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【心に響く】認知症の妻へ「いてくれるだけでいい」と語った父 母亡き後、二人で暮らす中で気付いた父の深い愛情

Xで公開されている漫画家・漫画講師の深谷陽さんの漫画が「淡々と描かれているのに、涙がこぼれる」と話題に。そこで、作者に話を聞きました。

漫画「父と暮らす」のカット(深谷陽さん提供)
漫画「父と暮らす」のカット(深谷陽さん提供)

 漫画家・漫画講師の深谷陽さんの漫画「父と暮らす」が、Xで話題となっています。

 母を亡くした父が1人暮らしになったことをきっかけに、実家へ戻ることにした作者。そこで始まった父との日々は…という内容で、読者からは「涙がこぼれる…」「あったかい」「うるっとしちゃう」などの声が上がっています。

症状が進むにつれて明るくなった母

 深谷陽さんは、Xで日常の出来事を漫画にして発表しています。深谷陽さんに作品について話を聞きました。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

深谷陽さん「子どもの頃の遊びを別にすれば、特殊メークの仕事をしていた27歳の頃です」

Q.今回の漫画を描いたきっかけを教えてください。

深谷陽さん「母が亡くなり、父が1人暮らしになったのを機に実家に戻りました。父との日々を書き留めたら面白いのでは、と思い描き始めました」

Q.お母さまはご家族の中で、どのような存在でしたか。

深谷陽さん「生真面目で自分に厳しく、自分からすると煙たい部分もありました」

Q.ご両親の関係は、どのような雰囲気だったのでしょうか。

深谷陽さん「細かい文句をつけつつも父を立てる母、『母あっての自分』と常に感謝する父、といった雰囲気です」

Q.お母さまが認知症になる前と後で、家族の関わり方に変化はありましたか。

深谷陽さん「認知症初期には母の中で多々葛藤もあったと思いますが、ある程度進んでからはむしろにこやかで明るくなり、家族の雰囲気も柔らかくなりました」

Q.お母さまが認知症になってからのお父さまの言葉で、心に残っているものはありますか。

深谷陽さん「母がどんどんできることが少なくなり、手もかかるようになる中で、父が母に『いてくれるだけでいい』と言っていたのは、とても心に残っています」

Q.今回の作品について、どのようなコメントが寄せられていますか。

深谷陽さん「高齢の親と同居経験のある人たちからの共感や、父の愛嬌ある人柄や母への気持ちに好感を持ってくださるコメントをいただきました」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

深谷陽さん「最近は父との漫画と漫画入門書の執筆、学校や個人での講義などが多いですが、自分で代表作と言える遺作を、体が動くうちに描き上げたいです」

(オトナンサー編集部)

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