こりのときは「温泉に入った方がよい」という話を聞きますが、本当なのでしょうか。
笹木さん「肩の凝りなどを感じる場合、市販の塗り薬や湿布を使っても問題ありません。しかし、薬の効果が切れると再度症状が出てしまう人も多く、根本的な解決にならない場合があります。
温泉など、入浴で体を温めるのは非常に有効です。温泉に入ると筋肉が緩み、血行が良くなるため、肩こりの緩和につながります。自宅で入浴する際は、シャワーで済ませるのではなく、湯船につかるとよいでしょう」
Q.肩こりになった場合、ストレッチや水泳といった肩を使った運動をすると、症状が緩和するのでしょうか。
笹木さん「肩こりの原因は、『同じ姿勢を長時間維持する』などで筋肉をあまり動かしていない場合にも起こります。適度に運動すると筋肉に柔軟性が戻るので、首や肩のストレッチのほか、水泳などの肩を使った運動が効果的です。
それでも肩こりが改善しない場合は、姿勢や体のゆがみが原因で肩こりが起きている可能性があるので、一度、整形外科や整体で診察を受けることが大切です。また、肩を動かすと強い痛みが生じる場合は、運動を控えた方がよいです」
Q.肩こりを放置した場合、どのようなリスクが想定されるのでしょうか。
笹木さん「肩こりがさらに悪化したり、頭痛や目まい、吐き気の原因につながったりする可能性があります。また、肩こりによって、睡眠の質が下がったり、自律神経の乱れにもつながったりする可能性もあるので、少しでも気になる場合は、肩こりの治療を専門とする整形外科や整体を受診するのをお勧めします」
Q.ちなみに、「肩を上げにくい」という症状が出た場合、肩こりとは違うのでしょうか。それとも、肩こりの症状の一つなのでしょうか。
笹木さん「肩を上げにくい場合は肩こりの可能性もありますが、多くの場合は肩関節周囲炎や腱板(けんばん)損傷といった可能性が考えられます。いわゆる四十肩、五十肩といった症状です」
肩こりのときは、筋肉をほぐすのがポイントだということです。まずはストレッチや入浴に取り組んでみてはいかがでしょうか。
(オトナンサー編集部)
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