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コロナで機会減った「コンタクトレンズ」、適切な使用&ケア方法は?

自宅にいる時間が増えて、「コンタクトレンズをつける機会が減った」という人も多いようです。「開封後、数回だけ装着」「しばらく保存液に入れっ放し」などの使用法に問題はないのでしょうか。

コンタクトレンズの正しい使い方は?
コンタクトレンズの正しい使い方は?

 テレワークの拡大やステイホームの呼び掛けなど、コロナ禍の影響で自宅にいる時間が大幅に増えた人も多いと思います。そうした中、「コンタクトレンズをつける機会が減った」「いつもより眼鏡をかけて過ごす時間が増えた」という人も多いようですが、ネット上では「『2週間使い捨て』のコンタクトを開封したけど、1日使ってそのまま」「未開封のまま使用期限が切れそうなレンズが残っている」「装着しなくても洗浄は毎日しないとだめ?」といった疑問や、「久しぶりにコンタクトを入れたら、目に違和感が出た」など不調を訴える声も出ています。

「コンタクトレンズ」に関するさまざまな疑問について、かわな眼科(千葉県松戸市)の川名啓介院長に聞きました。

一度の使用で病原微生物付着

Q.テレワークやステイホームに伴い、開封後、数回だけ装着したコンタクトレンズを保存液の中にそのまま放置したり、数日放置後に装着したりする人が少なくないようです。このような使用・保存の方法は適切といえますか。

川名さん「コンタクトレンズを装着することを医学用語では『装用』といいますので、以後、『装用』で説明します。

質問のような使用・保存の方法は残念ながら不適切です。ソフト・ハードともに一度でも使用したコンタクトレンズには、目の表面や手指にある細菌などの病原微生物が付着しています。それを保存すると、たとえ適切に保存液を入れていても、細菌やアメーバをケース内で“培養”することになってしまい、少量の細菌やアメーバからでも増殖して、装用時には多くの細菌などの病原微生物が付いていることがあるためです。

コンタクトレンズの保存液の消毒効果は長く持続しないため、適切なスケジュールで装用する分には問題ありませんが、長期間保管した後に装用すると、細菌やアメーバ感染が起きる可能性があります。『2週間用コンタクト』というのは『開封後、2週間使用できる』という意味であり、『装用する日の延べ日数が2週間』という意味ではありません」

Q.開封後、数回だけ装用したコンタクトレンズの適切なケア方法とは。

川名さん「ソフト・ハードともに、コンタクトレンズは装用する前日の消毒が大切です。ハードは通常、装用前に保存液ですすいでから使用するので病原微生物の絶対的な数は減りますが、やはり、感染の危険性は高まります。そのため、きちんとスケジュール通りに消毒して使用することが大切です。また、コンタクトレンズの保存ケースは3カ月ごとに新しいものに交換することが推奨されています。ケース内の微妙な傷を足場として細菌やアメーバの増殖が起きることが多いからです」

Q.開封済みで、保存液の中に入れていたコンタクトレンズを久しぶりに装用した際、目に違和感が出ることがあるのは事実でしょうか。

川名さん「先述の通り、コンタクトレンズの保存ケース内では細菌や真菌、アメーバなどの病原微生物が繁殖することが多々あり、たとえ適切な保存方法を行っても増えてしまうことがあります。その際、装用時に違和感を生じることがあるのは事実です。何か違和感があった場合は、すぐに装用を中止することが大切です。それだけで改善することも多くあります。

コンタクトレンズを装用せずに数日間、目を休めてから、ソフトコンタクトレンズの場合は新しいものを、ハードコンタクトレンズの場合はしっかりと再度消毒を行ってから、それぞれ装用を再開してください。無理やり装用し続けると、角膜が病原微生物に感染して角膜炎を起こすことがあります。早期に使用を中止して適切な治療を行えば問題ありませんが、時間がたって治療が遅れてしまうと、角膜が病原微生物により溶かされてへこむことで潰瘍を起こしたり、その結果として穴が開いたりします。

最悪の場合、失明に至ることがあります」

Q.コンタクトレンズのパッケージには「使用期限」が明記されていますが、未開封のまま使用期限が切れてしまったコンタクトレンズは使用してはいけないのでしょうか。

川名さん「使用期限は守った方がよいでしょう。仮に期限が切れたものを使用してトラブルが起こっても、コンタクトレンズの製造会社は責任を負いかねます。細菌感染の可能性は低いと思われますが、保存液の変質などにより、目に刺激を感じたり、角膜に傷がついたりすることがあります」

Q.テレワークの拡大に伴い、普段よりコンタクトレンズと眼鏡を併用する機会が増えているように思います。避けた方がよい使い方や注意すべきことなど、両者を上手に併用するためのアドバイスをお願いします。

川名さん「基本的に、眼鏡とコンタクトレンズは併用(交代で使用)することが望ましいです。近年、コンタクトレンズの素材は非常によくなっていますが、長期装用により、アレルギー性結膜炎を起こしたり、ドライアイが悪化したりすることがあります。そのため、コンタクトレンズの装用時間は短い方が望ましいといえます。

眼鏡は直接、角膜に触れないため、アレルギー性結膜炎やドライアイのリスクが低くなりますし、やや大きめの眼鏡は風が直接角膜に当たらないため、若干の保湿効果も期待できます。また、保湿用の専用眼鏡も市販されています。

眼鏡のレンズの度数とコンタクトレンズの度数は、度数が弱い場合はほとんど一緒ですが、度数が強いものに関しては眼鏡とコンタクトレンズの度数が異なるため、補正が必要になります。適切な度数のコンタクトレンズを眼科で検査して処方してもらうのが望ましく、オンラインなどでコンタクトレンズを購入している人は注意が必要です。

テレワークで近くのものをメインで見る場合は、普段の生活で使う眼鏡やコンタクトレンズよりも、やや弱めの度数の方が疲れにくくなります。これも眼科で相談するとよいでしょう。自己判断で度数を決めると眼精疲労などで目がつらくなることがあるため、心配なことがあれば、ためらわずに眼科を受診しましょう」

(オトナンサー編集部)

川名啓介(かわな・けいすけ)

医師(眼科)

医療法人社団かわな眼科院長・理事長。1999年、筑波大学医学専門学群卒業。筑波大学付属病院、日製日立総合病院、総合病院土浦協同病院勤務を経て、2006年から筑波大学大学院人間総合科学研究科講師となる。2009年、かわな眼科を開設。「快適な目で、人生に潤いを」を目指し、患者さんに分かりやすい医療を提供することを目指している。専門分野は白内障、緑内障。かわな眼科(https://kawanaganka.com/)。

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