禁断のクスリ? 会社員がハマる「給与合算節税」とは
現代は「副業」の時代。多くのサラリーマンが不動産投資や各種事業を手がけていますが、それらを利用した「節税」の方法もあります。しかし、それに味をしめて、だんだんと深みにハマってしまうと……。
サラリーマンの節税に関してよく言われることの一つに、「会社員の給与はガラス張り。節税なんてできない」というものがあります。
サラリーマンの納税は勤務先企業が代行してくれるため、振り込まれる給与はすべて天引きされた後の金額。また、生命保険や個人型確定拠出年金(個人型DC、通称「iDeCo」)に加入している人や自宅を購入した人は還付金を受け取ることができますが、その手法は限定されています。
しかし、それをしていると大きな節税になりうる「副業」があるのです。
給与所得と合算される「不事山譲」
まず、個人が何らかの収入を得ると、その内容によって税務上は11種類に分類されます。一番メジャーなのが「給与所得」で、ほかに「雑所得(公的年金など)」「配当所得(株の配当など)」「利子所得(銀行の利子など)」などがあり、それぞれ税金の計算方法が決められています。
このうち「不動産所得」「事業所得」「山林所得」「譲渡所得」の4種類に関しては、「給与所得と合算して計算する」というルールがあり、この4つの頭文字から「不事山譲(フジサンジョウ)」と呼ばれます。山林所得や譲渡所得がある方はあまり多くありませんが、不動産所得や事業所得は、副業をしている会社員が対象となりやすいものです。
よく耳にする「ワンルームマンション投資」などは不動産所得ですし、ネットで通販を行ったり、個人で何らかの仕事を請け負ったりしている場合、ある程度の規模であれば、事業所得に該当します。これらは給与所得と合算されるため、基本的には全体の収入が増加し、その分税金も増えることになります。
しかし、これとは「逆のパターン」が節税につながります。それは「不動産」「事業」で赤字が出ている場合です。これを合法的に行うものの一つがワンルームマンション投資。たとえば、毎月5万円の賃貸料から得られる「収入」に対し、銀行に支払う金利やマンション自体の償却などの「経費」があり、この収入から経費を差し引いた「利益」が不動産所得となりますが、マンション購入後数年間は銀行ローンの金利部分が大きく、そこに償却分も上乗せされるため赤字になりやすいのです。
ただし、これは「数字上の話」であって、実際に赤字のわけではありません。たとえば、5万円の賃貸収入に対してローンが4万円ならば毎月1万円はもうかっている計算ですが「税金の計算上」赤字ということです。この赤字分も給与所得と合算されるため、その分、税金を減らすことができます。
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