笠松将、いじめられっ子役難しい「体が大きく見えないように…」
映画「ファンファーレが鳴り響く」主演の笠松将さんに、脚本やバイオレンスシーンを演じた感想、お気に入りのシーンなどについて聞きました。
映画「ファンファーレが鳴り響く」で主演を務める俳優の笠松将さん。同作は、吃音(きつおん)症が原因で同級生からいじめられている高校生の明彦(笠松さん)は、空想の中で神様を殺すことで心を保っています。ある日、同級生の光莉(祷キララさん)が明彦がいじめられている現場に居合わせ、持っていたナイフで加害者の同級生を殺してしまう…高校生の男女が殺人を犯しながら、逃亡する姿を描いた青春群像劇です。
オトナンサー編集部では、笠松さんに単独インタビューを実施。脚本やバイオレンスシーンを演じた感想、お気に入りのシーンなどについて聞きました。
簡単に手を出していいものではない
Q.脚本を読まれていかがでしたか。
笠松さん(以下敬称略)「撮りたいことが明確で面白かったので出演しようと思いました。この時期、スケジュールが全然なくて、予算的にも日数がかけられず、他の撮影が終わった後、夕方から撮影に参加する感じでした。脚本も森田和樹監督の印象も良かったです」
Q.しゃべり方は難しかったですか。
笠松「吃音症自体が簡単に手を出していいものではないと思っています。吃音症で悩んでいる人もいます。前向きな気持ちでは挑めませんでした。これを見た人がどう評価してくれるのか気になるし、資料を読んで、どういうときに吃音になるのか勉強しました。
吃音症の役が出てくる作品では、リズムゲームみたいになっていることが多いのですが、それは避けたいと思って違う表現をしています」
Q.バイオレンスシーンの撮影はいかがでしたか。
笠松「この作品に関していうと重さはないと思いました。絵としての重さは省いていますし、憎しみなどもありません。もちろん、人を殺せというわけではないですが、『自分から湧き出る感情をもっと大事にした方がいい』というのが本作のメッセージだと思ったので、血が出る描写が多いので嫌な人はいると思いますが、撮影中は僕も重くはならず演じていました」
Q.学生時代はどんな生徒でしたか。
笠松「後輩には慕われなかったかもしれませんが、勉強はある程度できたし、スポーツもできたし、友達も多かったし、先輩とも仲良くしていました。何でもそつなくこなすタイプです」
Q.お気に入りのシーンを教えてください。
笠松「見ていてしんどかったのは、吃音症であることをみんなの前で告白するシーンです。撮影当時のことを思い出しました。僕の役は吃音でいじめられているので、それをみんなの前で告白するのは怖かったです。他の人は何とも思わないかもしれませんが、僕は演じているのでしんどかったです」
Q.今回、一番の挑戦は。
笠松「僕がいじめられている役を演じること自体が挑戦でしたね。周りから、いじめられっ子に見られるのが難しいだろうなと思いました。こんなに身長が高くて体がでかいやつは、いじめられないだろうと思う人が多いと思うんですよ。撮影中はできるだけ、体が大きく見えないようにしていました」
Q.現場の雰囲気を教えてください。
笠松「若い男の子たちがたくさん出ていて、その子たちとはよく話していました。いまだに連絡を取っている子もいます。撮影中、その子たちに『インディーズ映画にも出られるんですね』と驚かれましたが、僕はメジャーもインディーズも関係なく出演しています」
Q.作品選びの基準にしていることはありますか。
笠松「当時と今では違いますが、当時はオファーをしてもらえるなら、できるだけ受けていました。今は事務所やマネジャーに相談しながら決めています」
Q.普段、リフレッシュにしていることはありますか。
笠松「妹と電話しています。多いときは週5日くらいですね。精神的に助かっています」
映画「ファンファーレが鳴り響く」は全国公開中。
(オトナンサー編集部)
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