深津絵里、松嶋菜々子、石田ゆり子…今期ドラマを席巻するアラフィフ女優たち
世代をつなぐ“架け橋”
50歳前後の女優がなぜ、重要なポジションで起用されることが増えているのか。中村さんは「醸し出す安定感や安心感が支持を得ている理由」と分析します。
「まず何より、演技力・表現力の確かさが挙げられます。浮き沈みの激しい世界でキャリアを続けていることは、それだけでも立派なことで、他にはない特別な魅力を持っていることは間違いありませんし、視聴者はそんな彼女たちの姿に励まされ、元気をもらっているのです」
「しかも、現在は新型コロナウイルスの影響によって先行きが全く見えない不透明な時代でもあるため、彼女たちが醸し出す安定感や安心感が共感を生み、大きな支持を得ているのではないでしょうか。また、次世代を担う若い役者たちと共演することで作品に厚みが生まれ、より見応えのあるものになっていく効果もあると思います」
中村さんは、女優にとっての「50歳前後」という在り方についても言及しています。
「役者の世界では『年齢を重ねていくと演じられる役が絞られていく』という話をよく聞きます。確かに、一般人の私たちでも、年齢とともに社会的にそれまでとは違う役割が求められるものの、一方で、役としてさまざまなキャラクターを演じる女優の場合、一人の人間として相応の深みや厚みがないと、中身のない薄っぺらい印象を役に与えかねません」
「もちろん『何歳になっても変わらない』というのも女優として魅力の一つだと思います。しかし、男女を問わず、この年代の役者にとっては、役を通じてそれまでその人がどんな人生を歩み、どんなことを考えてきたのかが、おのずと問われていると言っても過言ではないでしょう」
「人にもよりますが、アラフィフはその人の生きざまが顔や雰囲気に自然と現れる年代で、女優としては非常に充実している時期だと思いますし、そんな彼女たちが活躍している姿には励まされます。彼女たちと同世代の視聴者にとっては懐かしさとともに元気をもらい、下の世代の視聴者にとっては温かさと安心感を得られる、まさに異なる世代をつなぐ“架け橋”のような存在と言えるのではないでしょうか」
(オトナンサー編集部)
コメント