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ふりかけが欲しい…白米だけで食べられない子どもの偏食、原因と対処法は?

味の付いた食べ物をかけないと、白米を食べられない子どもがいます。周りから理解されにくく、親子ともに苦労する問題ですが、どう対応すればよいのでしょうか。

白米だけで食べられない子どもも…
白米だけで食べられない子どもも…

 筆者のところには、子どもの「偏食」に頭を悩ませている親御さんからの相談が多く届きます。その中で、たまにあるのが「白米だけで食べられないうちの子は変なのでしょうか?」という相談。ふりかけ、のり、納豆など、味の付いた食べ物を白米の上にかけないと食べられず、子どもが給食などで苦労しているというのです。

 実はこれ、意外と多くある悩みで、その理由や解決法もあります。一方で、周りからはなかなか理解が得られず、親子ともに苦労する問題でもあります。どのように対応すればよいのか解説します。

うま味を感じにくい「味覚鈍麻」

 以前、保育園に通う子を持つお母さんから、次のようなお悩みが届きました。

「うちの子が給食で苦労しています。家ではいつも、白米にふりかけをかけて食べているのですが、保育園では、白米の上に何もかけないで食べることがほとんどで、白米が食べられないようなのです。保育園の先生からも、『家でもきちんとトレーニングしてください』と言われましたが、一体どうすればいいでしょうか?」

 白米だけで食べられないときに、家であれば自由にふりかけなどを使って食べることができますが、保育園ではそれが許されないこともあります。しかし、なぜ、白米の上に味の付いた食べ物をかけないと食べられないのでしょうか。それには、主に次の3つの原因を挙げることができます。

(1)味覚鈍麻

一般的な人が持つ味覚よりも味を薄く感じやすく、白米の味やうま味を感じにくいので、まずく感じてしまう。

(2)飲み込みにくさ

白米は口の中でパラパラとほどけるので、小さい子にとっては飲み込みにくい。

(3)見た目

食べられずに怒られたり、過去にうまく飲み込めずに「おえっ」となったりしたことが原因で、白米を見ただけで嫌な記憶がよみがえる。

 子どもも、なぜ、白米だけで食べられないのか原因を自覚しているわけではありません。保護者や保育者がこの原因を知っておくことが大切です。

 今回の「白米だけで食べられない」というケースは「味覚鈍麻」である可能性が高いのですが、この場合は家で少しずつ、ふりかけの量を減らしたり、味の濃いおかずを提供する回数を減らしたりすることが大切になります。そのため、相談を頂いたお母さんにも、同じようにアドバイスしました。

対応急ぐと逆効果に

 ところが、アドバイスを受けて実行したら、「余計に白米を食べられなくなった」というのです。話を聞いてみると、いきなり、ふりかけの量を減らし過ぎていることが分かりました。これはよくある失敗例で、お母さんとしても早く食べられるようになってほしいからこそ、対応を急ぎ過ぎることが多くあります。

 ふりかけの量を減らしたり、味の濃さを調整したりする場合は、子どもが気付くか気付かないかくらい、ゆっくりと焦らずに対応を進めていく方が功を奏します。また、子どももその日によって、食べる食べないの調子のよさは違います。それは、子どもの気持ちの高さによるところもあるので、こちらでコントロールできない部分も大きいです。やるべきことをやり、結果がどうなるかは委ねるくらいの余裕を持って対応することが大切です。

 再度、そのようにアドバイスをしたところ、半年かからないくらいで、「白米だけで食べられるようになった」という喜びの報告を頂きました。そのお母さんが送ってくれたメッセージが印象的だったので、最後に紹介させていただきます。

「子どもの偏食などは、なかなか理解されないと改めて分かりました。『だったら、無理をさせなければいい』『うちの子はこうだから大丈夫』など、周りからいろいろと言われることもありましたが、自分が責められているような気持ちになることもありましたし、具体的なアドバイスを得られることはこれまでありませんでした。

だから、食べない子どもの栄養が不安になったりすると不安になり、本当はそうしない方がよいだろうとは思いつつも、好きなものばかりを与えてしまうこともありました。食べられない子のことを理解するのは大変ですし、本人も周りからいろいろ言われて大変だろうと思います。

それと同時に、毎日、子どもの食事と向き合わざるを得ないお母さんのつらさも理解して、身近にいる人が優しい言葉をかけてくれると救われる人が多いんじゃないかと思いました」

(日本会食恐怖症克服支援協会 山口健太)

山口健太(やまぐち・けんた)

一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会代表理事

人前で食事ができない「会食恐怖症」の当事者経験から、食べる相手やコミュニケーションの違いによって食欲が増減することを実感。既存の「食べない子」への対処法に疑問を感じ、カウンセラーとして活動を開始。「食べない子」が変わるコミュニケーションノウハウの第一人者として、延べ1000人以上の相談を受ける。「楽しく食べられる」ようになる道筋を理論的に分かりやすく明示することで「食べない子」の問題を解決しながら、「食べない子」の親の肩の荷がおり、心が楽になるメソッドが特徴。カウンセリングや講演活動を通して「食べない子」に悩むお母さんや学校・保育園の先生などにメッセージを伝えている。著書に「食べない子が変わる魔法の言葉」(辰巳出版)。

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