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押し入れで眠っていた「羽毛布団」、使う前にすべきことは? 使用時の注意も解説

押し入れに収納していた「羽毛布団」を使用する際、まずは何をすべきなのでしょうか。羽毛布団を干すときのコツなどについて、メーカーに聞きました。

羽毛布団の手入れのコツは?(西川のホームページより)
羽毛布団の手入れのコツは?(西川のホームページより)

 朝晩冷え込むようになり、「羽毛布団」がうれしい時季になりました。すでに使い始めている人もいれば、これから準備する人もいると思います。ところで、押し入れに長期間収納していた羽毛布団を使うときはまず、何をすべきなのでしょうか。

 羽毛布団を干すときのコツや使い終わった羽毛布団の適切な収納方法などについて、寝具などの製造・販売を手掛ける西川(東京都中央区)の広報担当でスリープマスターの資格を持つ森優奈さんに聞きました。

湿気がたまらないように注意

Q.押し入れに長期間収納していた羽毛布団を出したとき、まずやるべきことは。

森さん「押し入れなどで長期間保管していた羽毛布団には湿気がたまっており、そのまま使用すると、羽毛布団の本来の力が発揮できない可能性があります。湿気を取り除くためにも、使用前に必ず干してください。カラッと晴れた日に2〜3時間干すのがポイントです。その際、紫外線で布団の側生地(羽毛を覆う生地)が傷まないよう、当て布をするか、カバーをかけた状態で干しましょう」

Q.羽毛布団を使用するときの注意点について教えてください。使用中に羽毛が吹き出てくることがありますが、使い方に問題があるのでしょうか。

森さん「羽毛布団を使用するときは必ず、カバーをかけてください。カバーをかけずに使用すると側生地が傷んだり、汚れたりする原因となります。羽毛布団の特徴である軽さやドレープ性(体に沿って布団がフィットする性質)を損なわないためにも、羽毛布団には上質で柔らかい素材のカバーをかけてください。

カバーの内側についたひもを布団のループ(ひもを通す穴)に通して結ぶと、就寝中に布団がずれにくいです。また、カバーは小まめに洗濯することをおすすめします。使用中、毛切れした羽毛が、高密度に織られた生地の間や縫い目から吹き出してくることがありますが、羽毛の性質上、ある程度はやむを得ないことなので、気にする必要はありません。

このように、わずかな隙間でさえ、羽毛が吹き出てくることがあるので、羽毛布団に直接、襟布(布団の襟元の汚れを防止するために使用する布)などを縫い付けたり、安全ピンを使ったりしないでください。縫い目や針穴から羽毛が吹き出す原因となります」

Q.羽毛布団はどのように干せばよいのでしょうか。また、羽毛布団が汚れた場合、自分で洗濯してもよいのでしょうか。

森さん「布団は天日干しをするか、風通しのよい日陰に干してください。その際、布団の側生地の傷みや汚れを防ぐためにも、先述のようにカバーをかけた状態で干しましょう。また、布団たたきなどで布団を強くたたくと、側生地や詰め物が傷むのでやめてください。月に1~2回、天気のよい乾燥した日に片面約1時間ずつ干すと、なおよいでしょう。

洗濯は基本的に避けてください。布団の側生地が部分的に汚れたら、ぬれた布ですぐに拭き取るか、つまみ洗い(汚れた部分に洗剤を浸した後、指先でつまんでこする洗い方)をしてから、十分に乾燥しましょう。やむを得ず、クリーニングをする場合は、事前にクリーニング店や販売店に相談してください」

Q.来春に羽毛布団を押し入れに収納する際の手順や注意点について教えてください。

森さん「収納中に布団に湿気がたまると、カビやダニが発生する原因となります。布団を収納するときは事前に天日干しをしてから、できるだけ、湿気の少ない場所に保管してください。布団の収納方法にも注意が必要です。例えば、布団を押し入れなどの壁や床に密着させた状態で保管すると湿気がこもり、空気の通りが悪くなります。

なるべく、壁や床に密着しないよう、すのこなどを置いてから収納するのがポイントです。また、寝室のクローゼットや押し入れは閉め切ることが多い分、湿気がたまりやすいので除湿剤を置き、小まめに換気をするよう心掛けましょう。布団を収納すると約半年間眠らせることになります。使わない間の半年間のうち、できれば、2~3回は外干しをして湿気を取り除きましょう。

カラッと晴れた日に2~3時間干すのがポイントです。頻繁に干せない場合、クローゼットや押し入れだけでなく、布団の収納バッグの中にも除湿剤を入れるとよいでしょう。その際、側生地が汚れないよう、入れる位置に注意してください。このほか、布団の上に重い物を置かないでください」

Q.羽毛布団の耐用年数や買い替えの目安について教えてください。

森さん「使用中に次のようなことが気になったら、買い替えのタイミングです。

・購入してから10年以上経過している
・布団のボリュームがなくなってきた
・布団がへたってきて、寒く感じるようになった
・布団にかけていたカバーを外すと、中に羽毛が付着していた
・布団の側生地が傷んできた
・汗や皮脂で汚れている
・臭いが気になる

使用している人の体質や使用環境にもよりますが、買い替えのタイミングは購入後、約10年です」

(オトナンサー編集部)

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