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ポスト「イッテQ!」? 新番組「陸海空」に規格外のスター・ナスD誕生

芸人のお約束に飽きた視聴者を魅了

 そのほかにもナスDは、アマゾンの部族ですら食べない生物や、嘔吐(おうと)物にしか見えないものまで躊躇(ちゅうちょ)なく口に入れ、ジャングルの川で水を何度も飲み、オネエのコック長から誘われて部屋に行って、ハチに顔面を5カ所も刺されながらココナツをおいしそうに飲み干すなど、鈍感力を武器に衝撃映像を連発。最初はナスDの姿を見てケラケラ笑っていた部族の人々が、徐々にドン引きしてしまう様子がさらなる爆笑を誘います。

 U字工事のプライドがズタズタにされないかはさておき、番組としては、この想定外のスターをフル活用しない手はありません。毎週長い放送時間でフィーチャーしているほか、番組自ら「ナスD」と名づけたのも「親しみやすい愛称をつけてタレントのようにフィーチャーしよう」という策の表れでしょう。

 もはや笑いの神に愛されているという点では、「イッテQ!」のみやぞん、破天荒さでも「クレジャー」の旅人たちを上回っている気がします。ネット上の反応を見ても、ナスD目当てに番組を楽しみにしている人は多く、芸人同士のお約束ネタに飽きた視聴者が魅了されるのは当然かもしれません。

 さらに、ナスDを見た視聴者が「これくらいのことでネガティブになっちゃダメだな」「よし、自分も前向きに生きよう」と元気をもらえるのも見逃せないポイント。キャラの面白さとファンの多さでは誰よりもタレントらしく、こんなにも続きが気になる存在は現在の芸能界には見当たらず、その意味ではすでにスターなのかもしれません。

 アマゾンの旅が終わったら、ナスDはどこへ向かうのか。彼の生かし方が、番組の未来を左右するでしょう。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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