見えっ張りな自分には最高、妻がいじめを心配…「タワマン」を選ぶ人、ためらう人、疑う人
憧れを抱く人が多い「タワーマンション」ですが、マイナス面を懸念する人もいます。実態はどうなのか、タワマンに住んでいる人などの声を聞きました。

東京五輪の選手村がある東京都中央区の晴海は、都内でも有数の「タワーマンション」立地エリアです。この晴海に限らず、近年、タワーマンションは地域の再開発事業で建設されることが多いのですが、その背景には「生活の利便性が高い」「ブランド力がある」「資産価値が下がりにくい」など、タワーマンションに憧れを抱く人が多いことも一因のようです。
一方で「住む階数によって階級分けされそうで、住民との付き合いが不安」「災害に弱そう」「管理費が高そうで、コストパフォーマンスが悪いのでは」といったマイナス面を懸念する人もいますが、実態はどうなのでしょうか。タワーマンションに実際住んでいる人、住んでいないけれども憧れている人、タワーマンションには絶対に住みたくない人の声をご紹介します。
見えっ張りには最高のブランド
Aさん(37歳、女性)は外資系金融会社に勤めています。5年前、念願の都内のタワーマンションを購入しました。「何がなんでも(タワーマンションに)住みたかった」と話すAさんのモチベーションは一体どこにあったのでしょうか。
「私は超見えっ張りな性格です。これまでの人生、ほぼ全て、そのために努力をしてきたといっても過言ではありません。そんな私にとって、タワーマンションは手が届く範囲にある最高のブランドでした。
超高級住宅街に住めたら、それがベストと思っていましたが、収入的に不可能なので諦め、タワーマンションにしました。しかし、住み始めて、エントランスなど共用部分のスタイリッシュさや高所からの眺めが非常に心地よく、『高級住宅街よりタワーマンションの方がむしろ、私に合っている』と思うようになりました」(Aさん)
タワーマンションへの否定的意見としては「格好つけていて、いやらしい」などの声があり、Aさんの姿勢が反感を買うことはあるはずですが、個人的にはAさんの開き直りが突き抜けていたので、すがすがしさすら感じました。
「『タワマンに住んでも、眺めの良さやブランドにはすぐ飽きる』といった話をネットで何度か目にしたことがありますが、私には全く当てはまりませんでした。さすがに5年も住んでいるので、引っ越してきた当初ほどの興奮はありませんが、『タワーマンションに住んでいる』という事実が日々、私に充実感をもたらしています」
Aさんは今後、別の場所への引っ越しを検討することはあるのでしょうか。
「自分の見えについて、いろいろぶっちゃけて話しましたが、購入の一番の決め手になったのは『不動産の投資先として見たときに有望』という点でした。将来、売りに出すことを見据えて買った物件ですが、家族は満足していますし、何より私が非常に気に入ったので、今のところ引っ越しはありえないかなと思います」
金持ちママ友のいじめが怖い
これから住居を購入しようという人にとって、タワーマンションは一つの選択肢になっています。富裕層向けの物件というイメージが先行してきたタワーマンションですが、近年の建設ラッシュのおかげで、住むエリアを選べば、価格をある程度コントロールできるようになりました。つまり、現在は、世間でイメージされてきたよりは比較的多くの人に現実的な選択肢として開かれています。
これに関しては、対照的な2人の考えをご紹介しましょう。
Bさん(37歳、男性)は子どもが小学校に上がるタイミングでの引っ越しを検討しています。子どもは現在3歳で、猶予はあと4年です。そして、それを機会にぜひ、賃貸を脱して、持ち家を購入したいと考えています。そんなBさんの希望は「タワーマンション一択」だそうです。
「僕がタワーマンションを推す理由は『高いところからの眺めが気持ちよさそうだ』という個人的な好みもありますが、一番魅力を感じるのは『家族が安心して過ごせそう』という点です。ファミリー層向けのタワーマンションが以前よりもたくさん売られているので、タワーマンション自体に昔ほどのブランド力はなくなっていると思います。だから、僕が魅力を感じているのはそういう部分ではありません」(Bさん)
そんなBさんですが、タワーマンションに住むことを妻が反対しているのだそうです。
「妻は『同じマンションのママ友との付き合いが面倒そう。馬が合わない人がいても、一生逃げられなくなる』と全面的に反対しています。私が『それはどこに住んでも別に変わらないよ』と説得するのですが、どうも、タワーマンションのママ友付き合いを題材にしたマンガやネット記事を読んで、陰湿な仲間外れやいじめがあるのではないかと、かなり強い先入観を抱いてしまったみたいです。
まだ、わずかながら時間はあるので、引っ越し先については妻の意見をきちんと取り入れながら、もう少し考えてみたいと思います」
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