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「ポテトロス」救え! 原材料不足の中、フライドポテト大容量サイズ販売の店も…狙いは?

海外からの原材料の輸入遅延を理由に、フライドポテトの販売を休止するファストフード店が相次ぐ中、あえてフライドポテトの販売を強化する店もあります。その狙いについて、運営会社に聞きました。

通年商品として発売された「バケツポテト」(ミニストップ提供)
通年商品として発売された「バケツポテト」(ミニストップ提供)

 新型コロナウイルスなどに伴う海外からの原材料の輸入遅延を理由に、フライドポテトの販売を休止するファストフード店が相次いでいます。日本マクドナルド(東京都新宿区)は昨年12月以降、2度にわたって、フライドポテトのMサイズ、Lサイズの販売を一時休止し、ネット上では連日話題となったほか(2月7日に販売再開)、「モスバーガー」を運営するモスフードサービス(東京都品川区)も2月10日、一部商品を除き、フライドポテトの販売を休止しました。

 そんな中、コンビニエンスストアのミニストップ(千葉市美浜区)は1月14日、これまで期間限定商品だった大容量サイズのフライドポテト「バケツポテト」(税込み641円)を通年商品として発売したほか、「フレッシュネスバーガー」を運営するフレッシュネス(横浜市西区)も同日、「北海道産フライドポテト」の25%増量キャンペーンを開始しました。原材料不足が問題となる中、なぜフライドポテトの販売を強化したのでしょうか。各運営会社の担当者に聞きました。

年末年始の増量セールがきっかけ

 まずは、ミニストップ広報担当の篠原淳一さんに聞きました。

Q.そもそも、バケツポテトとはどのような商品なのでしょうか。また、どの国のジャガイモを使用しているのでしょうか。

篠原さん「バケツポテトは、当社の人気商品『X(エックス)フライドポテト』が3個分入った商品です。バケツポテトやXフライドポテトは、ドイツを主とするヨーロッパ産のアグリア種のジャガイモを使用しています」

Q.海外からの原材料の輸入遅延を理由に、飲食店の中には、昨年からフライドポテトの販売を休止する店もあります。なぜこのタイミングで、バケツポテトを通年商品として発売したのでしょうか。

篠原さん「当社も新型コロナウイルスの影響により、製造面や物流面で影響を受けています。担当者がさまざまな苦労をしながら、年間契約に基づき、ある程度の数量のジャガイモを確保し、余裕を持って計画的に輸入する形を取っています。

バケツポテトを通年商品として発売したのは、当社が毎年、年末年始に実施している、Xフライドポテトの1.5倍増量セールがきっかけです。ちょうど昨年から『ポテトロス』『ポテト難民』などと報道されるようになり、2021年のセール時は、前年のセール時よりも大幅に売れました。改めて、報道の影響を実感しました。

そこで、『お客さまのニーズがポテトにあるのであれば、何かお応えできることはないか』と考え、以前、企画商品として販売したバケツポテトを通常メニューとして提供することに決めました」

Q.バケツポテトの現在の販売状況について、教えてください。

篠原さん「ありがたいことに、当社の想定を大幅に上回る売り上げとなっています。ただ、反響が大きい分、商品の供給が追い付かず、すでに販売を休止した店舗もあります。

なお、通年商品のほか、北海道十勝産のジャガイモを使った『十勝ハッシュドポテト』などの期間限定商品も販売中です。このように、当社ではあらゆる産地のジャガイモを使ったさまざまな商品を開発しているので、ぜひ楽しんでいただきたいと考えております」

 続いて、フレッシュネスの広報担当、青木美華さんに聞きました。

Q.海外からの原材料の輸入遅延を理由に、飲食店の中には、フライドポテトの販売を休止する店もあります。そんな中、なぜ北海道産フライドポテトの増量キャンペーンを実施したのでしょうか。狙いについて、教えてください。

青木さん「フライドポテトの販売を休止する飲食店さまが増える中、『ポテトロス』や『ポテトショック』などの言葉で、ポテトを食べることができずに悲しむ人の声をSNSなどで見掛ける機会が増えております。そうした状況の中、『お客さまに喜んでいただくために、当社ができることは何か』と考えた結果、『心ゆくまでフライドポテトを堪能いただきたい』という思いに至り、このキャンペーンを始めました。キャンペーンは、2月27日まで実施します」

Q.今のところ、原料のジャガイモが安定的に手に入る状況なのでしょうか。また、増量キャンペーン中にフライドポテトの注文が殺到した場合、ジャガイモが足りなくなる恐れはないのでしょうか。

青木さん「北海道産の『北海こがね』という品種のジャガイモを原料に使用しており、契約農場で収穫を行っているため、安定的にジャガイモを確保できています。そのため、キャンペーン期間中に多くの注文をいただいても、フライドポテトがなくなることはないと思います」

(オトナンサー編集部)

【画像】輸入がダメなら…北海道産ジャガイモを使った商品も充実

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