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ひげそり不要? ノーメーク? テレワーク中の身だしなみ、どうあるべき?

新型コロナウイルス感染症対策として、在宅勤務を導入する企業が増えていますが、ひげそりや化粧などの「身だしなみ」について迷う人もいるようです。

在宅勤務時、化粧やひげそりは必要?
在宅勤務時、化粧やひげそりは必要?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策として、政府がテレワーク(情報通信技術を利用して時間や場所にとらわれずに働くこと)を推奨し、在宅勤務を導入する企業が増えています。

 在宅勤務は通勤時間がゼロになるメリットに加え、SNS上では男性から、「ひげそりしなくていいから楽」「3日もひげをそっていない」という声、女性からは「ノーメークは楽」「化粧の時間が有効に使える」といった声が出ています。

 ただ、ビデオ会議などがある会社もあり、ひげそりや化粧について迷う人もいるようです。テレワーク中の「身だしなみ」について、キャリアコンサルタントの小野勝弘さんに聞きました。

「なるべく来ないでね」レベルが多い?

Q.在宅勤務をする際、男性のひげそりや整髪は必要でしょうか。不要でしょうか。

小野さん「在宅勤務であっても、ひげそりや整髪などの身だしなみは最低限必要と考えます。仕事では、突発的な対応が必要になるケースも多くあります。また、在宅勤務が可能だったとしても、ネットワークの問題などで、自宅では即対応が難しい仕事もあります。そのような場合、どうしても会社で仕事をする必要が出てきます。

感染予防のため会社に入ること自体NGという会社もあるでしょう。しかし、在宅勤務は立ち入り自体は禁止されず、『なるべく来ないでね』といったレベルにとどまっている会社が多いように思います。さらに、会社が徒歩圏内の人などは『何かあったときに即対応可能な人』として会社が考えている可能性があり、備えておくのが無難でしょう。

また、最近では、ビデオ会議を自宅で行う例もあります。ビデオ会議がある場合は、ない場合以上に、かつ通常の通勤時以上に身だしなみを整えるべきです。ビデオ会議は『カメラ』を意識する必要があるからです。

カメラに向かう際は、カメラとの距離感が測りにくいことに加え、おおむね胸から上が見えることが多く、身だしなみの良しあしが目立ちやすいといえます。そのため、特に目元や肌のテカリ、ひげなどが目立ってしまわないよう普段以上に注意しましょう。また、ビデオ会議がない場合も、ひげそりや整髪を行うと気持ちが引き締まります」

Q.女性の化粧や髪のセットはどうでしょうか。

小野さん「基本的には男性と同じ理由で、メークも整髪も必要でしょう。男性と違って、メークや整髪込みで身だしなみと判断される職場も多いでしょうから、女性の方が、より大変かもしれません。

特にビデオ会議がある場合は、普段のメークや整髪に加えてアクセサリーを控えめにしたり、目元のメークを落ち着いたものに変えたりといった配慮があってもいいかもしれません。普段、対面する際は気にならないことでも、カメラ越しだからこそ気になってしまうことも考えられます。

例えば、『胸元の大きいネックレスやブローチが目立って、気になって気が散ってしまった』といった話を実際に聞いたことがあります。ビデオ会議がない場合は、普段通りのメークと整髪でよいでしょう。何かあった際、すぐに出社できる身だしなみを心掛けておけば間違いありません」

Q.ひげそりや化粧をしていない人が、ビデオ会議システムで突然呼び出された場合、「身支度をするので少し待ってください」と言うことや、「画像なし、音声のみでお願いします」というのはアリでしょうか、ナシでしょうか。

小野さん「単純に考えればナシでしょう。仕事を行う場所が違ったとしても、普段と同じ時間を仕事に費やしているわけですから、会社にいるときと同じ対応をすることが暗に求められているといえるからです。ビデオ会議システムがある在宅勤務ならば、突然呼ばれることも想定して動く必要があるでしょう。

キャリアコンサルタントとしての立場でも、やはりナシかと思います。身だしなみは個人の自由であり、どちらでもいいと思いがちですが、私たちの視点の中には、相談者がどの程度、周りからの期待や仕事上果たすべき役割を認識しているかというものがあるのです。つまり、迅速な対応や突発的な来客にも対応できる力を、会社としてあなたに求めている面があると思います」

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小野勝弘(おの・かつひろ)

キャリアコンサルタント、一般社団法人セルフキャリアデザイン協会代表理事、株式会社ファサディエ EAP事業部 新規事業準備室

1969年東京都生まれ。桐蔭学園工業高等専門学校電気工学科卒業。2001〜2016年までIT系企業に所属。エリアマーケティングツールに携わり、営業・商品企画・事業企画・人材教育・労務管理などを経験。企業のホワイト化・健康経営・人事労務は、今後の会社経営に欠かせない重要な領域と考え、「労働者と企業のための人材定着、若者雇用促進による企業の生産性向上」をテーマとする。2016年〜現在は株式会社ファサディエ EAP事業部所属。2018年に一般社団法人セルフキャリアデザイン協会(https://self-cd.or.jp/)を設立し、キャリアコンサルタント、EAPコンサルタントとして活動中。

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