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ガッキー、長澤、蒼井優…やってそうでやってない大物女優の「朝ドラ」を見たい!

長澤まさみ、綾瀬はるか、蒼井優…

 そしてもう一人、やっていそうでやっていない大物女優としては長澤まさみさんがいます。ただし、こちらは中3で1度、朝ドラを経験していますし、大河ドラマには3作出演。女忍びの役を2度やった後、「真田丸」でヒロインを演じました。脚本家の三谷幸喜さんには「忍者役のオファーしか受けないのかと思ってた」などとツッコミを入れられていたものです。

 しかも、彼女の事務所はこれまで、沢口靖子さんに斉藤由貴さん、田中美里さんといった朝ドラヒロインを輩出してきました。作品はどれもヒットしています。

 新垣さんも長澤さんも、もしヒロインになれば、大人の女性のリアルな葛藤を自然体で演じてくれそうです。また、最近の長澤さんは、怪演的な弾けた芝居も得意にしていますし、朝ドラに新風を吹き込んでくれるのではないでしょうか。

 他には、綾瀬はるかさんの主演を期待する声もよく聞きます。彼女の場合、田舎のお年寄りにも大人気ですから、ヒットの確率は高いことでしょう。ただ、大河やスペシャルドラマなど、NHKでの主演経験が豊富な分、サプライズ感には乏しいかもしれません。

 それよりはむしろ、蒼井優さんの朝ドラを見てみたい気がします。大河「龍馬伝」に出演したことはありますが、映画女優のイメージが強く、また、既婚者であることから、そこを生かした新鮮な演技も期待できそうです。

 ちょっと上の世代では、米倉涼子さんも面白い存在です。現在44歳ですが、過去には藤山直美さんが47歳で主演したこともあるので、まだまだいけます。大河「武蔵 MUSASHI」でヒロインを務めたことはあるものの、もう17年も前の話。今春には独立して個人事務所を開設するなど、節目の時期でもあり、もしヒロインが実現すれば、転機にふさわしい意欲的な芝居を見せてくれるに違いありません。

 今回は30代以上の女優に絞って考えてみましたが、20代にも朝ドラ色のない人はいます。例えば、橋本環奈さんや新木優子さん。こういう人がヒロインを務める朝ドラも、独特な魅力が生まれることでしょう。

 長い歴史を誇るとはいえ、まだ100人程度しかいない朝ドラヒロイン。さまざまなタイプの女優によるドラマをこれからも楽しみに見ていきたいものです。

(作家・芸能評論家 宝泉薫)

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宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

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