オトナンサー|暮らしに役立つライフスタイルメディア

  • HOME
  • 暮らし
  • 家事の基本! 「洗濯の仕方」を分かりやすく解説

家事の基本! 「洗濯の仕方」を分かりやすく解説

洗濯は「洗濯機のボタンを押すだけ」と考えていませんか。しかし、衣類を守るためには、素材や汚れによって洗い方や洗剤を変える必要があります。ここでは、洗濯の仕方の基本をお伝えします。

洗濯の仕方をマスターしよう

洗濯の仕方の基本【洗濯表示】

 洗濯は家事の基本ですが、現代は洗濯機が発達したおかげで「洗濯機に洗剤と衣類を入れてボタンを押すだけ」と思ってしまいがちです。しかし、実際には、衣類の素材や汚れ方によって洗い方を変えたり、素材や利用シーンによって洗剤を使い分けたりしなければなりません。今回は、大切な衣類を守るための洗濯の仕方について、東京・旗の台にある三共クリーニングの田村嘉浩社長に聞きます。

 まず、衣類のタグに記載されている、アイロンや桶のような「洗濯表示」についてです。この洗濯表示をしっかり読まずに洗濯すると、服の縮みや色落ち、型崩れが起きる原因になります。洗濯表示は衣類の正しい洗い方や干し方を教えてくれる説明書なのです。

 洗濯表示は、以下の内容を表しています。

【洗濯の仕方】

 洗濯機の使用が可能か、手洗いすべきか、洗うのに適した温度は何度か、家庭での洗濯は可能か。

【漂白の仕方】

 塩素系または酸素系漂白剤の使用は可能か。

【乾燥の仕方】

 タンブル乾燥と自然乾燥のどちらを使うべきか。

【アイロンのかけ方】

 アイロン仕上げができる素材か、できる場合は温度を何度にすべきか。

【クリーニングの種類】

 ドライクリーニング、またはウエットクリーニングが可能か。

 衣類のタグにはそのほか、繊維の素材や洗う際の注意点(洗う際にファスナーを閉めるべきか、部分的に手洗いが必要な箇所の有無など)が記されています。これらの注意事項をしっかりと読み、まずは、それぞれの衣類が洗濯機で洗えるか▽洗濯機で洗えない場合は手洗いできるか▽クリーニング専用の場合はドライクリーニングなのかウエットクリーニングなのか、を確認しましょう。

洗濯の仕方の基本【洗濯用品】

【洗濯ネット】

 100円ショップやドラッグストアで売られている洗濯ネットは家庭洗いの必需品。ブラジャーなどデリケートな下着の型崩れや、ストッキングなど繊細な生地へのダメージを防いだり、ボタンなどの小物が取れて洗濯槽のすき間に入り込まないようにしたりと、さまざまな利点があります。靴下や下着などを種類別にネットに入れると簡単に仕分けられるため、干す際の時短にも。

【洗濯用洗剤】

 洗濯用洗剤には「液体洗剤」と「粉末洗剤」があります。近年は、ジェル状の洗剤を柔らかいカプセルに閉じ込めた「ジェルボール型洗剤」も登場しました。それぞれの特徴を知り、汚れの度合いや洗濯物の種類に応じて使い分けるのがコツです。水をアルカリ性にすると衣類の汚れが落ちやすくなります。

・液体洗剤

 基本的に弱アルカリ性。粉末に比べると洗浄力はやや弱めです。しかし、汚れた部分に原液をじかに塗れるため、汚れが落ちやすくなることもあります。洗浄力を上げるために、漂白効果やタンパク分解酵素が入っているものも。シルクやウール用の中性洗剤「おしゃれ着洗剤」も液体です。素材に合わせて使い分けましょう。

・粉末洗剤

 弱アルカリ性〜アルカリ性。一番の特徴はキレート剤(水を軟水化する)が入っており、水が衣類に浸透しやすくなって洗浄効果がアップします。洗濯に天然水や井戸水を使用する地域では粉末洗剤が効果を発揮します。しっかり水に溶かす必要がありますが、汚れがひどい物は粉末洗剤がオススメ。

・ジェルボール型洗剤

 1回に使用する量がはっきりしているほか、液体や粉末と違ってこぼれないため、手が汚れないのが特徴。基本的に液体洗剤にはキレート剤が入っていませんが、ジェルボールには適量入っています。子どもの誤飲を防ぐ大きさになっているため、少量を洗う時など分量を調整できない難点も。

 そのほか、襟や袖専用の「部分洗い用洗剤」、頑固な汚れや臭いを取るための「つけおき用洗剤」があります。

【柔軟剤】

 柔軟剤の使用は必須ではありませんが、洗濯物がふんわりと仕上がり、肌触りが良くなるため、タオルや肌着、子ども服に適しています。香りのバリエーションと持続性に重点を置いた製品が多く、殺菌・抗菌性にも優れているため、部屋干しをする場合は柔軟剤を加えるか、あらかじめ柔軟剤の入った洗剤を使用するのがオススメです。柔軟剤は静電気を防止する効果もあります。ただし、柔軟剤は洗濯物に残ります。適正量以上を使用すると柔軟剤が残って水を吸収しにくくなります。

【漂白剤】

 漂白剤は、主に色素沈着(黄ばんだ汗染みやミートソース、しょう油など)による汚れを落とすために使います。塩素系と酸素系の2種類があり、塩素系の方がより強力です。しかし、漂白力が非常に強いため、色柄物を塩素系で洗うと色柄まで落ちてしまいます。白い衣類に塩素系、色柄物に酸素系を使いましょう。なお、塩素系と酸素系が混ざると、有毒ガスが発生します。わざわざ混ぜることはなくても、酸素系で汚れが落ちない場合、次にもっと効果の高い塩素系を使ってしまう人がいます。前の漂白剤を十分すすぐようにしましょう。

洗濯の仕方の基本【洗う際の注意点】

 洗濯表示が「手洗い」の場合は、表示に合った液温を守り、洗剤を入れた洗い桶の中で生地を傷めないように優しく洗います。しわになりやすい服や、型崩れしやすい服はきれいに畳んでから洗濯ネットに入れて洗いましょう。汚れがふやけるには時間がかかります。5分ほどつけた後、桶の中で衣類を持ち上げたり沈めたりしながら20〜30回押すように洗ったら、洗剤の泡がなくなるまで水でよくすすぎます。薄手のブラウスなどの場合は、桶の中で衣類の端を持ち、軽く泳がせるように洗うとしわを抑えられます。

 また、洗濯の際に心配なのが色落ち。白いタオルを水で湿らせ、色落ちしそうな衣類の色柄部分の目立たない箇所を軽くたたき、タオルに色移りするかどうか確認します。色が移った場合は単独で洗濯するか、洗濯表示に従ってクリーニングに出しましょう。

 プリントTシャツなどのように、写真や文字を転写した服はプリント面を表にしたまま洗うと転写部分がポロポロと崩れてしまうため、裏返してネットに入れてから洗います。毛玉になりやすいポリエステル、アクリルなどの化学繊維やウールの服、レースや刺しゅうなど繊細な飾りのある服も、裏返して洗うことで生地を守れます。

 近年の洗濯機は、お風呂の残り湯を使えるものが多くあります。残り湯を使うと水よりも汚れが浮きやすく、水の節約になるなどのメリットがありますが、使用時は以下の4点に注意する必要があります。

・雑菌の繁殖を防ぐため、湯を張ったその日のうちに使う 

・洗濯物へ色移りしないように、入浴剤を入れた湯は使わない 

・おろしたての衣類には使わない 

・すすぎの際には、きれいな水道水を使う

洗濯の仕方の基本【汚れ別の洗い方】

 汚れのひどい服を洗う際は、まず汚れの原因を知り、それぞれに応じた方法で洗うことが重要です。ほかの洗濯物に汚れを移さないために分けて洗いましょう。ここでは、日常生活で生じやすい汚れの原因ごとの洗い方をご紹介します。

【皮脂や汗による汚れ】

 皮脂や汗は時間がたつと、ほこりなどを吸着して頑固な汚れとなるだけでなく、酸化して黄ばみの原因になります。汚れて時間がたっていなければ、重曹で汚れを落とせますが、時間がたって黄ばんでしまった場合は、漂白剤を混ぜたぬるま湯にひと晩つけておくのがオススメ。黄ばみが薄くなったら軽く水ですすぎ、その後は素材に合った方法で洗濯しましょう。

【血液による汚れ】

 血液は最も落ちにくい汚れの一つですが、主に経血による汚れを想定した血液用洗剤が市販されています。衣類に血液が付着してしまった場合は、すぐに水かぬるま湯で洗い、血液用洗剤を汚れ部分に塗って、つけ置き洗いをしましょう。洗剤によっては、そのまま洗濯機に入れて洗えるものもあります。なお、血液にはたんぱく質が含まれているため、40度以上になるとゆで卵の白身のように固まって水がしみ込まなくなり、洗濯しても落ちなくなります。高温のお湯につけないようにしましょう。

【ふん尿による汚れ】

 衛生面を考えると、ふん尿で汚れてしまった場合は極力、その衣類を捨てるのが望ましいですが、赤ちゃんのうんちなど、汚れが広範囲に渡っていない場合は洗濯によって汚れを落とせます。大便の場合、トイレットペーパーなどで固形物を取り除いてからできるだけ早く水で洗い、つけ置き用洗剤を混ぜた水かぬるま湯に入れてつけ置き洗いをします。湿っている状態よりも、乾燥させてブラシで払うと除去効率がよくなり、後の洗濯が楽になります。尿の場合は、汚れてすぐであれば衣類用洗剤で手洗いし、その後、洗濯機で洗います。黄ばみがついている場合は、漂白剤でつけ置き洗いをしてから洗濯機で洗いましょう。

【泥による汚れ】

 泥汚れは水でも洗剤でも落ちにくい、やっかいな汚れです。まずは泥の付いた衣類をよく乾かしてから、付いた泥をなるべくきれいに払い落としておきます。歯ブラシや洗濯用ブラシで、繊維の奥に入り込んだ泥をかき出すのも効果的です。その後、洗濯用洗剤を混ぜたぬるま湯でつけ置き洗いをしてから、洗濯機または手で洗いましょう。

【油溶性の汚れ】

 油溶性の汚れの代表はソースやチョコレート、口紅やファンデーションなどによるもの。まずは、乾いた布やティッシュで、汚れをできるだけふき取ります。その後、液体洗剤や台所用中性洗剤を汚れ部分に直接塗布し、綿棒などで軽くたたいて汚れを浮かせてから、洗濯機または手で洗いましょう。食品による油汚れの場合は、初めに食品用洗剤を染み込ませてもみ洗いをすると効果的です。

【水溶性の汚れ】

 ワインやジュース、水彩絵の具などによる水溶性の汚れは、まず乾いた布やティッシュで水分を優しく除き、その後、漂白剤を汚れ部分に直接塗布したら、衣類に合った洗い方で洗濯しましょう。時間がたって染み込んでしまった絵の具は、洗濯用の固形石けんを塗り込むか重曹を塗布してから、歯ブラシでこすると落ちやすくなります。

正しい洗濯の仕方を覚えよう

「『衣』は生活の基本要件である衣食住の一つですが『どんなデザインのものを着るか』といった見た目のことは考える一方、手入れと保管については後回しにしがちです。毎日のように洗濯をしていると、種類ごとに分けたり、洗剤を使い分けたりするのは面倒かもしれませんが、一つの衣類を大切に使い続けることは『衣』の質を保つことにもつながります。まずは、できるところから実践し、正しい洗濯の仕方を少しずつ日常生活に取り入れてみましょう」(田村さん)

(オトナンサー編集部)

田村嘉浩(たむら・よしひろ)

三共クリーニング社長

東京・旗の台で1927年から続く三共クリーニングの3代目社長として、テレビや雑誌など各種メディアで活躍する。クリーニング技術を研究する、NPO法人「日本繊維商品めんてなんす研究会」事務局長も務める。お客さまのファッションケアに関する難問を解決するため、洗濯・クリーニングに関する相談などを受け付け、広くクリーニング技術の啓蒙に力を注いでいる。三共クリーニング(http://www.sankyo-c.com/)。