毎日食べても大丈夫? 国民食「ラーメン」、健康上気を付けるべきことは?
国民食といっても過言ではない「ラーメン」ですが、食べる際に気を付けた方がよいことはあるのでしょうか。
国民食といっても過言ではなく、常に行列ができている人気店もある「ラーメン」。スーパーやコンビニでも多くの即席麺が販売され、自宅で手軽に食べることもできます。そんなラーメンを毎日食べる人もいるようですが、健康面で気を付けるべきことはないのでしょうか。また、ラーメンと一緒に食べた方がよい食べ物はあるのでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。
豚骨以外は毎日でもいいが…
Q.ラーメンを食べ過ぎると健康上、どのような影響が考えられますか。
市原さん「肥満や高血圧につながる可能性があります。しょうゆラーメンや塩ラーメン、みそラーメン1杯当たりのカロリーは、500キロカロリーから800キロカロリー程度と、それほど高くありません。糖質も50グラムから70グラム程度と理想的です。
ただし、豚骨ラーメンは脂質の量が多く、脂は1グラム当たり9キロカロリーと高カロリーなため、それに比例してカロリーが増します。高カロリーの食べ物を食べ過ぎると肥満を引き起こし、糖尿病や高血圧、脂質異常症など生活習慣病につながるため注意が必要です。
また、これはしょうゆラーメンなどにも共通しますが、ラーメン1杯には5グラム以上の塩分が含まれていることが多く、塩分の過剰摂取による高血圧を引き起こす可能性があります。日本人に推奨される1日の塩分摂取量は男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満のため、ラーメンだけで1日の塩分量のほとんどを摂取することになってしまいます」
Q.ラーメンを食べる際の注意点は。毎日食べる人もいるようですが、問題はないのでしょうか。
市原さん「豚骨ラーメン以外のラーメンであれば、カロリー自体は高くないため、毎日食べてもそれほど問題はありません。ただし、野菜が少なくビタミンやミネラル、食物繊維が少ないため、バランスのいい食事とはいえません。また、塩分が多いので、食べる際は汁をなるべく残すようにしなければなりません」
Q.では、ラーメンを食べる際に一緒に摂取した方がよい食べ物はありますか。バナナには塩分排出効果があると聞いたことがありますが、本当でしょうか。
市原さん「前述のように、ラーメンは野菜が少ないので、ビタミンやミネラル、食物繊維を摂取する目的で野菜料理を一緒に食べると、栄養バランスがよくなります。また、ラーメンの付け合わせとして有名なチャーシューや煮卵にはタンパク質が含まれているため、一緒に食べることをおすすめします。
バナナには、血液中の塩分を排出するカリウムという成分が多く含まれており、一緒に食べることで塩分過多を防ぐ効果があります。ただし、バナナはカロリーが高いため、バナナを食べるよりも、カリウムを多く含む他の食品、例えば、低カロリーのトマトなどを食べることをおすすめします。
そもそも、塩分を過剰に取らないことが大切なので、カリウムを摂取するからといって、過剰摂取した塩分のすべてが相殺されるわけではないことを忘れないでください」
Q.子どもが夏休みに入り、親が昼食を調理する機会が増えた家庭もあります。その際、手軽に調理できるラーメンを作る人もいるかと思いますが、子どもにラーメンを食べさせる際に気を付けた方がよいことはありますか。
市原さん「子どもの1日の塩分摂取量は大人よりも少なく設定されているため、汁を全部飲むのは厳禁です。子どもが濃い味に慣れ、濃い味の食べ物を好むようになると、将来的に高血圧になるリスクを高めてしまいます。味を薄めに調整するなど工夫した方がよいでしょう。栄養バランスを考え、野菜を多く加えるのはもちろん、タンパク質を意識し、チャーシューや卵も加えましょう」
Q.中華麺を使った料理には「冷やし中華」や「つけめん」もありますが、普通のラーメンに比べ、塩分量が少ないのでしょうか。例えば、ラーメンが食べたいけど塩分が気になるという場合は「冷やし中華」を食べるとよいのですか。
市原さん「基本的に、どの料理も同じ中華麺を使っているため、麺自体の塩分量に大差はありません。また、塩分量は味付けの仕方によって異なってくるため、一概に冷やし中華やつけめんの方がラーメンよりも塩分が少ないとはいえません。
例えば、ラーメンと冷やし中華では、冷やし中華の方が塩分が少ないことが多いですが、冷やし中華は汁を残すことが少なく、味も濃い目です。ラーメンは汁を残すことができるため、汁を残すのであれば、ラーメンの方が塩分は少なくなります」
(オトナンサー編集部)
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