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トイレに「スリッパ」は必要? 2000人調査 洋式普及で不要派増か、専門家の見解は

トイレマットは代替になりにくい

 アンケート結果に対する見解と、トイレスリッパなしでトイレを使用したときの衛生的な問題の有無、トイレマットは代用になるかなどについて、ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。

Q.アンケートの結果では、38.7%が「トイレにスリッパは必要ない」と回答しました。約4割が「必要ない」と答え、少ないとはいえません。なぜ、トイレにスリッパが必要ないと考える人がこれほど存在するのでしょうか。

有賀さん「まず、現在のトイレは“用を足すだけの場所”ではなく、写真や絵を飾る家庭もあるなど“おしゃれな空間”へと様変わりしており、意識の中で、部屋などの生活空間とトイレの境界線が少し曖昧になっていることが考えられます。また、風呂とトイレが一緒になったユニットバスが賃貸物件を中心に増えました。ユニットバスはトイレ用スペースが十分に確保されていないことも多く、トイレスリッパを置くと邪魔だと感じる人もいるでしょう。

そうしたことが『トイレにスリッパを置く』という概念を薄くさせた一因かもしれません。他には、男性がトイレを使うときの変化があります。洋式トイレで男性が用を足すとき、常に座って用を足す人が増え、尿が飛び散らずに床が汚れにくくなったということも、スリッパを使わなくなってきた要因と考えられます。そもそも、『トイレマットを敷いてあるのでスリッパは必要ない』『スリッパを洗うのが大変だから必要ない』という考えもあるかと思います」

Q.トイレスリッパなしでトイレを使用したとき、衛生的な問題はないのでしょうか。

有賀さん「トイレの使い方や掃除の頻度などで、トイレの汚れ具合もずいぶん変わってきますが、トイレスリッパなしでトイレを使用したときに『衛生的な問題はない』とは言い切れません。トイレの床は飛び散った尿が付着したり、用を足すときに上げ下げする衣類から出る繊維かすや髪の毛が落ちたりして、想像以上に汚れています。

また、トイレのフタを閉めずに水を流すと床はもちろん、トイレの広範囲に汚れや菌が飛び散ることになります。その汚れた床をスリッパを使わずに歩くと、汚れが足の裏に付着し、リビングなど生活空間に汚れを広げてしまうことになりかねません」

Q.「トイレにスリッパは必要ない」という人の中には、その理由で「代わりにトイレマットを敷いているから」と答えている人が47.7%います。トイレマットはスリッパの代わりになるのでしょうか。

有賀さん「トイレマットはトイレスリッパの代わりには、完全にはなりにくいと思います。スリッパがなくマットだけある場合は素足や靴下で直接マットを踏むことになり、マットの表面の汚れを少なからず付着させて、リビングなどの生活空間に汚れを持ち込んでしまうからです。

もちろん、スリッパがなく、小まめにトイレの床掃除もできない場合は、何もないよりもマットはあった方がいいでしょう。マットの素材にもよりますが、床に飛び散ったり、垂れた尿をキャッチして床掃除を楽にしてくれたりするのがマットの掃除面での役割だからです。

スリッパを置かない家庭の中には『小さな子どもがトイレに失敗して、毎回マットが汚れてしまい、洗濯が追いつかない』などの諸事情から、マットすら敷かないという家庭もあるかもしれません。その場合でも、できる範囲でトイレの床の汚れをリビングなどの生活空間に持ち込まないようにする工夫は何かしらした方がいいでしょう」

Q.トイレにスリッパを置いている人の中で「いつもスリッパも掃除している」という人は20.7%でした。トイレのスリッパの掃除はどれくらいの頻度、どのような掃除の方法が適切でしょうか。

有賀さん「トイレスリッパを掃除するのと同時に、トイレの床も一緒に掃除することが大切です。トイレの使い方にもよりますが、できれば週に1回、少なくとも2週間に1回は行いたいところです。床の基本的な掃除は、普段は使い捨ての除菌シートを使い、拭き掃除をすることで十分です。

スリッパの基本的な掃除は、合皮やビニール製の場合、足裏が接している面(内側)から甲の部分、床と接している裏側の順に拭きましょう。布製の場合、床面に接しているところを拭き、定期的にスリッパ自体を洗うとよいでしょう。掃除の頻度をさらに減らしたい場合、また、家族といえども、人が履いたスリッパが気になる場合は抗菌タイプがおすすめです。それでもどうしても気になる場合は思い切って、使い切りタイプを検討するのも一つの考えです」

Q.「トイレにスリッパは必要か、必要ないか」という議論では、均等に近い割合で意見が割れる傾向にあるようです。専門家の立場で、トイレにスリッパは必要と思われますか、あるいは必要ないと思われますか。

有賀さん「間取りや家族構成、トイレの使い方などによって変わってくるので断定はできませんが、基本的にはトイレスリッパは必要だと思います。大きなポイントは、トイレから、菌や汚れをリビングなどの生活空間に持ち込まない対策ができているかどうかです。菌や汚れの持ち込みを少しでも減らすためにスリッパは有効だと思います。

少々極端な例かもしれませんが、狭いユニットバスでトイレにスリッパすら置くスペースがない場合は、足の裏についた床の汚れをおおかたキャッチしてくれるように、マットをユニットバスの出入り口に敷いてみるなど工夫してみましょう。もちろん、マットは小まめに洗ってくださいね」

※この記事はオトナンサーとYahoo!ニュースによる共同企画で、Yahoo!ニュースが実施したアンケートの結果を活用しています。アンケートは7月8日、全国のYahoo! JAPANユーザーを対象に行い、2000人から有効回答を得ました。年代は50代以上が40%、40代35%、30代17%、20代6%で、男女比はほぼ3対2。職業は会社員51%が最多で、専業主婦(主夫)12%、自営業11%、アルバイト10%などでした。

(オトナンサー編集部)

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有賀照枝(ありが・てるえ)

整理収納コンサルタント、ハウスクリーニング技能士

ハート・コード代表取締役。一般社団法人ライフ・アレンジ協会特別講師。2007年から家事代行・整理収納サービス開始。現場をよく知る整理収納のプロとして、セミナー講師、ジュピターショップチャンネルなどメディア多数出演中。「部屋磨きは自分磨き・職場磨きはスタッフ磨きに通じる」がモットー。著書「片付けが苦手な子が驚くほど変わる本」(青春出版社)。ハート・コード(https://www.heartscode.com/)。

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