子どもの「お手伝い」は何歳からさせるべき? ご褒美をあげることの是非は?
子どもが家事のお手伝いをしてくれることはありがたく、うれしいものですが、何歳から、どんなことを手伝ってもらうのがよいのでしょうか。
毎日、忙しい親にとって、子どもが家事のお手伝いをしてくれることはありがたく、うれしいものです。子どもが成長すればするほど、お願いできるお手伝いの幅も広がっていきますが、子どもがまだ小さいうちは、どんなことから手伝ってもらうとよいか悩む親も少なくないようです。
これについて、ネット上では「小学校に上がるまでの時期のお手伝いが難しい」「自分のことを自分でできるようにさせるのも、立派なお手伝いだと思う」「ご褒美やお小遣いはあげた方がいいの?」など、さまざまな声があります。子どものお手伝いにまつわる疑問について、子育てアドバイザーの佐藤めぐみさんに聞きました。
まずは親と一緒、きょうだいのまねも
Q.子どもにとって、また、親にとって「お手伝い」とはどのような位置付け・意味を持つものだと思われますか。
佐藤さん「お手伝いとは、家庭の中で発生する家事や作業などの一部を担うことを指しますが、何ができるかは年齢も大きく関係しています。最初のうちは、親と一緒に取り組んだり、きょうだいのまねをしたりすることから始め、さらに年齢が上がれば、家族の一員として何らかの役割に責任を持ち、貢献するようになっていくのがお手伝いだと思います」
Q.「子どもが、自分のことを自分でできるようにさせるのも、お手伝いの一つ」と考える親もいるようです。
佐藤さん「お手伝いというと、一般的には『家事全般の中から、その子ができることをやる』ことが多いですが、そもそも、家事自体が家族一人一人の生活全般を支えるものです。よって、子どもたちが自分の身の回りのことを自分ですることも、立派なお手伝いといえます。現に、子どもの自己管理力が高ければ、親の家事は楽になります。自己管理は子どもの自立に関わる非常に大事なスキルですので、伸ばしていくに越したことはありません」
Q.子どもに家事のお手伝いをお願いするのは、何歳ごろからがよいのでしょうか。「上の子がお手伝いしているのを見て、まだ小さい下の子もお手伝いしたがるので悩む」といった親の声もあるようです。
佐藤さん「何歳からというものはないと思います。1歳後半くらいで自由に動けるようになってくると、買ってきた物を袋から出したり、それを棚に置いたりと、親やきょうだいのまねをすることがあります。そういうときに『ありがとう』『助かるよ』と褒めることで、子どもは『うれしい』と感じ、自己肯定感や自己効力感(ある目標を達成する能力が自分にあるという認識)も高めていきます。
上の子のまねをして、下の子も一緒にお手伝いをしたがるときも、できる範囲でやらせてあげるのが望ましいです。ただし、コップに入ったジュースを運ぶなど、ある程度の年齢にならないとできない(床にこぼしてしまうなど)こともあるので、下の子には別の安全なものを運んでもらうなどして、臨機応変に対応するとよいでしょう。
『お兄ちゃんと同じがいい』とこだわる子もいると思いますが、『じゃあ、○○ちゃんには特別に△△してもらおうかな』『これはちょっと難しいかもしれないけど、できるかな』のような一言を加えると、別のことでもすんなり受け入れてくれることが多いです」
Q.子どもの年齢に合わせた、おすすめのお手伝いを教えてください。
・1~2歳…使ったおもちゃを元に戻す、ごみ箱にごみを捨てる、箸を並べる
・3~6歳…食後の食器運び、洗濯物を畳む、簡単な料理(こねる、まぜる、豆をむく)
・7~8歳(小学校低学年)…ご飯を炊く、雑巾で床を拭く、野菜の下ごしらえ
・9~10歳(小学校中学年)…お風呂掃除、卵を割って卵焼きを作る、掃除機をかける
・11~12歳(小学校高学年)…リサイクルのためのごみ分別、ご飯をよそう、野菜や果物の皮むき
佐藤さん「小学校も半ばを過ぎれば、基本的なお手伝いはほとんどできるようになるので、あとはいかに自発的にできるかです。ここでは、小学校高学年で『ご飯をよそう』としましたが、よそうだけなら、もっと小さいお子さんでも可能です。大きい子どものお手伝い項目は『状況に合わせて自ら動けること』を目標にするのがいいと思います。
よく聞くお悩みが『言わないとやらない』ということです。小さい子ほど、その都度言ってあげないと動けないことが多いですが、それも積み重ねです。親側がいちいち言うのを面倒がったり、『家のことよりも習い事や勉強を』と関わらせずにいたりすると、手伝うということ自体が身に付きにくくなります」
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