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門脇麦と土屋太鳳 不運な朝ドラ「まれ」から巣立った彼女たちの今

「朝ドラ女優」「大河女優」としての共演

 そんな中、今年は土屋さんと山崎さんがドラマ「今際の国のアリス」(Netflix)にW主演します。「まれ」では同級生から夫婦になった他、何度も共演している名コンビの復活です。

 そして、門脇さんは大河です。代表作になりそうですが、時の人として大騒ぎされるようなことにはつながらないかもしれません。というのも、彼女はその生活ぶりがあまり話題にならないタイプなのです。

 例えば、彼女は2015年に急性喉頭蓋炎で緊急入院したことがあり、その2年後、こんな告白をしました。

「病院に行ったら、『このままじゃ死んじゃうから、大学病院に行ってください』と言われて。鼻から管を通して1週間入院」(BuzzFeed)

 その結果、「一度きりの人生なのだから、毎日楽しくやらなければ、もったいない」と思うようになったそうですが、これはファン以外、あまり知られていないことでしょう。彼女の場合、世間の興味はその演技や作品に特化されているかのようです。

 一方、対照的なのが土屋さんです。こちらは演技や作品以外の“キャラ”まで注目され、物まね芸人にもネタにされています。これはCMでもおなじみの独特の口調や振る舞いが、一つのスタイルとして貫かれているからでしょう。その分、世間の好悪も分かれるところですが、どんな役も自分の色にする強烈な存在感があります。

 その点、門脇さんには特に決まったスタイルはありません。「まれ」の前年に公開されたR18指定映画「愛の渦」では、「地味で真面目そうな容姿ながら、誰よりも性欲が強い女子大生」を体当たりで演じたように、どんな役にも自在に染まれるタイプです。

 プライベートも割と静的かと思いきや、アウトドア系で釣りが趣味だったりします。運動神経も良く、本格的にクラシックバレエをしていました。

 そんな二人は「まれ」の翌年にも2度共演。しかし、次にその機会があるとすれば、朝ドラ女優と大河女優としての共演になります。そこでは、ただの再会にとどまらない、新たな化学変化が見られそうです。その前にまずは「麒麟がくる」「今際の国のアリス」の二人を楽しみにするとしましょう。

(作家・芸能評論家 宝泉薫)

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宝泉薫(ほうせん・かおる)

作家、芸能評論家

1964年岐阜県生まれ。岩手県在住。早大除籍後「よい子の歌謡曲」「週刊明星」「宝島30」「噂の真相」「サイゾー」などに執筆する。近著に「平成の死 追悼は生きる糧」(KKベストセラーズ)、「平成『一発屋』見聞録」(言視舎)、「あのアイドルがなぜヌードに」(文春ムック)など。

コメント

1件のコメント

  1. 門脇麦さんの駒、見ていて応援したくなります。史実から考えると報われない恋…と思ってしまうのだけど、そこがまた応援せずにはいられない。門脇さんの演技、今後も期待したいです。

    土屋太鳳は、まれの時にちゃんとケーキ職人を演じていないハンパ女優のイメージしかなきです。ろくにケーキ作りの演技も勉強せず、ボール引っ掻き回す、すぐ得意のダンスネタに逃げる…あれはプロじゃない。