オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

脚がつって激痛…「こむら返り」はなぜ起きる? 応急処置&予防法も解説

突然、脚がつる「こむら返り」は「夏に多い」という説もあります。原因や予防法を医師に聞きました。

「こむら返り」はなぜ起きる?
「こむら返り」はなぜ起きる?

 朝起きたときや運動中などに突然、脚がつる「こむら返り」。激しい痛みを伴うことが多く、繰り返し起きることもあり、不安に感じる人もいるようです。「夏に多い」という説もあり、これからの季節は特に注意が必要かもしれません。原因や予防法を、内科医の市原由美江さんに聞きました。

「こむら」はふくらはぎのこと

Q.「こむら返り」は病気なのでしょうか。脚で何が起きているのか、症状も含めて教えてください。

市原さん「こむら返りは、主にふくらはぎの筋肉が収縮してけいれんすることで起こります。足の指や足の裏、太ももでも起きます。症状としては、突然の激痛です。数分間で治りますが、繰り返し起きることも多いです。こむら返り自体は病気ではありませんが、病気が隠れている可能性があります。後ほど説明します」

Q.なぜ「こむら返り」というのでしょうか。

市原さん「『こむら』は、ふくらはぎのことで、『ふくらはぎがひっくり返ったように痛い』ことから『こむら返り』と呼ぶようになったようです」

Q.原因として考えられることを教えてください。

市原さん「冷えや脱水、運動不足の人が普段、使わない筋肉を使ったとき、カリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルのバランスの乱れ、妊娠、糖尿病、肝硬変、腎不全などが原因となります」

Q.起きやすい時間帯や状況はあるのでしょうか。右脚と左脚による違いや「なりやすい人」についても教えてください。

市原さん「運動中や就寝中、明け方に起きることが多いです。右側が多い人、左側が多い人、それぞれいますが、一般的には左右差はありません。『なりやすい人』は先述しましたが、運動不足の人、妊娠中の人、糖尿病や肝硬変、腎不全を患っている人です。また、健康上問題がなくても、こむら返りを繰り返す人がいて、詳しい原因は分かっていませんが、体質的に起きやすい人もいると思われます」

Q.夏に多いといわれますが、事実でしょうか。

市原さん「夏は、暑さから脱水状態になりやすいため多いです。また、大量に汗をかいた際に水だけを飲むとミネラルバランスが崩れるため、起きやすくなることも考えられます。ちなみに、サッカー選手が試合終盤に倒れ込み、『脚がつった』と実況中継している場面でも、脱水と筋肉の疲労でこむら返りが起こっていると考えられます」

Q.応急処置を教えてください。

市原さん「こむら返りが起きた部位をなるべく伸ばすことで回復は早くなります。具体的には、足を伸ばしたまま、つま先を手前に引っ張ります。ただし、とても痛いので、無理は禁物です。薬では『芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)』という漢方薬がこむら返りによく効きます。繰り返す人は予防的に内服します。速効性があるので、起こったときにすぐ内服することで症状が早く和らぎます」

Q.受診が必要な場合はありますか。

市原さん「こむら返りは通常、数分で治るので、それ自体で病院に行く必要はありません。筋肉が痛みますが、時間が経過すれば改善します。ただし、頻繁に繰り返すようであれば、病気が隠れていることがあるので、検査してもらった方がいいでしょう。外来でよく遭遇するのが、こむら返りから糖尿病が判明する人や、糖尿病を患っていて血糖コントロールが悪くなったときにこむら返りが起こり始める人です」

Q.予防法を教えてください。

市原さん「冷えや脱水、ミネラルのバランスが乱れて起きるこむら返りについては、これらを意識して適度な水分やミネラルの摂取を心掛けましょう。特に女性は、脚を冷やさないよう注意することが大切です。また、先述した芍薬甘草湯も予防的に飲むことができますが、事前に医師や薬剤師によく相談してください。漢方薬の副作用で肝障害が起きることがあるので、長期間内服するときは医師に相談し、血液検査をしてもらう方が安心です。

また、この漢方薬に含まれている甘草(カンゾウ)によって、まれですが『偽アルドステロン症』という状態になることがあり、高血圧やむくみ、倦怠(けんたい)感、筋肉痛、手足のしびれ、動悸(どうき)などの症状のほか、こむら返りが起きることがあります。これらの症状で病院を受診するときは、漢方薬を内服していることを伝えましょう。

芍薬甘草湯を飲んだ後にこむら返りが起きた場合、薬の効き目が弱いか偽アルドステロン症か、どちらの可能性もあります。こむら返りが続くようなら、医師に相談しましょう」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

コメント