意見を言えず白黒つけられない内向型の私…でも落ち込む必要ないと発想転換 「納得です」
白黒をつけるのが苦手な自分の性格を描いた漫画が話題に。大人数で議論になると、いつも黙って意見が言えず、そのたびに落ち込んでいた女性ですが…。
白黒をつけるのが苦手な自分の性格を描いた漫画「白黒つけるのは難しい」がSNS上で話題となっています。大人数で議論になると、いつも黙って意見が言えず、そのたびに落ち込んでいた女性。「なぜ、私は自分がないんだろう」と悩んでいましたが、自分は“灰色”の領域に住んでいると考えることで…という内容で「納得です」「すごく共感しました」「励まされました」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
深く多面的に考えるのは私の「個性」
この漫画を描いたのは、ここみ(ペンネーム)さん(25)です。漫画家・イラストレーターとして活動しており、日常のさまざまな出来事や自身の内向的でHSP(気にし過ぎる性格)の気質についての漫画をインスタグラムに投稿しています。
Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。
ここみさん「中学生の頃、友達と交換ノートをしていて、そこに漫画を描いていました。日常で起きた出来事を友達に伝えるためだったり、友達と合作で創作の物語を作ったりと、何かにつけて漫画を描いていました」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
ここみさん「昔から、議論がとにかく苦手で、それがすごくコンプレックスだったのですが、後ろ向きに考えるよりももっと自分と向き合ってみようと考え始めたのがきっかけです。自分なりに『こういうことなのかも…』と思った内容を漫画にしてみました」
Q.普段から、大勢で会話をする際は口数は少ない方ですか。
ここみさん「少ないです。基本的に大人数だと緊張してしまうので…でも、少人数、特に1対1だと急におしゃべりになったりします。話すのが嫌いなわけではないんですよね」
Q.漫画のようなシチュエーションで、実際に「はっきりしない」と指摘されたことは。
ここみさん「『はっきりしない』と直接言われたことはないのですが、大人数のときは基本的に静かなので、『もっと話したら?』と言われることはあります。そのたびに何となく、ちょっと傷ついたりしていました」
Q.どうしても白黒をつけないといけない場面ではどうしているのでしょうか。
ここみさん「物事の重さにもよりますが、できるだけ時間をかけて考えたいです。そして、白黒を言うとしても相手を否定することがないように、言葉遣いは『多分』『私はこうだと思います』のような軟らかい表現にします。ただ、状況が切迫していてすぐに何かを決めなければいけないときなど、曖昧な返事だと相手が困る場合は、ドキドキしながらもなるべくはっきり言うようにしています」
Q.多面的に物事を見ることが長所と考えるようになって、お気持ちに変化は。
ここみさん「長所というよりは個性なのかなと思っています。内向的な人は物事を深く、多面的に考える傾向があるようなので、そういう一面が表れているにすぎないのかなと思いました。そう思うと何となく腑(ふ)に落ちるというか、私は私らしくしているだけなんだと受け入れられて、『じゃあ、私らしく意見を伝えるにはどうする?』と次のステップに進めた気がします」
Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。
ここみさん「たくさんの方に共感していただけましたし、『少し前向きになれました』といった意見も頂けました。半面、『白黒つけないのは甘えだ』という意見も頂きました。漫画に描いたようにいろいろな意見があるのは当たり前なので、賛否両論頂けるのはうれしいです。補足させていただくと、白黒をつけないのがいいと思っているわけではなく、お互いが納得できるような最適解を見つけていくことがとても大切だと思っています」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
ここみさん「これからも、内向型の自分がどんなふうに生きているかを取り繕うことなく描いて、同じタイプの方の気持ちが少しでも楽になるような作品が作れたらと思っています。そして、違うタイプの方にも『こういうふうに思っている人もいるんだな』と伝えられたらうれしいです」
(オトナンサー編集部)
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