「常備菜」特集! 時短・節約・ヘルシーレシピをご紹介
忙しくて料理をする時間がない時などに重宝する「常備菜」。ここでは、そのさまざまなメリットと、お酒のおつまみや主菜にピッタリのレシピをご紹介します。

常備菜のさまざまなメリット
忙しくて買い物ができない時や急な来客があった時などに、冷蔵庫にあると便利な「常備菜」。今回は、ひと工夫でちょっとしたおつまみにも、主菜にもなる常備菜のメリットやレシピについて、料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。
そもそも常備菜とは、食材を下ごしらえしたものや、手軽なおかずを作り置きして冷蔵庫にストックしておくもののこと。料理の手間が減るだけでなく、家計や健康面などさまざまなメリットがあります。
【時間と水道光熱費を節約できる】
常備菜の魅力の一つは「時短」。食材を買ってきたその日にまとめて調理し、保存しておけば、後で温め直したり、あえたりするだけで料理が完成するため、一から下ごしらえをする手間がかかりません。また、調理の回数を減らすことで水道光熱費の節約にもつながります。
【使い切れない食材の廃棄を防ぐ】
1玉買ったキャベツやレタス、まとめ買いしたモヤシなどを、結局使い切れずに廃棄してしまった経験がある人も多いはず。葉物野菜は浅漬けやマリネ、モヤシはナムルにするなど、野菜にひと手間加えて常備菜にすることで、生の状態よりも長持ちさせることができます。安売りの時などに常備菜用の野菜をまとめ買いしておけば、食費の節約にも。
【不足しがちな栄養素を補える】
忙しい日の食卓はつい品数も少なくなり、栄養バランスが偏りがちになりますが、常備菜を使うと栄養面もカバーできます。たとえば、野菜のグラッセはそのまま肉や魚料理の付け合わせになるほか、フードプロセッサーで潰すとポタージュにも早変わり。また、サケやカツオなど身の締まった魚は、濃い目に味付けしてフレーク状にすることで長持ちし、ふりかけや混ぜご飯の具として使えます。
【アレンジメニューで食卓が充実】
飽きの来ないメニュー作りにも常備菜が活躍します。前述したグラッセや魚フレークのように、アレンジ次第で1品が2品にも、3品にもなることも。ほかにも、出来合いのコロッケに、ストックしておいたラタトゥイユを添えたり、豆腐の上にキノコのマリネを乗せたりするなど、買ってきた食材やお総菜と組み合わせるアレンジも可能です。
常備菜を長持ちさせるためのポイント
正しい保存方法が、おいしく衛生的な常備菜のコツ。ここでは、ストックを長持ちさせるためのポイントをいくつかご紹介します。
【ポイント1:味付けはしっかりと】
野菜や肉が傷んでしまう主な原因は、素材から水分が出ることや空気に触れている箇所がしなびること、また、その部分に細菌が付着することにあります。常備菜を作る際は、それぞれの素材やメニューに合った味付けをしっかりと行うことが大切。保存において、それぞれの調味料が果たす役割は以下の通りです。
・塩/砂糖
食材から不要な水分が出るのを防ぎます。細菌自体の水分も奪うため、増殖を防ぐ働きもあります。みそやしょう油といった塩分の強い調味料にも同様の効果があります。
・酢
酢やピクルス液にも殺菌や防腐効果があります。酢漬けを作る際は、食材を空気から遮断できるように、液に漬かっていない箇所をなくすことが大切です。
・食用油
食用油には食材の酸化を防ぐ効果があります。特にオリーブオイルはその効果が高く、オイルサーディンやマグロの油漬けもこの効果を利用して作られています。
【ポイント2:保存容器は念入りに殺菌を】
常備菜を保存する際は、容器をしっかりと殺菌してから料理を移すのが重要です。加熱した料理の場合、バットなどで粗熱を取ってから保存しましょう。主な保存容器と、注意したいポイントは以下の通りです。
・ジッパー付きの保存袋
安価で入手しやすいジッパー付きの保存袋は、水分の少ない料理の保存に適しています。密閉する際は、空気をしっかり抜いてからジッパーを閉めましょう。
・タッパー
選ぶポイントは、ゆがみがなく、しっかりと密閉できること。使う前に洗剤でしっかりと洗い、水分が十分に乾いてから料理を入れましょう。積み重ねしやすいように工夫されているものや、そのまま火にかけられるものなど、保存する料理に合ったタッパーを使い分けるのもオススメです。
・ガラス瓶
ジャムやピクルスを作るのに適しているガラス瓶は煮沸・消毒してから使いましょう。瓶本体だけでなく、ふたもしっかりと加熱し、清潔なふきんの上で乾かします。熱した瓶は非常に熱いため、やけどに注意です。
【ポイント3:保存状態をこまめにチェックし細菌を入れない】
料理本やレシピサイトには、およその保存期間が記されていますが、それらはあくまで目安。気候や冷蔵庫の種類によって保存状態は変わります。カビが生えていないか、臭いがしないか、糸を引いていないかなどをこまめに確認しましょう。また、タッパーや瓶から味見をする際は、清潔なスプーンや箸を使用し、細菌が入らないようにします。
常備菜レシピ「パプリカとキノコの彩り炒め」
それでは、実際に常備菜を作ってみましょう。好みに合わせて食材を追加したり、味付けを変えたりすると、自分だけの一品ができ上がります。家族の好みやシーンに応じた、自分なりのアレンジ方法を考えてみてください。
【材料】
・赤パプリカ/黄パプリカ…各1個
・キノコ(シメジやマイタケなどをお好みで)…200グラム
・オリーブオイル…大さじ2
・みりん…大さじ1/2
・しょう油…大さじ1
・ゴマ油…2~3滴
・いりゴマ…ひとつまみ
【作り方】
1.パプリカのへたを取ってよく洗い、細切りにします。
2.キノコは、ふきんなどで汚れをふき取り、石づきを切り落とします。
3.熱したフライパンにオリーブオイルを入れ、パプリカとキノコを中火で炒めます。
4.具材がしんなりしてきたら、みりんとしょう油を入れ、水分がなくなるまでじっくりと炒めます。
5.水分がなくなったら火を止め、ごま油2~3滴入れてよくなじませます。
6.火を止め、いりゴマを混ぜたら完成です。
【保存方法】
粗熱を取り、できるだけ水分を除いてからタッパーで保存してください。保存期間の目安は4~5日。
【アレンジ例】
・鶏肉のソテーの添え物に
・細かく刻み、ご飯とミートソース、チーズと合わせてドリアの具に
常備菜レシピ「ささみのレタス巻き」
1玉買うと、どうしても余りがちなレタスを使った常備菜です。
【材料】
・レタスの葉…6枚
・鶏ささみ…3本
・オリーブオイル…大さじ1
・塩コショウ…適量
・めんつゆ…大さじ3
【作り方】
1.レタスをよく洗い、熱湯で10秒ほどゆでます。
2.「1」の水気を切ってバットに乗せ、めんつゆをかけてなじませます。
3.鶏ささみの筋と脂身を取り除きます。
4.フライパンにオリーブオイルを敷き、塩コショウをもみ込んだ鶏ささみをソテーします。
5.鶏ささみに焼き目が付いたらフライパンから皿に移し、中まで火が通るようにレンジで2分ほど加熱します。
6.鶏ささみが冷めたら、「2」で作っておいたレタスで巻きます。鶏ささみ1本に対してレタス2枚が目安ですが、お好みで枚数を調節してください。
7.レタスで巻いた鶏ささみの水分をキッチンペーパーで軽くふき取り、ひと口大の輪切りにして完成です。
【保存方法】
タッパーで保存してください。保存期間の目安は2~3日。
【アレンジ例】
・火を入れ直し、しょう油とみりん、砂糖で照り焼きに
・トマト、チーズ、雑穀などと合わせてライスサラダに
常備菜レシピ「チーズ入りマッシュカボチャ」
子どもも食べやすい、カボチャを使ったスイーツ常備菜です。
【材料】
・カボチャ…1/4個
・塩…適量
・砂糖(カボチャの甘みが足りない場合)…適量
・プロセスチーズ…30~40グラム(お好みで)
【作り方】
1.カボチャの種と皮を取ってひと口大に切り、レンジで加熱するか、ゆでて柔らかくします。
2.カボチャの粗熱が取れたら、マッシャーまたはフォークの背で粗く潰し、塩を加えます。この時、カボチャの甘みが少なければ砂糖を適宜加えてください。
3.みじん切りにしたプロセスチーズを、マッシュしたカボチャにさっくりと混ぜて完成です。
【保存方法】
タッパーで保存してください。保存期間の目安は4~5日。
【アレンジ例】
・バゲットに乗せてパーティーメニューに
・油で揚げてコロッケに
常備菜が冷蔵庫にある安心感
「保存方法や期間だけ気をつければ、常備菜に決まりはありません。作る分量も、期限内に消費できるよう家族の人数によって調整しましょう。忙しい時でも『冷蔵庫にあの常備菜がある』という安心感があれば、毎日の食卓の準備も少し気楽になるのでは。気負わずに楽しみながら、食卓に不可欠の一品を作ってみてください」(関口さん)
(オトナンサー編集部)
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