お箸を“逆さ”に使ってはいけない本当のワケ
大勢で一緒に食事をし、大皿の料理を取り分ける場面で専用の箸がない場合、あなたならどうしますか。しばしば見かける、自分の箸を逆さにして使う行為は「逆さ箸」というマナー違反にあたります。その理由は何でしょうか。

大皿に盛られた料理を大勢で分ける場面で、あなたならばどのようにして、自分の分を取り分けようとするでしょうか。取り分け用の大きな箸が用意されていれば、それを使えばよいのですが、ない場合、自分の箸を逆さにして使うことは「逆さ箸」というマナー違反にあたります。
逆さ箸はなぜマナー違反にあたるのか――。オトナンサー編集部では、NHK大河ドラマ「花燃ゆ」「龍馬伝」などのマナー指導を務め、28万部の著書「お仕事のマナーとコツ」や最新刊「運のいい人のマナー」などがある、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんにうかがいました。
年神様が使う「祝い箸」とは何か
諸説はありますが、これには「祝い箸」との関係があるそうです。
西出さんによると、祝い箸とは、お正月におせち料理を食べるときなどに、両端とも食べ物をつかめるように細くなっている箸のこと。「両端が細くなっているのは、お正月にいらっしゃる年神様に料理を召し上がっていただけるように、一方の先端は神様用、もう一方は人が使うという意味が込められているようです」(西出さん)。
ここから、特に祝い箸では、箸の“一方の先端”は神様のものとされるため、逆さ箸はしないようにします。祝い箸以外にも当然、同様の考え方があてはまるほか、「両端を汚すのは見栄えがよくない」「自分の手が触れた箸で料理を取ることは衛生的によくない」などとされています。
「料理を取り分けるときは、箸の反対側を使うのではなく、お店の人から取り分け用の箸を頂けるようにお願いしてみましょう。また、ホームパーティーなどでは、招く側が事前に取り分け用の箸を置いて差し上げるのが親切です」(西出さん)
※参考文献:「マナーコンサルタントがこっそり教える実は恥ずかしい思い込みマナー」(西出ひろ子著)
(オトナンサー編集部)
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