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帰省しない代わりに贈る「帰歳暮」、いつ何をどう贈れば? マナー専門家が解説!

新型コロナで帰省を控える人が多い中、帰省をしない代わりに贈る「帰歳暮」が注目されています。そのマナーを解説します。

水引で作ったボトルマーカー。日本の結ぶ文化でコミュニケーションの心も伝わりやすい(水引ボトルマーカー:結ここちよ作、写真提供:ヒロコスタイル/HIROKO ROSE株式会社)
水引で作ったボトルマーカー。日本の結ぶ文化でコミュニケーションの心も伝わりやすい(水引ボトルマーカー:結ここちよ作、写真提供:ヒロコスタイル/HIROKO ROSE株式会社)

 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止策から、年末年始の帰省を控える方も多い状況のようです。それに伴い、「帰歳暮」という贈り物が注目されています。

 帰歳暮は「帰省」「お歳暮」を組み合わせた造語です。帰省の代わりに贈るものとして、デパートなどの贈答品売り場でも紹介されているほどです。

 今回はこの帰歳暮について、皆さんから多く受けているご質問をまとめてみました。

かけ紙は「帰省の代わりに」などでも

Q1.帰省はしないのですが、お歳暮は贈りました。それとは別に帰歳暮も贈らないといけないのでしょうか。

A.「お歳暮も帰歳暮も、そもそもの意味は日頃の感謝の気持ちを伝えるものです。お歳暮を贈ったのであれば、帰歳暮を贈らなくてもいいとか、贈らなければならないという決まりはありません。これらは気持ちからなるものです。お歳暮を贈った後、もともと帰省をするつもりであったところ、それを取りやめた場合などは、帰省時にお持ちする手土産代わりとして別途贈ってもよいですね」

Q2.帰歳暮にも「のし紙」をつけて贈るのが正式なのでしょうか。

A.「帰歳暮は今年登場した造語です。のし紙をつけなければいけない、といった決まりはないでしょう。のし紙はもともと、かけ紙のことであり、それに当時の高級品であったアワビを添えて献上していたことが、後に生のアワビから『のしあわび』になり、現代では、印刷されたのしあわびがかけ紙についているのし紙となりました。

従って、生物を贈るときはそれが重複するため、のし紙ではなく、かけ紙をかけます。かけ紙をかける方が丁寧な印象になりますが、人によっては堅苦しい、仰々しいと感じる場合もありますので、相手との関係性や状況に応じて、かけ紙をかけるかどうかを判断するとよいでしょう。かけ紙をかけないときは水引を結ぶだけで印象が変わります」

Q3.かけ紙(のし紙)の表書きは「帰歳暮」と書くのが正式なのでしょうか。

A.「表書きも現代では、さまざまな書き方が登場しています。『帰歳暮』と書いてもよいのですが、相手がその言葉の意味を知らないとせっかくの気持ちが伝わりません。分かりやすいように『帰省の代わりに』『帰省に代えて』などと書いてもよろしいかと思います。

これらに違和感のある方は例えば、『感謝』などと書き、お手紙で『帰省の代わりにお品をお贈りいたします』とすれば伝わるでしょう。手紙は品物と一緒に送ってもよいですし、別送でも構いません。もちろん、実家との関係性においては、電話やメール、LINEでも問題はありません。贈る側も贈られる側も相手の立場や気持ちなどを考慮して、自分のルールで相手をジャッジしないのがニューノーマル時代に大切な心重視のマナーです」

Q4.帰歳暮を贈る時期を教えてください。

A.「帰歳暮に贈る時期の決まりはないでしょう。お歳暮は、関東では12月初旬から中旬、関西では12月中旬から12月25日くらいまでに贈るのがマナーなどと言われてきましたが、これらは元来、マナーというよりは、しきたり、慣習のことであり、本来のマナーの意味と外れていることと思われます。

このように、時期に違いが生じているのはそれぞれに理由があってのことでしょうが、『その時期を逃すと贈ってはいけない、失礼だ』、さらには『その時期までに贈らないといけない』などの発想から、『時期を逃して、結局贈らなかった』『期限に追われ、贈ること自体がストレス』という方が残念です。これらは日頃の感謝の気持ちを贈るわけですから。

お中元やお歳暮は中国から伝わってきたものです。帰歳暮は日本で作られた造語です。その由来は、帰省をしない代わりとして気持ちを贈るもの。ですから、その贈る時期に特に決まりはないと言えましょう。とはいえ、文字には『暮』という漢字が使用されていますから、帰歳暮というのであれば、年末までには贈った方がよいと言えます。

一方、もともと、年明けに帰省予定だった方がそれを取りやめたときは、新年のため、『暮』とは言いませんね。ですから、先述の通り、贈る時期に決まりはありません。あくまでも、帰省する代わりに感謝などの気持ちを贈るものです」

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マナーズ博子(まなーず・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー評論家、マナー解説者、ヒロコマナーグループ代表

大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経てマナー講師として独立。31歳でマナーの本場英国へ単身渡英。オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと起業し、お互いをプラスに導くヒロコ流マナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナー研修やおもてなし、営業接客マナー研修、マナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績は、テレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「いだでん」「花燃ゆ」「龍馬伝」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、書籍で、マナー指導・監修者としても活躍中。著書は、28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)「マンガでわかる! 社会人1年生のビジネスマナー」(ダイヤモンド社)「マナーコンサルタントがこっそり教える 実は恥ずかしい思い込みマナー」(PHP研究所)「運のいい人のマナー」(清流出版)など監修含め国内外で90冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)など、子どものマナーからビジネスマナーやテーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)、プレミアムVIPマナーサロン(http://www.erh27.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」は西出博子の登録商標です。

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