そうだったのか! 氏名の記入例が「山田太郎」である理由
申請書や申込書の記入例でよく見かける「山田太郎」という氏名ですが、なぜ、いつ頃から使われるようになったのでしょうか。姓氏研究家の森岡浩さんに聞きました。

各種申請書などの記入例において、必ずと言ってよいほど目にする「山田太郎」という氏名。「『山田』も『太郎』もありがちだから使われている」と、漠然と考えている人は多いかもしれませんが、実際の理由はどのようなものでしょうか。
オトナンサー編集部では、7月6日に小学館より新刊「名字でわかる あなたのルーツ」を出版する、姓氏研究家の森岡浩さんに聞きました。
太郎は長男を意味する「輩行名」
まずは「太郎」です。森岡さんによると「太郎」は本来、長男を意味する「輩行名(はいこうめい)」でした。輩行は「兄弟」のことで、輩行名は「太郎」「次郎」「三郎」といった具合に、兄弟の出生順を表す名前のことです。
「江戸時代以前から、本名とは無関係に長男が『太郎』、次男が『次郎』と名乗り、その家の何番目の子かを表す慣例がありました。昔話などに『太郎』がよく登場するのはそのため。次男や三男よりも多い長男を表す『太郎』は、人々に最も親しまれる名前だったのです」(森岡さん)
人々になじみのある名前だったことから、記入例に広く使われるようになった「太郎」。それでは「山田」はどうでしょうか。
森岡さんによると、2016年4月時点で、日本において最も多い名字は「佐藤」で全国に約200万人。以下2位「鈴木」(約175万人)、3位「高橋」(約145万人)と続きますが、「山田」は12位でトップ10にも入っていません。
「しかし、全国的に見ると、佐藤や鈴木は分布に偏りがあります。佐藤や鈴木は東日本に多い一方、西日本ではトップ10圏外の地域も少なくありません。また、田中のように西日本に多い名字もあるのです」
その点、高橋や山田は地域的な偏りがなく、全国に満遍なく分布する名字といいます。しかし、山田よりランキング上位の名字があるにもかかわらず、山田が選ばれたのはなぜでしょうか。
「最も多く名字に使用される漢字は『田』『野』『川』『山』『谷』の5つですが、この漢字だけで構成される上位の名字は山田だけ。つまり、日本全域で親しみを感じる人が多い山田と太郎を組み合わせた『山田太郎』は、誰が見ても『普通の氏名』に見えることから、記入例に広く使用されているのです」
ちなみに、NHKの調査によると、「山田太郎」が使われ始めたのは、山田太郎さんの歌「新聞少年」がヒットした1965年頃とされているようです。
■森岡浩公式ホームページ
http://office-morioka.com/myoji/index.html
(オトナンサー編集部)
>『田』『野』『川』『山』『谷』の5つですが、この漢字だけで構成される上位の名字は山田だけ。
田野、田川、田山、田谷、野田、川田、谷川いくらでもあるぞ。
上位と言うが何番目まで上位なのか。
ほとんど無理くり言っているだけでちっとも根拠になっていない。
昔、川崎市麻生区に住んでいた友人から聞いた話です。区役所の書類の申込書の例に「麻生太郎」と書いてあった時期があったそうです。もちろん某大臣の本名なので問題があり、じきに変わったらしいです。何に変わったかは忘れました。