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【漫画】家に帰っても楽しくないという娘を変えた、母のナイスアイデア 「参考にします」

悩む娘へのアドバイスを描いた漫画が話題に。「最近、家に帰っても楽しくない」と母親に打ち明けた8歳の娘でしたが…。

漫画「勉強よりも大事な教育」のカット=あぴママ(dayswithapi)さん提供
漫画「勉強よりも大事な教育」のカット=あぴママ(dayswithapi)さん提供

 悩む娘へのアドバイスを描いた漫画「勉強よりも大事な教育」がSNS上で話題となっています。「最近、家に帰っても楽しくない」と母親に打ち明けた8歳の娘。そこで母親は「何が嫌なのか紙に書いてみよう」と提案し…という内容で「シンプルで良いアイデア」「参考にします」「すてきな親子関係ですね」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

悩める友人にアドバイスをしたい

 この漫画を描いたのは会社役員の、あぴママ(ペンネーム)さんです。インスタグラムでは8歳の娘「あぴちゃん」との日々を漫画で発表しています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

あぴママさん「2018年ごろ、無印良品で『週刊誌4コマノート』を見つけ、『手帳として使ったら面白いかな』と気軽に購入しました。何となく娘についての4こま漫画を描いてみたら、友人がとても面白がってくれました。それが最初のきっかけです」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

あぴママさん「ある友人との会話がきっかけです。他人の私から見ると、すでに解決しているのではないかと思われる単純な問題だったのですが、友人は長い時間をかけて悩んでいて、出口の見えない迷路に迷い込んでいる様子がありました。

人はそのような状態に入ってしまうと、なかなか他人からのシンプルなアドバイスが耳に届かないことがあります。どうしてもアドバイスを伝えたいなあという思いから、娘との実際にあった一場面を漫画にしてみました。悩みというのは突き詰めると非常にシンプルで、そのことに気付いてほしい一心だったと思います」

Q.「嫌なことを紙に書き出す」ことは、よくされているのですか。

あぴママさん「私自身は悩みができて煮詰まると、頭の中のことを紙に書いてみることがあります。娘とは、やりたいことを紙に書き出したり、家庭内のルールで改善すべきことを一緒に紙に書いたり、ということを4歳くらいからやっていますが、嫌なことを書くというのはこれが初めてだったかもしれません」

Q.娘さんはスラスラと悩みを書き出していたのでしょうか。

あぴママさん「割とスラスラと書いていたように覚えています。何か問題が起きたときの原因を一緒に考えて、仮説を立てたりすることを日々の会話でやっているので、その延長で慣れているからではないでしょうか」

Q.「時間がない」悩みを解消するために、意識して行ったことは。

あぴママさん「スケジュールの見直しなど細かく頭を使うことはせず、優先順位を大胆に組み替えて、それまで重きを置いてきたことをばっさりカットしました。その分、楽しいことに時間を使えるようになりました」

Q.「宿題以外の勉強をやらない」ことに対して、親として葛藤がありませんでしたか。

あぴママさん「それまでは、算数と国語の問題集を1日2ページだけ取り組んでいましたが、これをすっかりやめてしまった形です。もともと、私はテストでいい点をとるような勉強がとても重要であるとは思っておりませんでした。しかし、娘の塾の先生から、『非常に優秀なのにもかかわらず、学校での勉強が苦手であることによって自己評価が低い』と言われ、少しでも自信を持たせてあげたいと家庭学習を行うようになっていました。

ただ、そんな取り組みも娘の笑顔が減るなら本末転倒なのでやめてしまいました。あまり葛藤らしい葛藤をしていないのは、自分の中で優先順位がはっきりしているからだと思います」

Q.「丸付け」はその後も続いたのでしょうか。

あぴママさん「3日で終わりましたが、それ以降、娘はずっと笑顔です」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

あぴママさん「『勉強になった』というコメントが多く、予想していない反応だったので、とても面食らいました。

少数ですが、『やめたくて仕方ないのに、絶対にやらなければならないことがある人はどう行動すればよいか』という質問が届きました。絶対にやらなければいけないと思っている理由は何か、本当にやらなければならないのか。このような『なぜ』を何度も繰り返し、分析を深めていけば案外、“絶対にやらなければならないこと”などないのではないかと考えています。

娘に身につけてほしいのは、これを考える力です。突き詰めて考えていくほどに、人生はどんどんシンプルになり、悩むことも少なくなっていくはずなので」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

あぴママさん「私は、机上の勉強というのをほとんど重視していません。社会で重要とされる学歴についても、深く考えた結果、ある程度の距離を取ってもよいものだと個人的には結論付けています。

代わりに重視しているのは、自分で考える力、本質を捉える力、そして考えたことを実行に移す勇気を養うことです。日々、これらを娘に伝授しており、そういった一こまを切り取った日常が、誰かの勇気になるような作品を目指しています。

また、ちっぽけな自分なりに見つけた、人生の楽しい法則を漫画付きの書籍にまとめてみたいと思い、論拠となる研究資料などを探しているところです。何年もかけて一つの作品にしたいなと思っています」

(オトナンサー編集部)

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