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糖尿病を招く「悪魔の料理」5つとは? 糖尿病歴30年の専門医に聞いた

糖尿病に大きく関係する血糖値を上げやすい“悪魔の料理”。どんなメニューなのか、共通点とともに糖尿病専門医が解説します。

おいしい料理ほどリスク大?
おいしい料理ほどリスク大?

 糖尿病と深い関わりのある「食事」。血糖値の上昇を防ぐため、日々の食事に気を使っている人も多いと思いますが、多くの人に好まれるおいしい料理ほど、糖尿病のリスクが高いという皮肉な現実もあるようです。

 糖尿病を招く恐れのある「悪魔の料理」とは、どのようなメニューなのでしょうか。自身も1型糖尿病歴30年で、著書に「血糖値を自力で下げるやり方大全」(フォレスト出版)がある、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

たっぷりの「糖質+脂質」が血糖値を爆上げ

Q.糖尿病を招く恐れのある「料理」は何ですか。

市原さん「血糖値を最も上げるのは糖質です。一度に食べる糖質量が多ければ多いほど、これに比例して食後の血糖値も上がります。

あまり知られていないのが、脂質も血糖値を上げるということです。正確にいうと、脂質は上がった血糖値を高いまま維持させるので、糖質と脂質の多い食事は食後の血糖値を急上昇させ、さらにその時間を長くしてしまいます。つまり、血糖値を爆上げする“悪魔の食べ物”は、『糖質+脂質』たっぷりのものといえます。代表的な料理は次の5つです」

【ピザ】

糖質であるピザ生地の上に、チーズや肉といった脂質の多い具材がのり、さらにオリーブオイルをかけるものもありますね。選べるならピザ生地は薄いものを選んで、トッピングはシーフードなどのさっぱりしたものを選びましょう。

【ギョーザ】

ギョーザの皮は糖質です。中身のひき肉は、肉汁たっぷりの脂が多いものが多いですね。しかもそれを、たっぷりの油で焼いています。そしてギョーザには、あまりかまずにどんどん何個も食べられてしまうという危険性も。さらに、ご飯と一緒に食べることが多いので、糖質がさらにアップしがちです。食べる数は最初に決めて、少しだけご飯の量も調整しましょう。

【カレーライス】

一般的なカレーのルーには脂質が多く含まれています。さらに、とろみをつけるために小麦粉が入っていたり、糖質の多い野菜であるジャガイモが入っていたりと、含まれる糖質も多いのです。これをご飯と一緒に食べるので、かなり血糖値を上げます。さらに、あまりかまずにあっという間に食べられてしまうのも問題です。選べるのであれば糖質の少ないインドカレーにして、ゆっくりとよくかんでください。

【天丼】

天ぷらの衣の糖質が、たっぷりと油を吸収しています。たれも甘く、糖質たっぷりです。これをご飯にのせますが、外食での丼ものに入っているご飯の量は、普通の茶碗の2杯分になることも。糖質と脂質たっぷりの天丼、もし食べるのであればご飯は最初から少なめにして、イモの天ぷらは避けるようにしましょう。

【カツ丼】

豚肉に含まれる脂と、パン粉が吸収する油で脂質はたっぷり。そしてパン粉の糖質、甘めの煮汁にご飯と、糖質もたっぷりです。天丼と同様に、ご飯の量がそもそも多いので、なるべく少なめにしましょう。自分で作るのであれば、油の吸収量が少なくなるように、目の細かいパン粉を使ってください。

Q.糖尿病リスクの観点からみて、これらの料理の共通点とは何でしょうか。

市原さん「これらは全て『糖質と脂質が両方とも多い料理』です。味が濃く、やわらかいのであまりかまずにどんどん食べられてしまうことも共通点です。先述した個別の注意点の他に共通していえることは、ゆっくりとよくかんで、できれば野菜料理などを一緒に食べて、少しでも糖質と脂質の吸収を緩やかにさせるよう意識しましょう」

(オトナンサー編集部)

【要注意】「えっ…おいしいものばっかりじゃん…!」 これが糖尿病を招く「悪魔の料理」5つです!

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

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