服に付いた嫌な「臭い」、洗濯でしっかり落とすには? 洗剤の選び方、干し方も解説
暑い日は衣類に「臭い」が付きやすくなりますが、対策はあるのでしょうか。洗剤メーカーに聞きました。

暑い日は大量の汗をかくため、衣類の「臭い」が気になることがあります。衣類に付いた臭いを洗濯でしっかり落とすには、どのようにすればよいのでしょうか。汚れた衣類の取り扱い方や洗濯方法について、花王(東京都中央区)の広報担当者に聞きました。
「温度・水分・汚れ」が原因に?
Q.そもそも、暑い日に衣類が臭いやすい原因について教えてください。
担当者「いわゆる『におい菌』が、衣類に残った汚れを餌として摂取し、代謝物として出すものが洗濯物の臭いの原因となります。菌が活性化する3大要素は『温度、水分、汚れ』で、湿度や気温が高い梅雨や夏は衣類が臭いやすくなる傾向にあります」
Q.衣類が臭わないようにするためには、どうすればよいのでしょうか。
担当者「臭いを防ぐためには、できるだけ早めに洗濯することが大切です。すぐに洗濯できない場合は、通気性のよい洗濯かごに入れ、できるだけ湿気の高いところに放置しないようにしてください。洗濯槽のような密閉された場所に衣類を放置すると、臭いやすくなるため、注意が必要です」
Q.衣類が臭ってしまった場合、取り除くことは可能なのでしょうか。それとも、一度臭いが発生してしまうと、取り除くのは難しいのでしょうか。
担当者「さまざまなケースが想定されるので一概にはお答えできませんが、汚れや菌が原因の場合、洗剤や漂白剤を使い、臭いの元である汚れや菌を除去することで、臭いを取り除くことが可能です。また、すぐに洗濯できない物には衣料用消臭剤を使用するのも有効です」
Q.洗濯用洗剤にはさまざまな種類がありますが、どのような基準で選べばよいのでしょうか。
担当者「店で売られている洗剤にはさまざまな特徴があるので、ご自身の生活スタイルやニーズと照らし合わせて購入するとよいと思います。洗う物によっては注意が必要な物もあります。例えば、ウールや絹といった動物性繊維は繊維が変質する恐れがあるため、おしゃれ着洗剤などを使用してください。洗剤の機能や性質は製品パッケージやその裏側に書かれていることが多いので、購入時に確認してください」
Q.洗濯用洗剤の中には「除菌」や「抗菌」と表記された製品もあります。除菌、抗菌、殺菌は何が違うのでしょうか。
担当者「除菌とは『菌を取り除いて、その数を減らすこと』です。抗菌は『菌の増殖を抑えること』、つまり、菌が繁殖しにくい環境をつくることを表しています。殺菌は文字通り、『菌を殺すこと』です。ただし、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律)によって、『殺菌』という表示ができる製品は医薬品や医薬部外品のみに限られています」
Q.塩素系漂白剤と酸素系漂白剤の違いは。また、洗濯のときに洗剤と漂白剤、柔軟剤を同時に使う人もいますが、問題はないのでしょうか。
担当者「塩素系の漂白剤は白物衣類にしか使用できません。一方、酸素系漂白剤は色柄物でも安心して使用できます。洗剤と酸素系漂白剤、柔軟剤を同時に使用することに問題はありません。ただし、柔軟剤は専用の投入口に入れてください。洗剤と柔軟剤は反対の性質を持つため、混ざり合うと効果が発揮されません」
Q.洗濯物を干すときの注意点について教えてください。早く乾かすために、衣類を直射日光に当てて干してもよいのでしょうか。
担当者「衣類に与えるダメージのことを考えると、風通しのよい日陰で干すのがよいかと思います。直射日光に当てた場合、素材によっては形崩れや劣化の原因になるほか、黒色や紺色の衣類の場合は、色あせの原因になる可能性があります。また、部屋干しの場合は、サーキュレーターなどで風を当てると早く乾かすことができます」
(オトナンサー編集部)
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