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洗濯で“ティッシュまみれ”になった服、どうすればきれいになる? 柔軟剤が有効?

「服のポケットにティッシュペーパーが入ったまま、うっかり洗濯機を回してしまった」という失敗は誰しもあるもの。どう対処すればよいのでしょうか。

ティッシュを入れたまま洗濯してしまったら…
ティッシュを入れたまま洗濯してしまったら…

「服のポケットにティッシュペーパーが入ったままになっていることに気付かず、うっかり洗濯機を回してしまった」
「洗濯後、ティッシュまみれになっている服を見て困り果てた」

 このような失敗をしてしまった人は多いと思います。服にびっしりと付いてしまったティッシュを取るのは手間と時間がかかりますが、これを簡単にきれいにする方法に「柔軟剤を使う」「酢を使う」など、いくつかの方法があるようです。

 ネット上では「知らなかった」「本当に取れるの?」「子どもの服でいつもやらかしてしまうから知りたい」など疑問の声もあるようですが、これらの方法は実際に有効なのでしょうか。東京・旗の台にある三共クリーニングの田村嘉浩社長に聞きました。

「湿潤紙力増強剤」で強度

Q.そもそも、洗濯機の中で衣類に付着したティッシュは、なぜ取りにくいのでしょうか。

田村さん「ティッシュはトイレットペーパーと比べ、ぬれてもある程度は丈夫です。これは製造過程で、水分を与えると強度を持たせることができる『湿潤紙力増強剤』が使用されているためです。原材料のセルロース繊維をぬらし、それを脱水・乾燥する工程で、セルロース繊維同士が結合して強度が増すように作られています。

湿潤紙力増強剤を使用したティッシュの製造は、水で繊維をぬらして脱水するという点で、洗濯の工程と同じ要領で造られているともいえます。

洗濯物のTシャツなども、綿などのセルロース繊維でできています。ティッシュを洗濯してしまうと、衣類側のセルロース繊維と洗濯で崩れたティッシュのセルロース繊維が、湿潤紙力増強剤の働きでくっついて取れにくくなるのです。

一方、セルロース繊維以外の衣類やポリエステル繊維の製品などは、湿潤紙力増強剤が働きにくいので、ティッシュの繊維くずが比較的取れやすいでしょう」

Q.うっかりティッシュを洗濯機にかけてしまい、衣類がティッシュまみれになってしまったとき、家庭できれいにする方法として「柔軟剤を使って再度洗濯機を回す」「酢を使う」などがあるようですが、これらは実際に有効でしょうか。

田村さん「柔軟剤には、セルロース繊維に染み込んで繊維を膨らませ、滑らかにする成分が入っているので、絡んだ繊維を少しほどけやすくしてくれます。そのため、普通に水ですすぐより有効だと思います。しかし、実体験としては1回ですべて取れるわけではありません。

まずは、ティッシュの繊維が散らばった洗濯機内を洗浄し、排水溝やフィルターに詰まった繊維を取り除いてから、再度すすぎ洗いをすることが最も重要です。いくら柔軟剤を入れても、ティッシュの繊維が洗濯機内に散らばっているようでは、なかなかきれいにならないからです。洗濯機内を掃除後、柔軟剤を入れて洗うことを何度も繰り返すことで除去できます。

どうしても取れないティッシュの繊維は、衣類をいったん乾かしてから払います。その後、粘着クリーナーや粘着テープなどで取り除きましょう。

一方、酢はアルカリ性の洗剤を中和し、衣類の風合いの変化を和らげるのに使えます。こうした効果は柔軟剤と似ていますが、ティッシュの繊維が取れやすくなるかどうかは分かりません」

Q.柔軟剤や酢の使用を避けた方がよい衣類や素材はありますか。

田村さん「柔軟剤の使用方法を確認して、対象と表示されている衣類・繊維以外のものは使用を避けるべきです。酢に関しては、水洗いできる衣類に関しては、少量の酢を混ぜるなら問題ないと思います。もっとも、先述したように効果は不明です」

Q.柔軟剤を使う方法以外に、ティッシュまみれの衣類に有効な家庭での洗濯方法はありますか。

田村さん「除去には、物理的な方法と化学的な方法があります。私は柔軟剤のすすぎ前に乾燥させて、あらかじめティッシュの繊維をある程度取り除いておくことをおすすめします。数十分すすぎ終わって、『まだ取れていない』『もう一度やるの?』とがっかりしたくないからです」

【物理的な方法】
・衣類を乾かしてから、ハタハタとはたくことでティッシュ繊維を取り除く
・衣類を乾かしてから粘着テープでたたき、ティッシュ繊維を剥がし取る
この後、細かい繊維くずを化学的な方法で取ります。

【化学的な方法】
・洗濯機や水に残っているティッシュの繊維くずを取り除いてから、すすぐ
・柔軟剤を入れ、ティッシュの繊維を衣類から少しでも取れやすくした状態で、すすぐ

Q.ネット上では、ティッシュの他に誤って「紙おむつ」を洗濯機にかけてしまい、紙やポリマーが衣類に付着してしまったケースも比較的多くみられます。この場合も、ティッシュと同じ方法で除去できますか。

田村さん「家庭でできる方法としては同じです。ポリマーは樹脂なのでほとんど水に溶けず、非常に厄介です。少しでも残っていると、空気中の水分を吸収して膨らんだり、いつまでも乾かない汚れとして残ったりするからです。

ポリマーは水を含むと粘性を持ち、取りづらくなります。プロの染み抜き剤にはポリマーを溶かす溶剤もありますが、家庭では代替できないと思います。まず乾燥させ、粒状にしてからブラシで払ったり、粘着テープに吸着させて取り除いたりすることをおすすめします。

どうしても取れない細かい粒が残ったら、すすぎ洗いをしましょう。この場合は、成分を浸透させる柔軟剤よりも、汚れを取り除く洗剤の方がよいでしょう」

Q.ちなみに、ティッシュが付着した衣類をクリーニング店に持ち込んでもよいのでしょうか。

田村さん「実際にこうしたご依頼はあります。しかし、全てのクリーニング店で受け付けることができるかは分かりません。ティッシュの除去はプロでも手間と時間がかかるので、一度相談してみてください」

(オトナンサー編集部)

田村嘉浩(たむら・よしひろ)

三共クリーニング社長

東京・旗の台で1927年から続く三共クリーニングの3代目社長として、テレビや雑誌など各種メディアで活躍する。クリーニング技術を研究する、NPO法人「日本繊維商品めんてなんす研究会」事務局長も務める。お客さまのファッションケアに関する難問を解決するため、洗濯・クリーニングに関する相談などを受け付け、広くクリーニング技術の啓蒙に力を注いでいる。三共クリーニング(http://www.sankyo-c.com/)。

コメント

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1件のコメント

  1. 私も、ティッシュペーパーをポケットに入れたまま洗濯をよくやってしまいます。
    そんな時は慌てずに、ティッシュが比較的多くついているものと少ないものを分けてから、多いものだけを取り出して洗濯機で水洗いをします。水洗いをして乾燥させたものを、先に乾燥させた少ないものと一緒に、張り付いたティッシュをゆっくりとガムテープで除去すれば問題なく取れますよ。