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漫才ネタにも 「ピザ」と「ピッツァ」は同じもの? はたまた違うもの?

「ピザ」と「ピッツァ」は発音が異なるだけで、同じ食べ物だと思っている人がいますが、一方で、違うとは思いつつも、何が違うのか説明できない人も多いようです。実際のところは、どうなのでしょうか。

「ピザ」と「ピッツァ」は同じ? それとも…
「ピザ」と「ピッツァ」は同じ? それとも…

 お笑いコンビ・サンドウィッチマンの漫才「ピザの出前」に、「ピザじゃなくてピッツァです!」と笑いを誘うシーンがあります。これを聞いて、「ピザとピッツァは何が違うのだろう?」と疑問に思った人もいるのではないでしょうか。両者は発音が異なるだけで、同じ食べ物だと思っている人も多いはずです。一方で、少し違うのではと思いつつも、具体的に何がどのように違うのか説明できない人も多いと思います。

「ピザ」と「ピッツァ」が違うというのは本当でしょうか。そうだとしたら、何がどのように違うのでしょうか。料理研究家の長田絢さんに聞きました。

イタリアのピッツァは石窯で

Q.「ピザ」と「ピッツァ」が違うというのは本当でしょうか。「呼び方が違うだけで同じ食べ物」だと思っている人も多いようです。

長田さん「ピザとピッツァは基本的には同じ食べ物ですが、それぞれの言葉によって、微妙な違いを表す場合もあります。元々はピッツァで、イタリアでフォカッチャ(イタリアで食べられる平たいパン)に似たパンをもとに生まれたといわれています。それがイタリアからアメリカに持ち込まれ、独自の進化を遂げたのがピザといわれています。あえて区別するとすれば、アメリカ風をピザ、イタリア風をピッツァと言うべきでしょうか。

日本語では、ピザは全てのピザのことを指し、ピッツァはピザの中でも、イタリアのピザに限定される場合が多いようです。なお、イタリアのピッツァは石窯で焼いたものが多く、生地の裏側や縁にこんがり焼き色が付きます。高温の釜を使い、短時間で焼き上げられるので、表面はこんがり、中はもっちりとした食感に仕上がります。アメリカのピザはオーブンを使って焼き上げられ、パンのように、ふわふわの生地にさまざまな具材がトッピングされていることが多いです」

Q.ピザやピッツァの明確な定義はないのですか。

長田さん「例えば、ピッツァの一つである『ナポリピッツァ』は(1)生地に使用する材料は小麦粉と水、酵母、塩のみ(2)生地は手だけを使って延ばす(3)窯の床面でじか焼きする――など、厳しい基準をクリアしないと呼ぶことができません。ナポリのピッツァ焼き職人の技は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されています。

このように、イタリアには本格的なピッツァにこだわる店や職人が多いです。アメリカで独自に進化したピザと明確に区別するためにピッツァと呼び、本格的な味を求めているファンに分かりやすくしている店も多いようです」

Q.サンドウィッチマンの漫才で、「ピザじゃなくてピッツァです!」と笑いを誘うシーンがありますが、出前で頼むピザは「ピザ」でしょうか。それとも「ピッツァ」でしょうか。

長田さん「イタリアで生まれたピッツァは基本的に1人で1枚を食べ切るもので、切れ目のない“円”の状態で提供されます。一方、アメリカのピザはサイズの大きなものが多く、1切れずつ切り分けられていて、複数人で食べることが多いです。通常、出前のピザは複数人で食べるサイズで、1切れずつ切り分けられていることが多く、ピザと呼んだ方がよいかもしれません」

Q.ピザとピッツァ、もし呼び分けるとしたら、どのようにするのがよいでしょうか。

長田さん「イタリアのものはピッツァ、それも含めて全てピザなので、わざわざ呼び分けなくてもいいと思います。ただ、イタリア料理店に誰かをお誘いするときは『本場のピッツァを食べに行こう!』といった感じで、ピザよりピッツァで表現した方がイメージを共有しやすそうですね」

(オトナンサー編集部)

【写真】石窯で焼いたピザ。表面はこんがり、中はもっちり

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長田絢(おさだ・あや)

料理研究家、栄養士

食の専門家として、テレビ番組のコメンテーターを務め、料理番組に出演。情報誌への寄稿やウェブコラムの執筆なども行う。飲食店の企画やメニュー開発、フードコーディネート、オペレーション指導から、企業の商品開発、レシピ制作、プロモーション支援など幅広く活躍。地域の特産品を使用した商品開発や、地域活性化のためのイベント企画、プロモーションなどを行う地域創生事業プランナーとしても活動している。インスタグラムやYouTubeでも食の情報を発信中。著書に「スーパーで買える『肉』を最高においしく食べる100の方法」(ダイヤモンド社)がある。JapanFoodExpert(https://jfe-aya.jp/)。

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