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乃木坂46・生田絵梨花はなぜ「アイドル嫌い」をも魅了できるのか

「何度目の青空か?」でセンターを務めるなど、乃木坂46の中心メンバーとして活躍する生田絵梨花さん。その魅力は、アイドルの世界と無関係の人たちをも引きつけているようです。

生田絵梨花さん(2012年1月、志和浩司撮影)

「アイドルへの見方が変わった」

 つい先日のこと、乃木坂46の生田絵梨花さんの名前を思いがけない場所で耳にしました。思いがけない場所というのは、あるアーティストの撮影後、関係者と打ち合わせを兼ねて入ったバルのことです。なぜ“思いがけない”のかというと、その彼は普段、芸能界ではなかなかメインストリームで扱われない、わかりやすくいえば、本格的だがシブすぎるぐらいシブイ、そんなアーティストや作品を多く手がけているため、アイドルのような華々しい世界とは無縁に見える人物だからです。どこか、アイドルというジャンルを認めていないようなところさえある、そんな人物です。仮に「Aさん」としましょう。そのAさんが舞台の話題になった時、突然こう言ったのです。

「生田絵梨花という子は素晴らしいね。舞台の仕事で一緒になった時、まっすぐに『私は女優をやりたいんです』と言った。その後の彼女の仕事に対する姿勢を見ていて、その言葉が本物であることを感じた。あの子と仕事をご一緒した時、『アイドルにもこんな子がいるのか』と思った。アイドルの見方が変わりましたよ」

 最初は、一体どうしたんだと思ったのですが、生田さんのプロ意識や芸能に対する目的意識の持ち方は、アイドルというジャンルから遠くにいる人にも感銘を与えるほど、強く、情熱的なようです。また彼は「とてもクレバーなんだよね。ちゃんと自分が進むべき方向を人任せではなくて、自分の意思に基づいてしっかり見据えている。どんな世界でも、やっぱり賢くなければ生き残っていけない。彼女は期待できますよ」と続けました。

 才色兼備なイメージのある生田さんですが1997年、独デュッセルドルフで生まれ、5歳から東京で育ち、現在20歳。子どもの頃から、ピアノやクラシックバレエを学び、小学生の頃にミュージカル「アニー」を見て舞台女優を目指すようになったといいます。

 ひと口にアイドルと言っても、さまざまなタイプのアイドルがいて、ファンはそれぞれ自分の感情移入しやすいアイドルを応援する傾向があります。どんなタイプのアイドルがいいとか悪いとか、そんなことは言えませんし、それぞれに良さがあるのだと思います。生田さんの場合は、アイドルというジャンルを超えて、普段はアイドルを見向きもしない人たちにもアピールする力があるようです。これからがますます楽しみな存在です。

(ライター、フォトグラファー 志和浩司)

志和浩司(しわ・こうじ)

ライター、フォトグラファー

1980年代にカメラマンとしてデビュー。90年代から各種紙媒体の編集に携わり、その後、モバイルサイトを経て新聞や雑誌、ウェブメディアなどでエンタメを中心に取材。CBCラジオ「丹野みどりのよりどりっ!」などのラジオ、テレビ番組出演も多数。芸能分野ではアイドルから演歌歌手、スポーツ選手までを幅広くインタビューしている。

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