出川哲朗、岡田結実、生田斗真…「天才てれびくん」が育て、覚醒させた才能たち
出川哲朗さん、岡田結実さん、生田斗真さん…「天才てれびくん」シリーズからはさまざまな才能が羽ばたいています。

来年1月2日、新しい地図の、稲垣吾郎さん、草なぎ剛さん、香取慎吾さんの3人が「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」(テレビ東京系)に出演します。彼らにとって、地上波のバラエティーにメインゲストで出演するのは独立後初めてのこと。それが、出川哲朗さんの番組であることに感慨を覚えます。
というのも、SMAPと出川さんは同時代に世へ出ました。ただし、片やアイドル、片やリアクション芸人。しかも、SMAPがブレークと同時に次々と冠番組を任されていった頃、出川さんはやや停滞期に差しかかっていました。1990年代に面白がられていたリアクション芸がゼロ年代に入り、ちょっと飽きられていたのです。
そこから再ブレークして、冠番組まで持てるようになったのはなぜなのか。カギは一つのテレビ番組でした。NHK・Eテレで1993年から平日午後6時台に放送されている「天才てれびくん(天てれ)」シリーズ。出川さんは2011年から3年間、メインMCに起用されていました。
子どもの支持と“いじる力”
この番組は、「てれび戦士」と呼ばれる子どもたちが、さまざまな挑戦をしていくもの。MCはそのまとめ役です。小学生の7割が見ているとされるこの番組に出演したことで、出川さんは子ども世代に親しまれるようになります。
その一例が「ヒルナンデス!」(日本テレビ系)のコーナー「超限定マーケティング」です。毎週、さまざまなアンケートの結果を予想して楽しむ企画でしたが、当時、「父親にしたい芸人」などの子どもが対象の項目で、出川さんの名前が挙がることが増えました。そんなとき、スタジオと客席が意外そうな反応をすると、進行役の有吉弘行さんが「子ども番組とかもやってますからね」などと解説していたものです。
しかし、出川さんが得たものは、子どもたちからの親しみだけではありません。“いじる力”を身に付けたのです。というのも、「天てれ」においては彼がトップであり、出演者の大半は予測のつかない動きをする子どもたちです。それまではもっぱら、いじられる側でしたが、いじる側を担ったことで両方できる芸人になりました。
とはいえ、最大の武器はやはり、いじられる力。彼を「ボス」と慕う元てれび戦士はこう言っています。
「(卒業後も同窓会みたいに)年1回、最上級ランクの焼肉屋さんに12~13人、小学生、中学生を連れてってくれるんですよ。もうずっと裏で『お財布さん』って呼んで。愛のある方です」(「櫻井・有吉THE夜会」より)
MCができるようになっても、いじられ、愛される出川さんの面目躍如(やくじょ)というところです。
ちなみに、この発言者は岡田結実さん。2010年からの4年間、てれび戦士でした。彼女にとっても「天てれ」経験はかけがえのないものです。というのも、彼女の父親はお笑いコンビ・ますだおかだの岡田圭右さん。いわゆる二世タレントです。
チャンスに恵まれやすい分、それなりの能力を見せないと駄目出しもされがちなのですが、彼女には二世であることを伏せて活動した「天てれ」時代があります。二世だと公表したときには、それなりの能力が備わっていました。
来年1月24日には主演の連続ドラマ「女子高生の無駄づかい」(テレビ朝日系)がスタートします。「天てれ」で培われたバラエティーセンスも生かし、達者なコメディエンヌぶりを見せてくれることでしょう。
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