自分の価値はスーパーのケーキ? クリスマス破局した37歳女性の“本当の気持ち”
いまだ収束の気配が見えないコロナ禍の中で迎えたイベントの季節、12月。その過ごし方がカップルの明暗を分けたようです。
2020年は新型コロナウイルスがまん延し、いまだ終息する見通しが立っていません。そんな中でクリスマスや年越しを迎えることになった12月。華やかなイベント事の季節ですが、例年とは違う生活スタイルになり、どんなふうに過ごすかでカップルの今後の明暗が分かれた気がします。
私はスーパーのケーキの価値ですか?
上田美佐子さん(37歳、仮名)は有田智久さん(43歳、同)とお見合い後、お付き合いに入って2カ月半がたちました。先日、有田さんの相談室より、こんなご連絡を頂きました。
「とてもよいお付き合いをさせていただいているようです。有田としましては、交際の段階を一歩進めて、真剣交際に入りたいと申しておりますが、上田さまのお気持ちはいかがでしょうか?」
そこで、私は美佐子さんにこのことを伝えました。すると、美佐子さんが少し困惑したように言いました。
「話しやすいし、優しいし、お仕事にも一生懸命だし、結婚するには申し分のない条件の方だと思うんです。ただ、一つ気になることがあって。会話をしていると、何かにつけてお金のことを言うんですよ」
例えば先日、イタリアンレストランに行ったときのことでした。
「パスタが1500円もするんだね。高いな。ファミレスなら半分の値段で食べられるよね」
郊外へドライブに行ったときには、駐車場代が3時間2000円という看板を見て…。
「うわっ、高っ。こんな田舎の駐車場で、この値段はないよなあ」
美佐子さんは、私に言いました。
「食事をしたらいつもごちそうしてくださるし、割り勘は一度もありません。ただ、買い物するときとか、お店で食事をするときとか、自分がお財布を開くたびに、必ず金額のことを言うんです」
美佐子さんは、何かにつけてお金のことを言う智久さんがとても気になっていたようでした。そこで、私は言いました。
「けちと倹約家は違うと思うんですよ。けちな人というのは、お金を出さない。人にごちそうもしない。でも倹約家というのは、考えながら無駄なくお金を使う人。世の中には、ごちそうすることが好きな大盤振る舞いの人もいますよね。それが知人や会社の上司だったら、おとこ気があってすてきに見える。
でも、結婚して一緒に生活していくとなったら、後先を考えずにお財布からお金を出してしまう男性よりも、出すところは出すけれど締めるところは締めて、その代わりに貯蓄もしっかりしている人がいいんじゃないの?」
そのときの美佐子さんは「それもそうですよね」とうなずいていました。しかし、クリスマスの3日前に「やはり智久さんとは交際終了でお願いします」という連絡が来ました。
交際終了の理由は、智久さんから来たこんなLINEでした。
「クリスマスイブもクリスマスもウイークデーなので、26日の土曜日の午後から、遅いクリスマスのお祝いを僕の家でやりませんか? 僕がどんな家に住んでいるか見ていただきたいし。スーパーでケーキと食べ物を買い出しして、ささやかですがお祝いしましょう」
このLINEに対して、美佐子さんは私にこう言ったのです。
「まだ真剣交際にも入っていないのに、1人暮らしの家に女性を呼ぶことがそもそもナシです。それとスーパーのケーキって、何ですか? 私にはスーパーのケーキの価値しかないのですか? 何だか粗末に扱われている気がしました」
これはまさに、価値観の違いでしょう。智久さんに悪気があったわけではなく、コロナのリスクも増えているし、外食するなら家でクリスマスをお祝いしようと思ったのでしょう。スーパーのケーキも、お金をけちったわけではなく、デパ地下で有名パティシエのクリスマスケーキを買うという発想がそもそもなかったのだと思うのです。
恋愛経験が少ない男性は、おしゃれなレストランや有名パティシエのお店などを知らない人が多いです。ただ、知らないのなら女性が教えてあげればよいのです。そこに腹を立ててしまった美佐子さんはとどのつまり、智久さんが好きではなかったのでしょう。その自分の気持ちに、この一件で気付いたようでした。
「結婚するには申し分のない条件の方だと思っていました。もしも彼を好きだったら、家に誘われたこともうれしかったでしょうし、“スーパーのケーキ”を提案されたのなら、『ケーキは私が買っていくね』と言ってデパ地下で有名店のケーキを買ったと思うんですね」
この出来事がきっかけとなり、美佐子さんは智久さんに「交際終了」を出しました。
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