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わが子を周りと比較、ないものねだりをする「比べる病」はどう克服する?

わが子と周りの子を比較して「あれもできない、これも不足だ」と、ないものねだりをしてしまうことはありませんか。“比べる病”から卒業するには、どうすればいいのでしょうか。

「ありがとう」と満足していたはずなのに…
「ありがとう」と満足していたはずなのに…

 出産直後は「生まれてきてくれてありがとう」と、赤ちゃんの存在だけで満足していたのに月日がたつにつれ、わが子と周りの子を比較して「あれもできない、これも不足だ」と、ないものねだりをしてしまうことはありませんか。

 このやっかいな“比べる病”、何とかしたいですよね。

親自身も「比べる」中で生きている

 親が比較しがちなのは、わが子のことだけではありません。

 自分自身に関しても「友達が結婚して、自分が独身だったら焦る」、結婚しても「子どもができなかったら焦る」、そして、子どもが生まれても、子育てと家事を両立しているママ友を見ると、「子育てだけに専念している自分が、社会から取り残されているように感じてしまい、焦る」と、ずっと比べてしまいます。

「個性を大事にしましょう」と言われつつ、実際には平均体重や平均身長に始まり、小学校に入学すればクラスの平均点と比べてどうか、大人になれば平均年収、平均貯蓄額…と周りと比べながら、比べられながら生きているのが私たちなので、比べる病になってしまうのかもしれません。

 子どもが生まれた瞬間は「生まれてきてくれてありがとう」「元気に育ってくれればそれでよい」と高望みしなかったのに、成長とともに「首が据わったのが早い/遅い」「立って歩くのが早い/遅い」「離乳食をもりもり食べる/食べない」「言葉を話し始めるのが早い/遅い」などと、周囲の子と比べるようになる人も少なくありません。

 しかも、これで終わらず、4~5歳になると「平仮名が書ける/書けない」「集中力がある/ない」「運動ができる/できない」。子どもが成人しても「うちの子はまだシングル」。子どもが結婚しても「○○さんのお宅は孫が4人もいるのに、うちはまだ。死ぬまでに孫を抱きたい」と嘆きます。

 残念ながら、親から周りと比べられてダメ出しをされても、子どもは「よし! 頑張ろう」とはなりません。

 それどころか、最も理解してほしい親から「どうしてみんなはできているのに、あなたはできないの」といった言葉を掛け続けられることによって、「どうせ僕はだめなんだ」と自己否定するようになります。子ども自身が「自分を受け入れられない、自分が好きになれない」状態になるのです。

立っているだけでも…

わが子が参加せず、よそ見していたら…
わが子が参加せず、よそ見していたら…

 私の経験を交えて、お話します。

 例えば、小学校の音楽発表会。みんなが舞台中央に集まって合唱している中、舞台の端で棒を持って勝手なことをしている子どもがいて、それがわが子だったら、どう感じますか。また、運動会の騎馬戦で、わが子が参加せず、よそ見をして立っているだけだったら?

 私の息子は20歳になる自閉症児ですが、かつての息子がそうでした。息子には、みんなと同じようにできないことが多くあります。「障害があるから比べないんでしょ」といった意見も出そうですが、私のような考えの親ばかりではありません。

 障害児を持つ親の中には「できるだけ健常児に近づけたい、皆と同じことができるようになってほしい」という強い思いを持つ人が結構いて、「どうしてみんなと一緒になってできないの」と子どもを追い詰める人もいます。これも他者との比較ですね。

 私はこう考えてみました。

「昨年の音楽発表会では、舞台にさえ上がれなかったけれど、今年は舞台に上がったから成長したなあ」

「一昨年は運動会に参加するのを断固拒否し、家にこもっていた。昨年は私と一緒に観客席にいて、参加できなかった。今年は騎馬戦で戦えなかったけれど、校庭にいることができた。それなりに成長したなあ」

 わが子の「過去」と「今」を比べてみると、成長に気付くことができました。

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立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。著書は「1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ」「はずれ先生にあたったとき読む本」「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」など多数。ノンフィクション「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)。

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