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CEOを支え、職場の士気を高める「CHO」とは

社内にユーモアを理解する役員を置く

 会社は人の集まりですから、取引先も、しかめ面でギスギスした雰囲気で仕事をする会社よりも、笑いがあり、明るく楽しく一緒に仕事ができる会社や担当者を好みます。明るい会社、担当者には人が寄ってきます。私は会社にはCEO(最高経営責任者)などと同じように、CHO(Chief Humor Officer=最高“面白”職場責任者)を置くべきだと考えています。社内にユーモアや笑いを理解する役員がおり、その効能を会社全体に説いてリードすれば、ユーモアや笑いが社内に浸透し、明るく活気ある会社になるでしょう。

 もし、私がCHOだとしたら、次のような取り組みをするでしょう。まず先に紹介したような調査を行い、笑いのある、明るい職場になっているかどうか、社内のユーモアの浸透度を確認します。次に社内、職場に必ずいると思われる面白い人、ビジネスユーモアのリーダー的存在を探すのです。いない場合は苦労しますが、どこの社にもこうした人はかなりの確率でいると思います。

 そうした人と連携して計画を練り、ビジネスユーモアの浸透とレベルアップを図ります。社外から笑いのセンスのある講師を招いて勉強することも必要でしょう。会議のやり方もチェックします。時としてユーモアが飛び出すような、楽しく効果的な会議運営を目指すのです。リーダー的存在には、仕事の一環で取り組んでもらいますから、その貢献度をきちんと評価します。

 ほかにも、さまざまな取り組みが考えられますが、大切なのは、定期的にこうした取り組みが効果を発揮しているのか調査・確認することです。そして、それを基に、取り組みの改善をしていきます。

 私は長年、広告営業という仕事でお客様と接してきましたが、最も心がけたのはユーモアによる「笑いのコミュニケーション」でした。その日にお会いするお客様にどのようなユーモアや笑いで接するかを真剣に考え準備しました。お客様によってユーモアや笑いへの反応、好みも異なります。「限られた時間の中で、タイミングよくユーモアや笑いのコミュニケーションを取るにはどうすればよいか」を考え、動きました。時にすべり、失敗し、時にうまく行き、何度も試行錯誤して「笑いのツボ」を学んだのです。

 ツカミ的に、手っ取り早く笑いを取るユーモアでは、ダジャレが有効でした。ダジャレをモチーフにしたネクタイを締めていき、タイミングよく披露して笑いを取ることには、何度も成功しました。「今日はどんなユーモアを披露してくれるのか、どんなネクタイをしてくるのか」を楽しみに待ってくれるお客様も大勢いました。

 笑いのあるコミュニケーションで広告営業の仕事も円滑に進みました。「何かユーモアのある、面白い人」とお客様に評価していただき、スムーズな仕事の展開に役立ちました。先輩や同僚、部下との、職場における円滑なコミュニケーションにも「面白い人」、ユーモアが生きたように思います。

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川堀泰史(かわほり・やすし)

ビジネスユーモア研究家

1950年東京生まれ。1974年早稲田大学商学部卒業。同年日本経済新聞社入社、2005年東京本社広告局長。2010年日本経済社社長、2016年3月日本経済新聞社退社。現在は笑いを使ったビジネスコミュニケーションの講師としても活躍する。著書に「明日使える仕事術 笑談力」(ビジネス教育出版社)がある(http://amzn.asia/2uTwIbh)。

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