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ぬれた雑巾でほこりを拭くのはNG? ほこり掃除のコツも解説

掃除の際、雑巾をぬらして、床掃除を始める人もいるかもしれませんが、ネット上では「ぬれた雑巾でほこりを拭くのはNG」との情報もあります。事実でしょうか。

ぬれた雑巾はNG?
ぬれた雑巾はNG?

 東京、大阪など4都府県に4月25日から、緊急事態宣言が発令され、「ゴールデンウイークなのにステイホーム」という人も多いかと思います。在宅期間中に家の掃除をと雑巾をぬらして、床掃除を始める人もいるかもしれませんが、ネット上では「ぬれた雑巾でほこりを拭くのはNG」との情報もあります。ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。

使い切りハンディーモップが便利

Q.ぬれた雑巾でほこりを拭いてはいけないのは事実でしょうか。

有賀さん「状況にもよりますが基本的には、ぬれた雑巾で乾いたほこりを直接拭くのは控えた方がよいです。乾いた汚れは、ぬらさないように取り除くのが掃除の基本の一つでもあります。ほこりをぬらすと床にへばりついたり、汚れが伸びて広がったりして、掃除に手間がかかります」

Q.では、乾いたほこりを拭く際はどのようにすればよいのでしょうか。

有賀さん「乾いたほこりを拭く際は雑巾よりも、汚れたらヘッドを取り換えられる、使い切りタイプのハンディーモップを使う方がより簡単で便利です。

小物や棚の上にたまったほこりにはハンディーモップの代わりに、はたきを使ってもよいでしょう。はたきの中でも、車の掃除等でも使われるような『毛ばたき』が便利です。ただし、ハンディーモップに比べて、ほこりが舞いやすいので、移動できる物のほこりを取る場合はベランダや玄関先など屋外でほこりを落とせると理想的です。

それが難しい場合は掃除機ノズルを近づけて、毛ばたきで落としたほこりを吸わせながら掃除するなど、できるだけ、ほこりが舞わない工夫をしてみましょう。掃除機ノズルのアタッチメントを上手に使うのも一案です」

Q.ほかに、ほこり掃除のコツがあれば教えてください。

有賀さん「乾いたほこりは人が動く場所や通り道よりも、部屋の隅や家具の足元、隙間にたまりやすいです。舞い上がったほこりは時間がたつと、棚の上などに落ちて積もります。素早い動作でバタバタとほこりを落としたり拭いたりしせずに、ほこりが舞わないようにゆっくり、丁寧に絡め取るようにしましょう。

掃除の基本は上から下です。ほこりを取り除くときも棚の上や壁から始め、フローリングなど床のほこりを取る順番で行いましょう」

Q.使い切りタイプの拭き掃除用シートを使う際も、ウエットシートでほこりを取るのは避けた方がよいのでしょうか。ドライシートを使うべきなのでしょうか。

有賀さん「いきなり、ウエットシートを付けたモップで床を拭き始めると、集まったほこりが床にへばりついて取れにくくなったり、モップを方向転換させた際に、ほこりがごっそり床に残ったりして、かえって手間がかかってしまいます。最初に掃除機やドライシートでほこりを絡め取ってから、ウエットシートを使いましょう。そうすると、掃除機やドライシートだけでほこりを取り除いたときよりもさっぱりとします」

Q.ぬれた雑巾を使うのが適切なのは、どのような汚れに対してでしょうか。

有賀さん「汚れと一緒になって、床などにへばりついている湿ったほこりの場合は、ぬれた雑巾で拭き取りましょう。水分を含んだほこりの場合は水でぬらした雑巾で、それでも取れない油分を含んだほこりの場合は洗剤を使って拭き取りましょう。こうしたほこりの場合、乾いた雑巾で拭いても汚れが伸びて広がってしまい、掃除に手間がかかってしまいます。

湿ったほこりの多くはキッチンやダイニングテーブルの床周辺、洗濯機の防水パンなどの水回りに多く見られるので、先述した通り、水でぬらした雑巾で取り除きましょう。キッチンの壁に付いた油汚れを含んだ大きなほこりは使い切りハンディーモップで取り除いた後、壁紙の材質上問題がなければ、洗剤拭きをしましょう。キッチンの換気扇が汚れていたり、アロマをよくたいたりする家庭では、壁紙や窓など部屋全体に油分が付着してほこりがつきやすいので、より小まめな掃除が必要です。

水拭きは、ドライシート掛けや掃除機掛けだけでは取れない細かい汚れを落としてくれます。ご家庭の状況にあわせて、週1回など定期的に行えるとすてきですね。ハイハイしたり、素足で歩いたりするような小さなお子さんがいるご家庭では、床の汚れが気になると思います。できれば、もっと小まめにぬれた雑巾で掃除ができると理想的です。足跡などの皮脂汚れには、洗剤拭きした後に水拭きできれば、よりよいです。

なお、『水拭きすると雑菌を広げることになる』といわれることもありますが、私たちの普段の暮らしは常に目に見えない雑菌と共生しているので、そう神経質にならなくてもいいと個人的には思います。雑菌を広げることを心配し過ぎるよりも、ほこりや汚れが少なく、気持ちよくいられるように掃除をした方がよいと思います。

除菌が目的の拭き掃除をするのであれば、食卓やカウンターなど食事に関する場所を徹底的に除菌したり、使い切りシートを活用したり、掃除中もいつも以上に小まめにせっけんで手洗いするなど、除菌する場所や掃除の仕方にメリハリをつけるとよいと思います。水や汚れに強く、フローリングなど素材が痛みにくい除菌剤もあるので、気になる人はそういう商品を使うのも手です」

Q.濡れた雑巾の使い方で、よくある間違い、かえって汚れを広げてしまう掃除の仕方があれば教えてください。

有賀さん「『同じ面で拭き続ける』『ゆすぐ回数が少ない』『円を描くように拭く』『絞り方があまい』などが、よくある間違いです。同じ面で拭き続けると、汚れを床に塗り広げることになりかねません。できるだけ、きれいな面で拭くようにしましょう。また、ゆすぐ回数はできるだけ多くしましょう。できれば、水道の蛇口から出る流水ですすぎましょう。

拭く際は、ぐるぐる、円を描くように拭くのではなく、『コ』の字拭きが基本です。雑巾は固く絞って、床を拭いたときに拭き筋が残らないようにしましょう」

(オトナンサー編集部)

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有賀照枝(ありが・てるえ)

整理収納コンサルタント、ハウスクリーニング技能士

ハート・コード代表取締役。一般社団法人ライフ・アレンジ協会特別講師。2007年から家事代行・整理収納サービス開始。現場をよく知る整理収納のプロとして、セミナー講師、ジュピターショップチャンネルなどメディア多数出演中。「部屋磨きは自分磨き・職場磨きはスタッフ磨きに通じる」がモットー。著書「片付けが苦手な子が驚くほど変わる本」(青春出版社)。ハート・コード(https://www.heartscode.com/)。

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