義母にダメ出しされ続けた43歳女性、オンライン帰省で一言も話さない解放感
コロナ禍で注目されている「オンライン帰省」。“姑対策”に活用している人がいる一方、それをきっかけに思わぬ苦労を強いられる人もいるようです。
ようやく、最悪の時期は抜け出した感のある新型コロナウイルスの感染拡大ですが、まだまだ予断を許さない状況です。引き続き、感染拡大を防ぐために厚生労働省から、「新しい生活様式」が発表され、夫の実家との付き合いにも新しい様式が取り入れられ始めています。
それが「オンライン帰省」です。既に「オンライン帰省.com」というウェブ会議サービスが開始されるなど、新たな帰省スタイルとして今後、定着していきそうな気配はあります。とはいえ、電話とは違い、高齢者になじみの薄いITツールを使うため、“帰省する”妻側と“帰省される”義実家側、それぞれの悲喜こもごもがあるようです。
「時間制限」をうまく活用
「オンライン帰省、最高! これで長年のストレスから解放されました!」と満面の笑みを見せたのは美穂さん(仮名、43歳)。一人っ子の夫の実家は車で2時間ほどと比較的近いため、お正月やゴールデンウイーク、お盆、お彼岸など頻繁に訪問するサイクルが、結婚以来続いていたそうです。
「家から近いので、移動の交通費がかからないのはいいのですが、逆に帰省できない理由が見つけにくいんです。義母はきちょうめんで完璧主義、家の中にはちり一つありません。そこに、うちのいたずら盛りの3兄弟が訪問して、元気に家の中を駆け回り、あちこち触ったり汚したりするわけです。
義母にとっては、かわいい孫に会えるのはうれしいものの、家の中が乱雑になることが結構ストレスになるみたいなんです。でも、孫には嫌われたくないので絶対に怒ることはなく、何をされてもニコニコしています。
ただその分、イライラの矛先は私に向くから、滞在中、何をやってもダメ出しばかり。褒めてもらったり、感謝されたりしたことなんて一度もありません」
そんなつらい帰省の転機になったのが、今回の新型コロナウイルスの流行です。
「義母はスマホは持っていますが、ITは苦手。ほとんど、メールも送ってきません。今年のゴールデンウイークは、夫が苦労してZoomの使い方を義母に教え、早速オンライン帰省をやってみました。
息子たちは興奮してパソコンを独占。交代で義母に話し掛けたり、踊って見せたりして、はしゃぎ回っていました。おかげで、私は子どもたちの後ろでニコニコしているだけで、義母と一言もしゃべらずに済みました」
美穂さんいわく、今回のZoom利用の際、実はあるテクニックを使ったそう。
「Zoomは無料版でも、1対1なら時間無制限なんです。でもわざと、私のパソコンと夫のスマホ…と複数のアカウントでログインして、義母と合わせて3人の会議になるようにしました。無料版だと、3人以上が参加する会議は『1回あたり40分まで』の制限があるからです。
今回は狙い通り、40分でウェブ会議が切れて、あっという間に終了! 義母は自分でウェブ会議の設定はできませんから、あちらから再度つないでくることもないし、本当にオンライン帰省は最高です!」
IT企業にお勤めで、普段からウェブ会議をよく行っているという美穂さん。Zoomの機能を知り尽くした「40分切れ作戦」はお見事です。
義実家は車で20分くらいの近距離。
新婚時代からアポ無し訪問が頻繁だったストレスもあり、子無し。
アラフィフの今、過干渉な義母とは距離を取って関わらないようにしています。
コロナが流行してからは、すっかり没交渉。もう、このままでいいです。
電話、無料通話なんて応答しなければいいだけ。あとでなんかあっても「取れませんでした」で充分