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ママ友の子は発達障害児 経験から考える「言わない方がいい言葉」

ママ友の子どもが発達障害児だった場合、「どんな言葉をかけたらよいか分からない」と悩む人も多いと思います。「それは言わない方がいいかも」と感じたことをまとめてみました。

発達障害児の親へのNGワードは?
発達障害児の親へのNGワードは?

 ママ友の子どもが発達障害児だった場合、「どんな言葉をかけたらよいか分からない」と悩む人も多いと思います。自閉症児の親である私自身が「それは言わない方がいいかも」と感じたことをまとめてみました。

「ピュア」「才能ある」「病気は治る」…

【子どもは親を選んで生まれてくる】

「子どもはママを選んで生まれてくるんだよ。きちんと育てられる人のところにやってくるんだよ」という応援のメッセージを言う人がいます。しかし、言われた側は「きれいごとを言わないでよ」と心の中で叫んでいるかもしれません。「虐待する親の下に生まれた子どもも、親を選んできたの?」と感じる人もいるでしょう。子どもは親を選ぶことができないのです。

【こういう子は天使。ピュアだよね】

「障害のある子どもはみんなピュアだよね」と言う人がいます。障害による特性や傾向は確かにありますが、意地悪な子や頑固な子もいます。なぜなら、皆一人の人間だからです。そして私は正直、自傷や他害をするわが子のことを天使だとはとても思えませんでした。

【個性の一つだよね】

こう言う人がいますが、実際は個性や性格ではなく、生まれつきの脳の機能障害です。アレルギーのように「持って生まれた体質」のようなものであり、後から形成されたものではありません。障害を抱えて生まれてきた後、家庭環境や出会った友達、先生などによって個性がつくられていくのだと思います。また、わが子の「激しいパニック」や「強いこだわり」などに苦しみながら子育てしているとき、“個性”という言葉で片付けられるとつらかったです。

【家族の絆が強まるよね】

実際、障害児が生まれて絆が深まる家族もいます。しかし、一方で、子育て方針で夫とぶつかったり、姑(しゅうとめ)が「うちの家系にこんな子が生まれるはずがない」と責めたりして一家がバラバラになり、離婚する人もいます。

【才能があるでしょ】

画家やピアニストになった自閉症の人が、テレビで脚光を浴びているのを見ることによる「自閉症児には秘めた才能がある」「ギフテッドチャイルドに違いない」という世間の思い込みです。確かに、健常者にはない能力がありますが、それが職業につながって自立できている人はほんの一握りの人たちです。

「才能を生かせる将来の道を開いて」と言われると、「こんな小さなうちから、職業のことも考えなくてはならないのか」とますます追い込まれる人もいます。特別なことができない子どもであっても、“あるがままのわが子”を受け入れるのが理想です。

【必ず伸びる】

この言葉に元気をもらえるという人もいます。しかし、中には「今は伸びていない」とひねくれて捉えてしまい、子どもの状態をますます受け入れなくなった結果、療育訓練に走って“才能の温泉掘り”に必死になってしまう親もいます。

【障害名で表現する】

発達に特別な問題のない健常児のママが、わが子が好奇心旺盛でウロウロと動き回るのを見て「うちの子は多動ちゃんだから」と、ふざけて言っているのを耳にすることがあります。注意欠陥多動性障害(ADHD)の診断を受けているママが耳にすると、いい気分はしません。

【病気治るといいね】

病気という言葉には「治療すれば治る」というニュアンスが含まれます。療育訓練によって社会性は身に付くかもしれませんが、根っこは変わりません。おじいさんになってもおばあさんになっても、自閉症です。

公表している人には気負わず接して

 一方で、人に言われたりされたりしてうれしかったこともあります。

【今のうちに、トイレに行ってきたら?】

ウインドーショッピングをしたくても、突然走り出すかもしれないわが子と一緒だと、買い物もままならない状態。そんなとき、「私が○○君を見ているから、今のうちに商品選んできていいよ」「今のうちにトイレ行って来たら?」と声をかけてくれたママ友、わずかな時間でも面倒を見てもらえて助かりました。

【好みの物をくれた】

時刻表や換気扇の種類、地図記号、便器の型番などに興味を持っている息子。たとえ、興味の対象が一風変わっていても、息子自身が興味関心を持っているものをプレゼントしてもらったときはうれしかったです。相手の好みを知っていることは普段、息子の行動をよく見てくれている証拠なので感激しました。

 私が考える「言われたくないこと」「言われてうれしいこと」を挙げてみましたが、子どもの障害をママ友に公表している人に対しては、腫れ物に触るように障害の話題を避けるのではなく、「□□美容院は理解があるみたいで、立ち歩いても大丈夫みたいだよ」「○○の歯医者さんはどんな子どもでも上手に診てくれて評判がいいよ」などと、気負わずに接してみてはどうでしょうか。参考にしてくださいね。

(子育て本著者・講演家 立石美津子)

立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。著書は「1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ」「はずれ先生にあたったとき読む本」「子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方」など多数。ノンフィクション「発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年」(小児外科医・松永正訓著)のモデルにもなっている。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)。

コメント

2件のコメント

  1. 立石さんの書かれている通りです。
    全て。
    天才肌なんだね→変態肌ですよウチは。
    あなたがちゃんとできる人でよかったね→よかった⁈これまでの私達親子の何を知ってよかったなどと言うのか。
    ふざけるなと思いました。
    外見、数時間の会話では全く分からないわが子、短期間のお付き合いで終わる人にはもう理解を求めて説明などしません。

  2. 染色体異常の娘を持つ母親です。
    発達障害や、心疾患などがあり同年代の子と比較すると
    まだまだ赤ちゃんの様な我が子ですが、
    保育園のママ友はみんな普通に接してくれます。成長を一緒に喜んでくれます。
    この記事を読んで、自分のママ友が
    こう言わないようにしよう。障害持ちのママはこう接していかなければいけないんだ。と思われるのが嫌です。
    そもそも、障害に対して何か言われるというよりも、発言に悪意があるように感じて嫌な思いをしているのではないでしょうか?
    個性だよね。ピュアだよね。と言われても、
    嫌な思いをしない人もいますよ。
    気を遣わなければいけないんだ。これは言ってはいけないんだ。と思われるより
    正直な気持ちを交わせるママ友を大事にしたいと思う障害児ママも沢山いると思うので、記事を気にしないでほしいです…