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習慣化の鉄則! 3週間続かなかったら「もっと簡単な行動」に変えなさい

「目標を立てた人が目標を達成できたか」を1万5000人以上について調査・分析してきた著者が、目標達成のために重要な「習慣化」について解説します。

 私は仕事上で、「目標を立てた人が半年後、1年後に目標を達成できたか」「できていない場合は、どこでつまずいたのか」という社会人のデータを約13年間、のべ1万5000人以上について調査・分析してきました。

 そこで分かったのは「きちんと計画通りに行動を実施しているのに目標に届かない人」が多くいるという事実です。特に会社の場合、今のように時代の変化が早く、お客さんの好みが次々に変わっていく世の中では、当初に計画した行動がいつまでも正しいとは限りません。だから、いろいろな行動を「試す」ことが必要です。

 私たちの日常を振り返ると、車を買うときに試乗をする人は多いでしょう。スーパーにも試食コーナーがあります。ものを買うときに「いったん試してから買う」というステップを踏むことはよくあります。特に高いものの場合、その方が安心ですし、よい買い物ができることも多いはずです。

 目標達成のために行動を取ることも、この「試乗」「試食」といった「試す」行為に似ています。最初から完璧ということはありません。目標に対して効果が低い行動や、なかなか定着しない行動は、状況の変化に合わせて行動を修正していく必要があります。今の世の中では「決めたことをどんどん変えていくこと」も重要なのです。

続かなければ「取りあえずの行動」をまず定着させる

 だからこそ、大切なのが「習慣化」の能力です。

 目標達成をするには、次から次へと新たな行動を実践する必要がありますが、新たな行動が身につくのは簡単なことではありません。限られた時間で成果を出すには、新たな行動が無理なくできている=「習慣化」した状態になればしめたもの。また別の、新たな行動をする時間が確保できるわけです。

 では、どれくらい続けることができたら「習慣化した」といえるのでしょうか。習慣化の目安は「3週間」です。ここで大切なのは「3週間」続けられなかったら、もっと簡単に続けられる行動に計画し直すことです。

 難しく考える必要はありません。続けられないという事実を受け止めて、すぐにもっとラクな行動計画に変えてしまいましょう。行動計画をより簡単にすることは、レベルダウンではありません。「継続」という観点では、実はレベルアップなのです。

 例えば、「お客さまに会うたびに商品の改善点を聞き出す」という行動がなかなか続けられないとします。そうであれば、

「お客さまへのアポイント確認メールの先頭に『当日、商品に関するご意見をお聞きしたいのでご協力をお願いします』と書く」といったより簡単な行動を実践し定着させます。「難しいことを続けられないまま過ごす」よりも「まずできることを増やす」方が価値が高いのです。

 よい行動を無理なく習慣化できたら、さらに新しい行動を加えることができます。「あれもこれも」と新しい行動を一気に根づかせようとはせず、一つ一つ確実に習慣化していくことで、自然に成果が出せるスキルが身についていきます。

振り返りでの気付きを生かす

 経験から学ぶには「振り返り」が重要です。自分ができたことに着目し、「こうすればもっとよくなったのでは?」と深く考えていくと、次にやるべき行動=「次なる行動」が見いだされます。こうやって「できたこと」をどんどん増やしていくとよいでしょう。

 自分の行動について、上司や同僚などからフィードバックをもらったときも同じです。周りからのフィードバックを聞いて「あっ、こんな行動をしてみるといいかも」と気付いたら、すぐにそれを実践してみるのです。

 英語の勉強を頑張っている山田さんの事例を見てみましょう。

【行動目標】海外出張に備えて、今年中にTOEICで900点を取る
【行動計画・できたこと】計画通り、毎日、通勤電車で単語ドリルを行うことができた
【行動の振り返り】
・単語はだいぶ覚えたが、長文読解の部分で模試の成績が振るわない
・長文読解、特にビジネスレターを短時間で読めるようにならなければいけないが、勉強時間が確保できない

 こうした振り返りを踏まえて、山田さんは、勉強時間をつくるにはある程度「強制力」がある形にすることが大事だと考え、思い切って、

・明日、勉強時間を確保するためオンラインスクールに入会する

 という創造的な行動変容をしてみることにしました。こうすることで、忙しい中でもきちんと時間が取れて、効果的な勉強ができるかもしれません。

気付いたら、どんどん行動を変える

 山田さんの会社では、こうした日々の振り返りを社内ネットワーク上で公開し、そこに他の社員がコメントを書き込める仕組みをつくっています。山田さんの振り返りを見た同僚の高橋さんからは、こんなフィードバックを受けました。

【フィードバック】
「英語の勉強をしているんですね。実は私もしています。いい参考書があるので、今度、渡しますね。ところで、今の勉強方法でTOEIC900点は、達成できそうですか。弱点があるとしたら何を重点的に取り組んだらよさそうでしょうか?(高橋より)」

 この高橋さんからのフィードバックによって、山田さんは「弱点……か。自分はリスニングが不得意なんだよな」と気付きます。

 そこで、さらに創造的な行動変容として、新たに「移動時間はスマートフォンで英会話を聞き、週末に小テストを受ける」という行動に計画し直すことにしました。高橋さんのフィードバックによって視野が広がり、「新たな行動」の必要性に気付いたということです。

 このように、振り返りやフィードバックによって気付いたら、どんどん行動を変える癖をつけることで、もっと「ラクして達成できる習慣」が出来上がるのです。

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