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「胃がん」はピロリ菌、乱れた食生活が原因 専門医が指摘する“注意すべき食べ物”

ピロリ菌陰性でも胃がんになるケースが増加

Q.ちなみに、近年、ピロリ菌に感染していないのに胃がんになる人が増えているという話を聞きますが、このような話は実在するのでしょうか。

石岡さん「実在します。ピロリ菌の除菌治療が普及してきた近年の傾向として、ピロリ菌陰性(未感染)の人でも胃がんになるケースの増加が指摘されています。特に『食道胃接合部がん』という、胃の入り口付近にできるがんの割合が相対的に増えてきています。この食道胃接合部がんは、従来のピロリ菌由来の胃がんとは発生経路が異なると考えられており、そのリスク因子として注目されているのが『飲酒』や『肥満』です。

飲酒量が多いほどがんの発症リスクは高まりますが、特に1日に3杯以上のお酒を飲むと、リスクは顕著に上昇するとされています。さらに、男性に多い内臓脂肪型肥満も、食道胃接合部の慢性的な炎症や負担の原因になります。つまり、ピロリ菌に感染していないからといって胃がんとは無縁ではないということです。ピロリ菌の有無にかかわらず、『飲酒量を見直す』『週に2日は休肝日を設ける』『適正体重を保つ』といった工夫が、今後の胃がん予防にはますます重要になってきています。

胃がんを予防するためには、まず日々の生活習慣を見直すことが大切です。胃がんのリスク因子である高塩分食や過度な飲酒、喫煙、肥満は、日々の意識と工夫で改善することができます。

ただし、それでも最も重要なリスク因子はピロリ菌の感染であることを忘れてはなりません。食道胃接合部がんなどの『ピロリ陰性胃がん』が増加しているとはいえ、ピロリ菌に感染していない人が胃がんになる確率は極めて低く、ピロリ菌の有無を調べることは胃がん予防における最初の一歩です。だからこそ、まずは自分がピロリ菌に感染しているかどうかを知ること、そして必要に応じて除菌治療や胃カメラ検査を受けることが、将来の健康を守る大きな一歩になります。

症状がない人にとっては、今こそがピロリ菌の検査を受けるのに適したタイミングです。大切な自分自身の体のために、そして家族のために、ぜひ一度検査を受けてみてください」

(オトナンサー編集部)

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石岡充彬(いしおか・みつあき)

日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック院長、消化器内科医

2011年、国立秋田大学医学部医学科卒業。その後、秋田大学医学部付属病院の消化器神経内科学講座医員として研さんを積む。2018年、がん研有明病院消化管内科に入職。2021年、同病院健診センター・下部消化器内科兼任副医長に就任。2022年に都内の内視鏡クリニックの院長を務める。2024年7月に「日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック」を開院。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック(https://ningyocho-naishikyo.jp/)。

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